妊婦さんは、お腹の中の赤ちゃんのためにも、栄養満点の食事を摂らなければなりません。
さらに、食べていいもの、食べてはだめなものもあるので、細心の注意を払って食事を選ぶ必要があります。
この記事では、妊婦さんから重宝されるマタニティフードについて解説します。併せて、どんな商品があるのか紹介しますので、食品メーカーの方もぜひ参考にしてみてください。
マタニティフードとは
マタニティフードとは、妊婦さん向けの「妊婦食」を指します。
マタニティ期は食べて良い食材と食べてはだめな食材があり、気を遣って食事をしなければなりません。食事はお腹の中の赤ちゃんの栄養になるものなので「より良いものを食べたい」という妊婦さんは多いはずです。
現在日本には「日本マタニティフード協会」があり、マタニティフードマークの普及を行っています。
マタニティフードマークとは、マタニティ期(妊活中・妊娠中・授乳)の方に適した食材やメニューを示すマークです。
厚生労働省の栄養摂取の基準や管理栄養士監修のもと設定されているため、妊娠中の方は安心して食事ができます。
食品メーカーであればマタニティフード認定基準を満たす商品開発を行えば、妊婦さんからの需要を巻き取れる可能性があります。
■画像引用元:一般社団法人日本マタニティフード協会(https://maternity-food.org/)
妊娠中は食事に気を遣う必要がある
お腹の赤ちゃんは、お母さんが食べた栄養で成長していきます。よって、マタニティ期はより食事内容に気を遣わなければなりません。
バランスのとれた食事はもちろんのこと、意識して摂取すべき食品や、逆に避けた方が良い食品もあります。
そこで以下の項目についてまとめてみました。
- ■妊娠中に意識して食べたい食品
- ■妊娠中に気を付けたい食品
■妊娠中にNGな食品
それぞれについて解説していきます。
妊娠中に意識して食べたい食品
■葉酸が豊富な食材
葉酸は細胞分裂をサポートするビタミンB群が豊富。先天異常の発症リスクを低下させる効果が期待でき、マタニティ期は積極的な摂取が推奨されています。葉酸を含む食材としては、緑黄色野菜、果物、納豆、レバーなどがあります。
■鉄分が豊富な食材
マタニティ期は、お腹の中の赤ちゃんにも血液が送られるため、妊婦さんは貧血になりがちです。よって鉄分を豊富に含む食材を食べることが大切。
鉄分が多い食材としては、レバー、牛肉、マグロ、カツオ、小松菜、ほうれん草などがあります。
■カルシウムが豊富な食材
カルシウムは、赤ちゃんの骨を成長させる大切な栄養素です。丈夫な骨を作るためにも、カルシウムを積極的に摂取しましょう。
カルシウムを多く含む食材としては、乳製品や大豆、小魚、小松菜などがあります。
妊娠中に気を付けたい食品
■カフェインを含む食材
カフェインを摂りすぎると流産や低体重の危険性が高まるといわれています。よってコーヒーや紅茶などカフェインを含むものは控えておきましょう。
■ハーブティー
ハーブティーはノンカフェインなので、妊娠中の飲み物として重宝されています。しかしレモングラスやローズマリー、シナモン、マテ、ジャスミン、ハトムギなど、種類によっては子宮収縮作用を持つものも。ハーブティーを飲む際は、かかりつけ医に相談をしてみてください。
■レバー
葉酸や鉄分が豊富なレバーですが、摂りすぎには注意が必要です。
レバーにはレチノールと呼ばれる栄養素があり、摂りすぎると赤ちゃんに先天性の異常などを及ぼす可能性があります。普段の食事で摂取する分にはよいですが、摂りすぎないように気をつけましょう。
妊娠中にNGな食品
■お酒
お酒を飲むと胎児性アルコール症候群の可能性が高まります。奇形や脳障害を引き起こす危険な飲み物ですので、絶対に飲んではいけません。
■生卵
生卵は食中毒の危険性があるため、避けた方が良いといわれています。食中毒になると下痢や嘔吐で、赤ちゃんに影響を及ぼす危険性があるからです。
よって卵を食べる場合は、必ず加熱調理してください。
■生肉
生肉はリステリア食中毒になる危険性があります。リステリア食中毒は赤ちゃんにも影響を与えやすいため、加熱されていない生肉は避けておきましょう。
■チーズ
生肉と同様にリステリア食中毒の危険性があります。加熱する、もしくは加熱処理されているプロセスチーズなら問題ありません。
出生数減少の中、マタニティーフードへの参入は?
