自粛による消費行動の変化、いまこそエリアマーケティングによる販促施策を

公開日:2022年3月10日

新型コロナウイルスの影響で、外出を自粛する人が増えました。その反動により地方移住が促進。地方スーパーを利用する人が増えるなど、消費行動に変化が見られます。
特に地方の小売店は、エリアマーケティングを見直すタイミングに差し掛かっています。地域情報に基づいたエリアマーケティングを取り入れれば、売上の底上げにつながるでしょう。この記事では、エリアマーケティングのポイントや事例を紹介します。

エリアマーケティングとは

エリアマーケティングとは、地域(エリア)に特化したマーケティング手法です。地域住民の生活様式や土地柄、交通インフラ、産業などを分析し、マーケティングを行います。
地域への理解度が深いと、自社の製品やサービスのニーズの有無が分かります。逆に理解度が浅いと、地域のニーズとマッチしない可能性もあります。
地方スーパーは、地域に密着したお店も多く、エリアマーケティングを有利に進められるかもしれません。
消費者が生活する地域(商圏)を分析すれば、需要や売上の予測ができます。また性別や年齢に合った広告や販売戦略の立案ができるのもメリットです。
特に地方スーパーは、限られた消費者を呼び込む必要があります。エリアマーケティングに取り組めば、売上アップを期待できます。

コロナ禍により消費行動が変化している

新型コロナウイルスにより在宅勤務が増え、スーパーへ買い物に行く人が増えています。また感染対策として、地方移住が進んでいる背景もあり、地方の消費行動は変わりつつあります。
消費者庁が公表した「令和3年版消費者白書」によると、サービスや外食、交通の支出は減ったものの、「食料」の支出に関しては消費支出全体を上回る水準で推移していることが分かっています。家で過ごす時間が増えたことにより、食料品の購入が増えてきました。
特に地方は移住者が増え、以前とは消費行動が変化しています。今ここでエリアマーケティングを強化すれば、売上の底上げにつながる可能性があります。

地方でエリアマーケティングを行う時のポイント

地方でエリアマーケティングを行う時のポイントを紹介します。

地域情報に基づいた分析を行う

まずは地域情報を収集して、分析を行っていきます。
おすすめは、総務省や各都道府県が公表している国勢調査から分析する方法です。

・年代
・性別
・人口統計
・人口増減数
・一世帯当たり人員
・15歳以上の就業者数

国勢調査では、このような情報も入手できます。市町村別のデータを正確に把握すれば、エリアマーケティングも容易になります。

地域住民の生活様式を分析

データを元に、地域住民の生活様式を分析していきます。
例えば、15歳以上の就業者数が多い地域では、朝から昼にかけてお弁当の需要が見込まれます。さらに絞り込んで男性が多いと分かれば、ボリューム系の弁当やカップ麺の品揃えを増やす販売戦略も立案できます。
また一世帯当たり人員が多い地域なら、ファミリー層を狙った商品を取り揃えるのもおすすめです。
このように地域住民の生活様式を分析すれば、需要とニーズがマッチした戦略を立てられます。

データツールの活用

エリアマーケティングはデータが多いほど有利です。
自社や国勢調査で得られないデータは、サービスやツールで調べることをおすすめします。
そこで、エリアマーケティングにおすすめのツールを3つ紹介します。

 

■ 地域経済分析システム「RESAS」

■ 画像引用元:RESAS 地域経済分析システム(https://resas.go.jp/#/13/13101)

地域経済分析システム「RESAS」は、経済産業省と内閣官房が提供するサービスです。市町村の産業構造人口動態人の流れなどのデータを集約し可視化してくれます。
特定の地域に絞って検索できる機能もあり、エリアマーケティングを大きく加速させてくれます。
小売店だけでなく、自治体や地方創生活動をする人にも活用されているツールです。

 

■ jSTAT MAP

■ 画像引用元:地図で見る統計(jSTAT MAP)(https://jstatmap.e-stat.go.jp/jstatmap/main/trialstart.html)

jSTAT MAPとは、さまざまな統計を地図上で確認できる地理情報システムです。総務省統計局が統括し、独立行政法人統計センターによって運営されています。
特定のエリアを指定すれば、その周辺の人口構成年齢別人口世帯数などが表示されます。特に年齢別人口はエリアマーケティングに欠かせないものですので、ぜひ導入を検討してみてください。

