「非接触」「人材不足」に対応、食品自販機は新たな販路として定着するか

公開日:2022年1月6日

宅配やテイクアウトに次ぐ新たな販路

食品を販売する自動販売機(自販機)が町中に増えてきました。お菓子、スイーツ、お肉、餃子、ラーメン、弁当、寿司など、思いつく多くの食品が次々と自販機化されています。密集を避けたり非接触ニーズの高まりなど新型コロナウイルス感染拡大の影響はもちろんのこと、保存技術の進歩や人手不足の解消といった課題解決も、食品自販機の普及を後押ししています。

新型コロナウイルスの影響で厳しい状況に陥っている事業者も少なくない食品業界。とくに飲食店やお土産店、あるいは、これらの店舗に食材や商品を卸す事業者も大きな打撃を受けました。そこで、まず最初に新しい販路として台頭してきたのが宅配やテイクアウト。日本能率協会総合研究所によると2019年に1700億円だった出前の市場規模が2022年には約2倍の3300億円まで拡大すると予測。中でも、Uber Eatsや出前館などを中心に急成長を遂げました。

そして宅配やテイクアウトの動きを追いかけるように伸びてきているのが食品自販機です。

人気の冷凍タイプは200万円前後から設置可能

食品自販機は、「防水」「防塵」「防犯」の機能を装備したものや、商品特性に合わせて「汎用タイプ」や「冷凍タイプ」などがあり、取り扱う商品やサイズ、特性によって使用する自販機の規格が異なり、すでに多種多様な商品に対応した機種が登場しています。

まず、食品自販機の種類は大きく「屋内型」と「屋外型」に分けられます。駅構内や店舗内、学校や病院などに設置するのが「屋内型」、工場や建屋の軒先の置く「屋外型」があります。違いは「防水」「防塵」「防犯」の機能の有無となります。また、取り扱う商品の適正に合わせて「汎用タイプ」「冷蔵タイプ」「冷凍タイプ」「ロッカー式」などがあります。

「汎用タイプ」

自由度の高いレイアウトが可能でさまざまな商品のサイズにあわせられるため、40~60品目を販売することができ、食品と雑貨を同時に取り扱うこともできる。番号で商品を選ぶ。コンビニ自販機などで利用。

「冷蔵/冷凍タイプ」

現在主流の食品自販機の多くが冷凍できるタイプ。10品目程度の取り扱いが可能。肉、餃子、明太子など冷凍保存できる食品に適している。

「ロッカー式」

コインロッカーに似た見た目で構造も似ています。野菜や米、卵、果物等の食品を中心にボックス内に入るものであれば多種多様な商品を販売できます。機種によっては無電源で設置できるのも特徴です。

 

設置費用については、サイズやメーカー、種類によってさまざまですが、現在、人気が高い冷凍タイプの「ど冷えもん」(サンデン・リテールシステム)の基本構成は200万円前後で、オプション機能等によって金額が上乗せされます。

コンビニ自販機としても導入が進む汎用タイプ

非接触、時間外販売、人手不足解消に期待

緊急事態宣言が解除され、感染者数も激減し、飲食店が通常営業に戻り始めると同時に、宅配やテイクアウトの需要は落ち着きつつありますが、食品自販機の市場は勢いを増しているのが現状です。考えられる理由としては以下の通りです。

  • 非接触ニーズが定着、無人販売による安心感
  • 24時間販売によりコロナで失った販売機会を取り戻す
  • 冷凍技術の進歩により安定した品質での保存が可能に
  • 人材不足を補うため



コロナがきかっけではあるものの、店舗の営業時間外にも販売できることや、従来は不可能だった食品が技術の進歩で冷凍できるようになるなど、コロナとは直接関係のない理由で導入する動きが出ています。また、人材不足を解消できる切り札と位置付け、店舗スタッフを減らして徐々に自販機にシフトする動きも増えているようです。

食品自販機の普及とともに、自販機メーカーでは、薄型、省電力化、冷蔵/冷凍両方に対応できるハイブリッド型など、さらなる技術革新にも取り組んでいます。今後も食品自販機事業に参入する動きが活発化することが予測されますが、食品事業者の新たな販路として定着するのか注目です。