世界的にSDGsの考え方が広まり、環境に配慮した動きが加速しています。その流れは日本の食品業界にも影響を与え、さまざまな企業がSDGsの取り組みを始めました。
そこで今回は、食品スーパーに焦点を当てて、日本のSDGsの現状や環境に配慮した容器、取り組みの事例を紹介します。
食品スーパーのSDGsの現状
SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され、環境問題や貧困、経済成長、ジェンダー平等まで幅広い問題を解決することが目標。
日本も加盟国のひとつで、多くの企業が問題解決に向けて新しい取り組みを行っています。
例えば、食品スーパーではペットボトルや食品トレーなどを回収し、資源のリサイクルに取り組んでいます。
また、お客様側はマイバックの持参を通して、レジ袋の削減に協力。企業とお客様が協力して廃棄物の削減を行っています。
食品スーパーは生活に密着した存在です。よってSDGsの取り組みの効果が大きく発揮できる場所といえます。
地域で一丸となれば、より良い街づくりができるでしょう。
食品スーパーがSDGsに取り組むメリット
食品スーパーがSDGsに取り組むメリットを紹介します。
企業のイメージアップ
SDGsに取り組むと、企業のイメージアップにつながります。
現代では、環境問題への意識が高まり、企業の取り組みを見る消費者も増えてきました。
SDGsに興味のある消費者は、企業がどれだけ環境問題に配慮しているかチェックしています。
要するに、「安い」だけでなく「より良い街づくりに貢献しているか」も足を運ぶ理由になっているのです。
よって、食品スーパーがSDGsに取り組めば、大きなイメージアップになるでしょう。
ビジネスチャンスにつながる
SDGsは新しいビジネスチャンスを秘めています。
現在日本では、環境問題や貧困、エネルギーの確保など、さまざまな問題に直面しています。
その問題解決のために、新規事業の立案や、他業種との協力など、新しいビジネスが生まれているのです。
食品スーパーであれば、地方自治体と手を組んで、環境に配慮した商品開発を進めるのもいいでしょう。
地域の課題の解決に取り組むことで、イノベーションやビジネスのチャンスが広がっていきます。
ブランディングになる
SDGsに取り組む企業は、地域や社会に目を向けている企業として認知され、ブランディングがしやすくなります。
例えば、環境問題に配慮した取り組みを行えば、クリーンなイメージが定着します。
お客様から信頼されるだけでなく、SDGsに関心のある優秀な人材が集まるのもメリット。
また、SDGsは投資家からも注目を集める分野ですので、資金調達や新規事業の立案もしやすいでしょう。
コストの削減につながる
省資源や省エネルギーの取り組みを行えば、コスト削減にもつながります。
食品スーパーではレジ袋だけでなく、肉や魚の容器、惣菜のパックなど、多くの資源を使用しているのが現状です。
そのため、省資源への取り組みを行う企業が増えているのです。
またSDGsでは環境だけでなく、人に優しい企業作りも推進しています。
働きやすい職場環境を作り、従業員の満足度を上げることで離職率が低下。採用コストを下げられるのもメリットです。
SDGsに積極的に取り組むスーパー事例
次に、SDGsに取り組んでいる食品スーパー(流通業)の事例を紹介します。
■地産地消の再生可能エネルギーを創出するAEON(イオン)
全国に食品スーパーを展開するAEON(イオン)では、脱炭素社会の実現に向けて省エネルギー活動を推進しています。
太陽光発電設備やEV充電器を設置し、2025年までに国内約160モールで使用する電力を再生可能エネルギーに転換。2050年には脱炭素社会の実現を目指しています。
また全従業員の約82%がeco検定を取得。企業単位ではなく、個人単位で環境に対する意識を高めています。
こういった小さな取り組みが、地域の人に評価されるスーパーを作っていくのです。
■「3つの約束」にチャレンジするLAWSON(ローソン)
全国にコンビニエンスストアを展開するLAWSON(ローソン)では、SDGs推進に向けた「3つの約束」を制定。
「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」を約束し、地域の暮らしを支えていくことを目指しています。