出生数減少が叫ばれる中、「マタニティフードへの参入は避けた方がよいのでは?」という疑問が浮かんできます。
厚生労働省が発表した2020年の出生数は84万832人で過去最少を更新。マタニティフードの需要は下がっているように思えます。
しかし共働きの増加や在宅ワークの普及により、利便性に優れたベビーフードの需要が拡大。富士経済の調査によると、2021年のベビーフード市場は前年比約101%と成長の兆しを見せています。
参照:出生数過去最低でもベビーフード市場は101%※1と堅調に推移レシピ付きベビーフードで離乳食作りを応援!~子育てに対する意識調査・情報ニーズについての調査結果~
よって利便性や簡易性に優れたマタニティフードの需要は、高まる可能性があります。
通常のマタニティフードの需要は落ち込んでいるかもしれませんが、現代のニーズにマッチした商品を開発すれば、大きな需要を巻き取れるでしょう。
注目を集めているおすすめのマタニティフードを紹介
最後に注目を集めているマタニティフードをまとめてご紹介します。
栄養満点の味噌を使用したドットミソの「味噌玉」
■画像引用元:季節の味噌玉6個セット|ドットミソの味噌玉 (https://dott-miso.shop/products/misodama6_set)
株式会社ドットミソは、全国の味噌蔵さんの生味噌と自家製の乾燥野菜を使った「味噌玉」を開発。2022年9月15日にはマタニティフードマーク認証となり、マタニティ期におすすめの食品として推奨されています。
もともと味噌玉は、戦国時代に食べられていた陣中食。お湯を注ぐだけで栄養満点の味噌汁を飲めるのがメリットです。
同社では「味噌蔵さんの熱意や思いを全国に届ける」を目標のひとつとし、全国の味噌蔵さんと直接話をして、本当に納得のいく味噌を厳選しています。
味噌玉の購入者の半数以上がギフト目的なので、妊婦さんへのプレゼントにおすすめです。
糖質と塩分に配慮した冷凍弁当「nosh(ナッシュ)」
■画像引用元:【nosh-ナッシュ】ヘルシー・糖質に配慮した食事宅配サイト(https://nosh.jp/?gclid=CjwKCAiA0JKfBhBIEiwAPhZXD-kIXVIxN6q6bGMbI5qbiFinQzNwhJzO4hKuw5AmxRyjG1SqfJmZoRoCiDIQAvD_BwE)
nosh(ナッシュ)は、全メニュー糖質と塩分に配慮した冷凍弁当を扱っています。独自基準で糖質30g ・塩分2.5g以下とし、全メニューを自社の工場で調理。メニューは全て管理栄養士が考えており、妊婦さんからの好評を得ています。
さらに調理は、レンジでチンするだけなので簡単。メニューも約60種類と豊富で、何度注文しても飽きることがありません。
時間のない共働き世帯でも手間をかけずに栄養満点の食事を楽しめます。
ケアシリーズで体を労われる「食卓便」
■画像引用元:食宅便 - 日清医療食品(https://shokutakubin.com/shop/default.aspx)
日清医療食品は「食卓便」と呼ばれる栄養満点の食事を提供しています。長年の病院食で培った技術があり、マタニティ期の方でも安心して注文できるでしょう。
またレシピは管理栄養士監修で、体の調子に合わせた食事をチョイスできます。
おすすめは「ケアシリーズ」で、
- タンパクケア
- 塩分ケア
- 低糖質セレクト
- やわらかい食事
などひとりひとりの体に合った食事を選べるのがメリット。マタニティ期の病気を未然に防ぎたい人や、体調が不安定な人におすすめです。
管理栄養士に相談して注文できる「ウェルネスダイニング」
■画像引用元:食事制限専門の宅配食通販ショップ「ウェルネスダイニング」(https://www.wellness-dining.com/)
ウェルネスダイニングは、健康に配慮したお弁当や料理キットを提供。
メニューは全て管理栄養士が監修し、栄養バランスに考慮した献立が揃っています。
「やわらか宅配食」「脂質調整食」「野菜を楽しむスープ食」など、マタニティ期に嬉しいメニューが盛りだくさん。また管理栄養士が常駐しているため、栄養や健康の相談にも乗ってくれます。
マタニティ期の食事で悩んでいる方の味方となってくれる存在です。
産前産後に特化した「ママの休食」
■画像引用元:ママの休食公式ブランドサイト(https://mamakyu.com/)
ママの休食は、ママさんや家族の健康を応援する宅食サービス。妊娠中や子育て中のママ向けのメニューを豊富に取り揃えています。
葉酸や鉄分が不足しやすいマタニティ期向けのメニューもあるため、安心して利用できます。
ママの休食は、低出生体重児の割合や赤ちゃんの二分脊椎(先天異常)の発生数の高さなど、ママさんが課題に目を向け、コロナ禍に設立された事業です。
ストーリーを聞くだけでも、頼りになりそうな存在ですよね。
マタニティフードの需要は高まってきている
今回はマタニティフードについて解説してきました。出生率減少が叫ばれる世の中ですが、切り口を変えれば十分に通用する商品を開発できます。
マタニティフードのOEMをご検討の企業様は、食品OEM総合情報サイト「食品開発OEM.jp」でOEM先の検索が可能です。これまでの経験や実績をもとに、食品メーカーや小売店向けの相談やサポートも承っておりますので、ぜひご活用ください。
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