「ヴィーガン」と「ベジタリアン」の違いから、今注目のプラントベースフードまで徹底解説!

「ヴィーガン」と「ベジタリアン」の違いから今注目のプラントベースフード まで徹底解説!
公開日:2023年2月6日 最終更新日:2023年1月26日

健康志向の高まりや環境負荷の軽減の観点からプラントベースフードが注目を集めているのをご存知でしょうか? 
肉や魚を模倣した食品で、ヴィーガンベジタリアンなど、野菜を中心とした食生活を好む人から注目されています。 

そこで今回は、プラントベースフードの特徴や、ヴィーガンベジタリアンの違い、食品メーカーの参入について解説します。新しい食産業に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。 

 

健康志向の高まりから「プラントベース」が注目を集めている 

健康志向の高まりから「プラントベース」が注目を集めている

プラントベースフードとは、植物由来の原料を使用した食品です。植物原料で肉や魚を再現しているため、健康志向の人だけでなく、ヴィーガンやベジタリアンの人からも支持されています。 
例えば、大豆から作られた「大豆ミート」もプラントベースのひとつ。日本のスーパーでも見かけるようになりました。 

TPCマーケティングの調査によると、日本のプラントベースの市場規模は178億円(2019年度)から246億円(2020年度)と38%も増加しています。特に最近は、新型コロナウイルスの影響でおうち時間が増え、健康に配慮した食事を好む人が増えました。
その結果、
ヴィーガンベジタリアンが注目され、野菜中心の食生活に移行する人が増えています。 
また、プラントベースフードのクオリティは高く、開発が進んでいる大豆ミートは、一般的な肉と比べても遜色ないレベルです。 

高いポテンシャルを持つプラントベースフード。今後、食品業界では大きな市場規模を獲得していくでしょう。 

ヴィーガンベジタリアンの特徴 

そもそもヴィーガンベジタリアンは、どういった人たちを指すのでしょうか。そこでヴィーガンベジタリアンの違いを解説します。 

 

ヴィーガン とは 

ヴィーガンとは、動物性の食品を一切口にしない「完全菜食主義者」のことです。卵や乳製品はもちろんのこと、動物から作られた革製品の使用も避けています。 

 

ベジタリアン とは

ベジタリアンとは、肉や魚介類などの動物性食品を一切食べず、植物性食品を中心に食べる人です。ただし、卵や乳製品は本人の判断に任せられ、食べる人もいれば食べない人もいます。 

そのためベジタリアンには、さまざまな種類があります。 

  • ■ラクトオボベジタリアン:肉や魚は避け、卵や乳製品、蜂蜜は食べる 
  • ■ラクトベジタリアン:肉や魚、卵を食べない 
  • ■オボベジタリアン:肉や魚、乳製品を食べたい 
  • ■ペスコタリアン:肉を避け、魚や卵、乳製品、蜂蜜は食べる 


このような分類がされていますが、肉類を避けて野菜中心の生活をしている人がほとんどです。
よって
プラントベースフードとベジタリアンは、切っても切り離せない関係といえるでしょう。 

 

ヴィーガンベジタリアンの違い 

ヴィーガンベジタリアンについて解説してきましたが、どちらも同じ意味合いに感じてしまいますよね。 

ヴィーガンは100%植物由来の食材を食べます。また食事面だけでなく、動物から作られた革製品や、動物実験によって作られた製品を使わない、という人も多いです。 
一方ベジタリアンは、植物由来の食材を中心ですが、卵や乳製品、はちみつなどを摂取する場合があります。 

よってヴィーガンは世の中を良くするために野菜を食べ、ベジタリアンは自分の健康のために野菜を食べる人が多いと理解しておきましょう。 

日本のヴィーガン人口はどのくらい? 

取り組んでいる食生活についての棒グラフ

出典日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel

Vegewelの調査によると、ベジタリアンの食生活に取り組んでいる日本人は3.8%、ヴィーガンは2.2%という結果に。日本の人口を1億2,000万人とすると、約450万人がベジタリアン、約260万人がヴィーガンです。
そして、意識的に動物性食品を減らしている「フレキシタリアン」は、人口の約20%を占めると述べられています。
  

日本でも野菜中心の食生活が広がりつつあり、プラントベースフードの需要も高まっていくでしょう。 

 

食品メーカープラントベースフードに参入するメリット 

プラントベースフードが伸びている今、参入する食品メーカーも増えています。そこで、プラントベースフードに参入するメリットを紹介します。 

プラントベースフードの市場規模は世界的に伸びている 

プラントベースフードの市場規模は、驚異的な伸び率を記録しています。
日本においても10年で約5倍まで拡大し、プラントベースミートのカテゴリー単体で見ると、2020年度時点で昨年対比152%と急成長しています。(※1)
 

特に最近は、持続可能な世の中を目指すSDGsが重要視され、動物や環境に配慮した食品開発を強化する企業も増えました。よってプラントベースフードに参入すれば、一定の需要を見込めます。 


