冷凍自販機を設置するために必要な手続きや準備とは

公開日:2022年10月4日 最終更新日:2023年6月5日

コロナをきっかけに設置数が伸びている「冷凍食品の自動販売機」。気軽に購入できるのが良いと、テイクアウトやデリバリーとともに需要が増加。飲食店の新たなビジネスとして売り上げアップや販路拡大の機会にもなっているようです。そんな人気の販売機設置するにはどのようなことが必要なのでしょうか。必要な手続きや導入の仕方などをまとめてみました。  

 

冷凍自販機の導入のポイントと自販機毎の特徴 

冷凍自販機を導入するには、専門メーカーや代理店から購入するか、リースやレンタルをするという選択肢があります。冷凍機能のある販売機は、飲料用自販機に比べると価格設定が高く、メーカーや機種によっても価格は大きく異なるため、まずは、価格相場を知ることも大事です。

販売できる品数や大きさ、形状、ストック数なども機種によって違います。販売する商品を絞ってから、それに合った販売機を探す、または、代理店などに相談し、商品の形状を変更するなど、ある程度準備をすることも必要です。

 また、冷凍自販機はラッピングデザインも必須です。自販機デザインで広告効果を狙う動きもあります。効果的なデザインで商品を知ってもらうことは、売り上げにも反映されるでしょう。
ここでは、主流の自販機や機械の方式、メーカーをご紹介します。

マルチストック式 「ど冷えもん」(サンデン) 

画像引用元:株式会社Cqree  https://frozen-vender.jp/

コロナ禍前より個食の食事系冷食の時代が来ると開発していたもの。外装となるオリジナルラッピングで差別化できることも人気の理由のひとつだが、開発当初から「冷凍された食事を売る」ことが目的とあって、仕切りの組み合わせで色々な大きさの商品に対応可能。

[特徴]

  • オリジナルラッピングで目立つ 
  • ストッカーごとに大きさが違う商品の販売が可能 
  • キャッシュレス決済可 
  • 設置場所を探索アプリ「ど冷えもんGo」でお気に入りを探す楽しさも  

(参考)ど冷えもん
https://www.sanden-rs.com/product/detail.php?pid=221 

 スパイラルラック方式の「FrozenStation」(富士通電気) 

画像引用元:富士電機株式会社 https://www.fujielectric.co.jp/?ui_medium=jp_glnavi

大型商品が入る「大型商品対応ラック」を搭載。自販機のサイズは変えずに、商品収納部の容積を30%拡大できるのがポイントのひとつ。自販機の売り上げや売り切れ、故障などが遠隔で管理できる。

[特徴]

  • 商品サイズに合わせて調節が可能 
  • 大型商品パネルとダイレクト選択ボタン 
  • カードリーダー搭載 
  • LED照明付き取り出し口 

(参考)FrozenStation 
https://www.fujielectric.co.jp/products/vending_machine/c02_10.html 

ロッカー式 「冷凍ロッカー自販機」 (ピープルオリジナル) 

画像引用元:株式会社ピープルhttps://www.jidouhanbaiki.co.jp/index.html

冷蔵庫内をロッカー型に改造したものなのでシンプルなつくり。すべて屋内用のため、駅の構内やショッピングモールなどへの設置向き。現在、決済ユニット付きを開発中。(2023.0525現在)

[特徴]

  • ロッカー式なので商品補充が簡単 
  • 小型から大型といったサイズが選べる 
  • 屋内専用 

(参考)「冷凍ロッカー自販機」
https://www.jidouhanbaiki.co.jp/frozen.html 

冷凍自販機設置に必要なことは?必要な資格や手続きを解説

基本的に「飲食店営業許可」だけでは、冷凍食品の製造販売はできません。 なぜかというと。 飲食店の営業許可とは、「短期間のうちに消費されるもの」を提供する場所として許容しているもの。長期保存を目的とした「冷凍食品」は、当てはまりません。 そのため、自店舗で人気メニューをパッキングして冷凍すればすぐに販売!…が出来るわけではないのです。 

令和3年6月1日に、食品衛生法が改正・施行されたことで、自動販売機の取り扱いが大きく変わりました。どのような機能を持つ販売機か、また、何を販売するか等で必要な手続きが異なります。 各自治体の保健所に確認や相談をして、正確な手続きをすすめましょう。 

(参考)厚労省:営業許可業種の解説 
https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000706467.pdf 