特に「地球(マチ)への優しさ」においては、CO2排出量や食品ロス、プラスチックの削減を通して、街の環境保全に取り組んでいます。
そして2050年には、それら全てを100%削減することが目標です。
■社会課題を解決し、社会と価値を共創する成城石井
高級ラインの商品を扱う成城石井では、「社会課題を解決し、社会と価値を共創する」をスローガンにSDGsを推進しています。
成城石井は、世界中のこだわりのある食を探し求めることが根本にある企業です。
要するに、世界の課題を解決することが、自分たちの成長につながると考えているのです。
- ・深刻な食の不均衡の解消を目指す
- ・すべての人に健康と福祉を
- ・ムダを見直し、省エネルギー
- ・働きがいも経済成長も
- ・持続可能な雇用を目指して
成城石井ではこれらの目標を掲げてSDGsに取り組んでいます。
例えば「持続可能な雇用」に関しては、身体障がい者、精神障がい者、知的障がい者の採用を推進。2019年は障がい者の法定雇用率2.2%を維持し、多くの雇用を生み出しています。
■地域に根ざしたSDGsを進めるスーパーサイキ
長崎県対馬市に3店舗を展開するスーパーサイキは、地域に根ざした食品スーパーを目指して、地域社会に貢献しています。
SDGs17のゴール・169のターゲットの中から、自社の課題を抽出し、持続可能な社会の実現にチャレンジしています。
- ・地域社会への貢献
- ・清掃ボランティア活動
- ・働きやすい職場の実現
- ・環境に配慮した店舗運営
小さな食品スーパーでありながら、大企業に負けない取り組みを行っているのが特徴です。
中でも「働きやすい職場の実現」では、従業員の健康を守るために、ワークライフバランスの推進、受動喫煙対策、食生活の改善、定期健康診断の受診率100%を実現。働きやすい会社作りを行っています。
■小中学校に「SDGs」書籍を寄贈したスーパーエレナ
長崎県佐世保市を中心に食品スーパーを展開するエレナでは、地域と共にSDGsに取り組んでいます。
2020年には、レジ袋有料化に伴って収益の一部をSDGsの推進に充てることを発表。
地球環境を守る大切さが書かれた書籍10種類843冊を、佐世保市にある70の小中学校に贈りました。今後は店舗のある市町村への配布も検討し、子供への教育にも力を入れています。
もっとも身近にスーパーがSDGsに取り組めるエコ容器について
食品スーパーでは、SDGsの目標である以下の3つを達成するために、エコ容器の採用が進められています。
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう
そこで、どのようにエコ容器を活用しているのか詳しく解説します。
■容器の軽量化
容器を軽量化すると、資源の有効活用につながります。
消費者が直接手に取るものなので、SDGsのアピール材料にもなりやすいでしょう。
■リサイクル可能な容器
店頭でプラスチック容器を回収し、リサイクルに回すことで環境への負荷を軽減できます。
容器メーカーの中には、リサイクルシステムを導入している企業もあります。そのメーカーと協力することで、容器のリサイクルに貢献できるでしょう。
■廃材の利用した容器
使い捨ての容器に使われている原材料は、主に「プラスチック」と「紙」です。
どちらも天然資源を原料にしているため、極力使わないようにするのが基本です。
最近は廃材になる木材を活用した容器も登場しており、SDGs推進につながっています。
■植物由来の容器
プラスチック容器は、世界的なゴミ問題を引き起こしています。
そこで近年では、植物由来の容器「バイオマスプラスチック」に代替されるようになりました。
仮に道端に捨てられたとしても、土に分解されやすく環境の負荷を軽減できます。
生活に密着したスーパーこそSDGsを進めよう
食品スーパーは、人々の生活に密着した存在です。
地域の人にSDGsの取り組みを認知してもらい、より良い街づくりを行いましょう。
ショクビズを運営する株式会社丸信では、環境に配慮した容器・トレーを取り扱っています。
SDGs推進のためにも、ぜひご活用ください。
▼丸信のSDGs特設ページはこちら
https://www.maru-sin.co.jp/sdgs/material/
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