 

■ モバイル空間統計

■ 画像引用元:【公式】モバイル空間統計 | 位置情報などのビッグデータを利用した人口統計情報(https://mobaku.jp/)

モバイル空間統計は、NTTドコモが提供する統計ツールです。
NTTドコモのネットワーク回線を元にして、誰がどこに移動したか可視化。1時間単位で人口動態が分かるのがメリットです。
また会員アンケートにより、興味関心や移住形態も明確になっているのもポイントです。さらに踏み込んだエリアマーケティングを実施したい人はぜひ活用してみてください。

 

実践してデータを収集

販売戦略を立てた後は、実践してデータを収集していきます。併せて競合他社の分析も行い戦略を再構築。商圏の属性を見極めて、営業活動することが大切です。
集めたデータは、今後のエリアマーケティングに活かせるものばかり。こまめに情報収集して、競合他社との情報戦に勝ちましょう。

競合他社のシェアを把握する

指定した地域で販売戦略を実行する場合、競合他社の数や規模を把握することが大切です。

・立地
・店舗数
・売場面積
・営業時間
・商品内容

このように定量的に分析していきます。
すると「なぜ自社にはお客さんがこないのか」「消費者が競合他社を選ぶ理由」などが明確になってきます。

エリアマーケティングの事例を紹介

地方でエリアマーケティングを導入している企業の事例を紹介します。

ハローデイ(スーパーマーケット)

■ 画像引用元:アミューズメントフードホール ハローデイ(http://www.halloday.co.jp/)

ハローデイは、福岡県を中心に30店舗以上展開するスーパーマーケットです。会社のモットーは「地域密着」。周辺に暮らす人とのコミュニケーションを重視しています。
同社では、会員のポイントカードを利用して顧客分析を行っています。会員データを商圏分析ツール「TerraMap」にインポート。店舗毎に会員数や購入金額のデータが可視化されるだけでなく、市町村・町丁目単位で顧客の情報を管理しています。
そのため、毎週の新聞折込チラシの配布エリアを絞り込むなど、効果的なエリアマーケティングを行えています。

エブリィ(スーパーマーケット)

■ 画像引用元:エブリイ(https://www.super-every.co.jp/)

エブリィは、広島県と岡山県を中心に展開するスーパーマーケットです。毎朝、売場の責任者が市場で食材を仕入れており、鮮度と価格を武器に急成長しています。
同社ではスマホアプリを活用した販売戦略を実施しています。アプリで会員登録すると、各店舗のチラシやおすすめ商品を表示。水揚げされたばかりの新鮮な魚の写真を取り上げるなど、密度の高い情報を届けています。
その裏では、DMP(蓄積したデータを管理するシステム)を活用した顧客分析を実施。この分析方法は、無印良品や東急ハンズ、ユニクロなどが取り入れるハイレベルなものです。
ここまで分析を強化している地方スーパーはそうありません。だからこそ、エリアマーケティングで競合他社と差別化すれば、大きな売上を見込めます。

タカハシ(衣料品店)

■ 画像引用元:タカハシ - everyday low price(https://tasm.co.jp/)

タカハシは、関東地方を中心に展開する衣料品店です。「everyday low price(エブリディ ロー プライス)」をコンセプトに、日本一安い衣料品店を目指しています。
同社は「衣料品を安く買いたい」というお客様をターゲットにしています。そこで、電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を導入。20~40代の主婦層がメインユーザーなので、「格安の衣料品の親和性が高い」と予測しました。
Shufoo!には、どこの地域にお客様が集中しているか可視化できる、マッピングレポートというものがあります。商圏を分析しやすいため、配信エリアの選定や新規出店の計画に役立ちます。
その結果、出店エリアを東京・埼玉にも拡大し、売上を大きく伸ばしました。

地方企業こそエリアマーケティングの販促を

新型コロナウイルスにより、消費行動は地方に向いています。このチャンスを逃さないためにも、今後はエリアマーケティングによる販促を強化すべきです。
まずは地域情報を分析し、小さな販促から始めてみてはいかがでしょうか。

 

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