冷凍食品製造業 

各自治体の保健所などで許可が必要。 国の定義としては、そうざい製造業に係る食品を製造し、その製造された食品の冷凍品を製造する営業」と記されています。分かりやすく言えば、販売目的で総菜を製造し、さらにそれを冷凍して冷凍販売することを目的にした場合のこと。 食品、添加物等の規格基準に規格基準が定められた冷凍品のみに限る。とされています。 

(参考)「食品衛生法等の一部を改正する法律」に基づく政省令等に関する説明会資料(抜粋) 
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/hoken/files/kaisetsu014.pdf 

複合型冷凍食品製造業 

各自治体の保健所などで許可が必要。 国の定義としては、 冷凍食品製造業と併せて食肉処理業・菓子製造業・水産製品製造業・麺類製造業に係る食品を製造する営業と記されています。 この工程には、HACCPに基づく衛生管理を実施する場合のみに当てはまるものです。 

※HACCPとは「危害要因分析必須管理点」ともいわれる食品等の事業者向け衛生管理基準のこと。 

食品衛生責任者の資格 

施設の衛生管理や食品または添加物の取扱いなどに関する計画の作成などを含む、衛生管理の実施や記録、保存などの業務があります。 所轄の衛生協会または厚労省のHPから申請が可能です。 

(参考)厚労省「食品衛生申請等システム」
https://ifas.mhlw.go.jp/faspte/page/login.jsp  

冷凍代行専門業者に委託もあり?

品質維持に必要な冷凍技術、代行サービスも

冷凍技術の進化によって、冷凍食品のクオリティが上がり、「再現性が高く味が変わらない」と、美味しさのクオリティも上がっています
現在では、飲食店舗にも導入できるコンパクトサイズの急速凍結機なるものもあり、自分の店舗で冷凍食品を作ることも可能です。しかし、冷凍方法もさまざま。何を冷凍するか「素材」によっては、向き不向きもあるようです。 

そこで、急速凍結機を購入する費用や置き場所に不安がある方のためにおすすめなのが、OEMとしても人気の「冷凍代行サービス」です。
自分の店舗で調理したものを代行会社へ渡し、急速冷凍してもらうもの。冷凍技術を持った業者が行うため、各料理や商品に合った冷凍法を相談でき、解凍後の再現性も確保できるのも安心です。 

▼代行サービスをお探しならコチラ
https://shokuhin-oem.jp/product_tech/freezing/

包装資材、同時販売品の準備も!

冷凍に強い包装資材やシール

販売する際に大事なのが食品の品質も守るパッケージ。冷凍保存にも強いことも重要ですが、パッケージのまま加熱が必要であれば、温度の変化に対応できる資材選びも必要です。また、商品ラベルは必須アイテムですが、冷凍食品にありがちな「貼れない」「はがれやすい」といった問題も。パッケージや表示ラベルも大事な商品の一部です。失敗しない資材選びをしましょう 豊富な知識と経験があるパッケージ資材やシール作りのプロに直接相談するのも選択肢のひとつです。 

(参考)オリジナルの冷凍用シールが作れるサイトはこちら
https://label-seal-print.com/ 
https://hyouji.maru-sin.net/ 

便利な同時販売品 

冷凍自販機では、保冷剤や保冷バッグの販売もでき、持ち帰りに便利だと好評で意外な売り上げ効果もあります 

新たな切り口の冷凍自販機も話題 

・羽田空港内にある「世界の機内食」 
https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1414551.html 

・実店舗でも自販機でも人気おむすび型ケーキ「OMUSUBI Cake」
https://otakushoren.com/trip/119831

・全国の有名店のラーメンが楽しめる「ヌードルツアーズ」 
https://noodle-tours.com/ 

・府中の市場に並ぶ 「市場おすすめメニュー」 
https://chofu.keizai.biz/headline/3686/ 

・人気店舗入り口に設置した「久留米立花うどん」 
https://www.tachibanaudon.co.jp/post-122/ 

・人気ご当地スイーツ「夢工房」 
https://sapporo-note.com/archives/6888 

冷凍食品自販機の普及拡大は、とどまるところを知りません。台数が増えているだけでなく上記の通り、これまでにはなかった新しい商品や変わった切り口の商品が冷凍自販機として続々と登場しているほか、地下鉄駅やゴルフ場などユニークな場所への設置も進んでいます。近頃では、全商品冷凍自販機対応の冷凍食品卸ECモールまで登場しています。
アイデア次第ではまだまだ勝機がありそうな冷凍自販機。ご検討される際は、当記事を参考にされてみてはいかがでしょうか。

冷凍向けの包装資材や販売機のラッピングデザインに関してご興味のある方は是非、お問い合わせください。

 

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