※1 TPCマーケティングリサーチ株式会社「2020年植物性代替食品市場の最新動向と将来展望」より引用

 

環境に優しく世間から支持されやすい 

プラントベースフードは、健康だけでなく環境保護の役割も果たしています。 

  • ​​■畜産農家の温室効果ガス排出削減 
  • ■水源の節約 
  • ■食糧問題の解決 


例えば、牛の体重を1kg増やすのに必要な水の量は約1,500リットルといわれています。一方植物は、地面から水分を吸収してくれるため、牛よりも水の量を節約できます。
 
SDGsの観点からも優れているため、世間から支持されやすく、売上アップや認知度向上に効果的でしょう。 

 

健康意識が高まっていて需要が見込める 

日本でも健康意識が高まり、プラントベースフードが注目されています。 

コロナ禍で健康に対する意識が高まったかのアンケート結果

出典:株式会社インユーの調査結果 

株式会社インユーの調査によると、34%の方が「コロナ禍でさらに健康意識が高まった」と回答。
また「環境に配慮したい」「作り手や生産者を応援したい」という理由で、オーガニック食品を購入する人も増えています。
 

健康意識の高まりにより、今後はプラントベースフードの市場が大きく拡大していくでしょう。 

 

プラントベースフードを開発している日本のメーカー 

プラントベースフードを開発している日本の食品メーカーを紹介します。 

カゴメの植物由来の材料のみ」を使用した商品

カゴメの例■画像引用元:カゴメの食品一覧|カゴメ株式会社 (https://www.kagome.co.jp/products/food/#s7

野菜を中心とした食品や飲料を開発しているカゴメ。野菜ジュースやトマトケチャップ、パスタソースなど、生活に密着した商品を生み出しています。 

カゴメでは、2019年から「植物由来の材料のみ」を使用した商品の開発に乗り出しました。野菜の会社だからこそできる研究開発を強みに、「プラントベースシリーズ」を展開しています。 
特に大豆ミートを使用したパスタソースやカレーが人気です。レトルトなので、手軽にプラントベースフードを楽しめるのがメリット。 
今後も、日本のプラントベースフード市場を牽引するブランドとして注目されています。 

 

大塚食品 の「ゼロミート」「ボンカレーベジ

大塚食品の例

■画像引用元:ゼロミート/ZEROMEAT | 製品情報 | 大塚食品社 (https://www.otsukafoods.co.jp/product/zeromeat/

ボンカレーでお馴染みの大塚食品では、独自の技術を用いてプラントベースフードを開発しています。大豆ミートを使用した「ゼロミート」や「ボンカレーベジ」など、従来の商品の美味しさそのままに、時代に先駆けた製品を世に出しています。 
例えば「ボンカレーベジ」は、動物性の原材料を一切使用せず、国産の野菜や豆類を活用。 
ルーには小麦粉を使用せず、すりおろした数種類の野菜でとろみをつけています。 

健康志向の人だけでなく、ヴィーガンの方でも食べられる商品なので、今後に期待が集まっています。 

 

代替肉のスタートアップ企業、ネクストミーツ 

ネクストミーツの例■画像引用元:ネクストミーツ 公式通販|代替肉(大豆ミート)製品の専門ショップ (https://shop.nextmeats.jp/

ネクストミーツは「地球を終わらせない」をビジョンに、日本で発足した代替肉のスタートアップ企業です。
日本企業の中でもいち早く代替肉の市場に参入し、業界を牽引してきました。
 

  • ■すべて100%植物性。動物性不使用 
  • ■できる限り添加物を使用しない(無添加の商品もあります) 
  • ■世界初の焼肉タイプや牛丼タイプを始め、レンジアップ商品など、他にはないユニークな商品ラインナップ 

引用:ネクストミーツ公式オンラインショップ 

ネクストミーツでは、「代替肉がかまぼこのように食卓で並ぶことが当たり前になる日」の実現に向けて、多くの商品を開発しています。 
代替肉と聞くと大豆ミートの「そぼろ肉」を想像しますが、ネクストミーツは世界初の焼肉用代替肉を開発見た目も食感も肉に近づけることで、飲食業界からも注目されています。 

現在は大手製薬会社や食品用生産設備設計会社から資金提供を受け、世界展開に向けて事業拡大を進めています。 

 

プラントベースフードは食品市場を変えていく 

健康志向の高まりや環境への配慮から、プラントベースフードはさらに広まっていくでしょう。
日本でも、野菜中心の食生活が注目されている背景もあり、
食品メーカーの参入も増えています。

今後は、新商品のアイデアとしてプラントベースフードを検討してみてはいかがでしょうか。  

ショクビズを運営する株式会社丸信では、商品企画のサポートやOEM商品を探せる食品開発OEM.jpを運営しています。これまでの経験や実績をもとに、食品メーカーや小売店向けの相談やサポートも承っておりますので、ぜひご活用ください。  

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