2015 年 4 月より施行されました新食品表示法は、5 年の猶予期間を経て 2020 年 4 月に完全移行となりました。
主な「食品表示ラベル」の大まかな変更点はすでに確認済みの方でも、意外と見落としがちな変更箇所もあります。
今回は2020年に行われた、「識別表示のルール変更」「原材料変更の特例措置」「指定成分の表示の注意」「食品添加物表示の改正」等について記事をまとめるとともに、2021年の改正予定について解説します。
識別表示のルール変更について
令和2年4月1日から「資源有効利用促進法」の省令一部改正に伴い「識別表示」のルールが変わりました。
近年、消費者ニーズの変化により飲料容器の小型化が進み、表示可能なスペースが縮小傾向にあるなど、識別表示を取り巻く状況が変化しております。それを踏まえ、 スチール缶、アルミ缶、PETボトルにおける識別マークのサイズの見直しなどが行われております。
変更点①
スチール缶、アルミ缶、PET ボトルの識別マークのサイズがプラ・紙 と同等のサイズにまで縮小可能になりました。
変更点②
PET ボトルについては、外装単位の販売に限り、外装に表示するとき は、個別容器への表示を省略することが可能になりました。
▼こちらのページ下部に、詳しい変更内容記載されていますので、チェックしてみてください。
https://hyouji.maru-sin.net/identification-display/
▼識別表示について詳しく知りたい場合にはこちらの経済産業省のページでチェックしてください!
おさらい!「識別表示と再商品化義務」について
令和2年4月1日の「資源有効利用促進法」の省令一部改正に伴い「識別表示」のルールが変わりました。
識別表示の目的は、消費者の分別排出を容易にし、市町村の分別収集を促進することです。
4月の識別表示のルール変更により「そもそも識別表示ってどんなルールだったっけ?」「自社の商品の表示は大丈夫?」と改めて疑問を持った方も多いと思います。
▼詳しい変更内容が紹介されているページです。ぜひご確認ください。
https://hyouji.maru-sin.net/identification-display/
要チェック!原材料変更が生じても、表示の特例措置があります!
新型コロナウイルスの影響により、原材料の変更を余儀なくされるケースが増えています。
既に包装資材を製造し、裏面表示も完成している場合、本来であれば包装資材を作り直す必要がありますが、4月に消費者庁より発表された特例措置では、一定の条件を満たすことで、表示を変更しなくても販売が可能になります。
[特例措置の条件]
①原材料等の供給停滞に伴い、やむを得ずに行った原材料等の切替えにより、容器包装の資材変更に即時に対応できない場合
②店舗内やWebサイトでの告知等により、実際に使用された原材料や原産地、栄養成分量等を適切に伝達することが条件
③上記①②を満たしていれば取り締まりを行わないが、アレルゲン、消費期限等の安全性に重要な影響を及ぼす項目が適性に表示されていない場合や、情報伝達の不備、悪質な違反等については、引き続き、取り締まりを行う
詳しくは、消費者庁のHPでご確認ください。
■新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について<2020年4月10日 消費者庁「お知らせ」>
https://www.caa.go.jp/notice/entry/019558/
※ご注意:消費者庁の情報を元に内容を抜粋しております。詳しくは、必ず消費者庁のページをご覧いただいてからご判断ください。
「プエラリア」など指定成分を含んだ食品表示に要注意
コレウス・フォルスコリーやプエラリア・ミリフィカ等、特別の注意を必要とする成分がこのほど厚生労働大臣に指定され、事業者から行政への健康被害情報の届け出を義務付けた「食品衛生法等の一部を改正する法律」(平成30年6月13日公布)が6月1日に施行されました。
指定された成分は、このほかドオウレン、ブラックコホシュを含む4つ。
【指定成分】
・コレウス・フォルスコリー
・ドオウレン
・プエラリア・ミリフィカ
・ブラックコホシュ
これに伴い、指定成分を含有する食品には「指定成分含有食品である旨」「特別の注意を必要とする成分である旨」等の新たな表示が義務付けられます。
【指定成分に関する表示項目】
1)指定成分等含有食品である旨
2)食品関連事業者の連絡先
3)指定成分等について食品衛生上の危害の発生を防止する見地から特別の注意を必要とする成分又は物である旨
4)体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師に相談すべき旨
5)体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し食品関連事業者に連絡すべき旨
このうち、1および3については、文字の大きさを14ポイント(JISZ8305規格)以上で表示する個別ルールも定めています。
この指定4成分を含む食品について、取り扱う際は十分にご注意ください。
また、詳しくは消費者庁ホームページを必ずご確認ください。
https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms101_200604_1.pdf
「人工」「合成」が削減された食品添加物表示の改正について
令和2年に入り食品表示基準の一部改正がいくつか行われました。
3月27日の一部改正では「指定成分等含有食品」「生水牛乳」「農産物漬物の内容量表示」「精米等の年月日」について、7月16日の一部改正では「食品添加物に係る表示」「原料ふぐの種類に係る表示」「特色のある原材料に係る表示」について、改正がなされました。
この中でも特に注目すべき点は、身近な表示で見られる食品添加物です。
改正のポイントは、食品添加物の表示における「人工」「合成」を削除する点。「人工」「合成」という表現は、あたかも安全性に問題があるかのような誤認が起こる可能性があるためです。
具体的に削除されるのは、甘味料については合成及び人工甘味料の表記、着色料については合成着色料の表記、保存料については合成保存料の表記、香料については合成香料の表記となりました。
詳しくは、消費者庁の食品表示基準の改正概要をご確認ください。
これまでの食品表示基準の改正概要について
※経過措置期間は2022年3月31日までですので、現行表示にある場合は、今一度お手元の製品を確認して頂いた上で、必要な場合は修正をお願いします。
令和2年3月27日の一部改正概要
1.指定成分等含有食品
「指定成分等含有食品」について、「指定成分等含有食品である旨」や「特別の注意を必要とする成分又は物である旨」等の表示規定が追加されました。
2.生水牛乳
食品表示基準における「乳」の範囲に「生水牛乳」が追加されました。
3.農産物漬物の内容量表示
商品の実態を反映した見直しが行われたことを踏まえ、農産物漬物について、計量法の計量方法に基づき内容量を表示するよう改正されました。
4.精米等の年月日
古い「精米年月日」表示の商品が売れ残ること等により生じる食品ロスの問題や物流上の問題に対応するため、「精米年月日」表示を「年月日」だけでなく、「年月旬」でも表示できるようになりました。
令和2年7月16日の一部改正概要
1.食品添加物に係る表示
第3条第1項「添加物」の項、別表第6、別表第7から、「人工」及び「合成」の用語が削除されました。
2.原料ふぐの種類に係る表示
ふぐの種類の標準和名リストから「しろあみふぐ」が削除されました。「しろあみふぐ」は「もようふぐ」に統一されました。
3.特色のある原材料などに係る表示
有機畜産物等が指定農林物資に追加され、表示規制の対象となったことから、第7条の特色のある原材料等に関する規定の整理が行われました。
令和3年4月 食品表示基準違反の自主回数は届出を義務化
2021年、食品表示に関して改正される法律としては、食品関連事業者等が食品の安全性に関する食品表示基準に従った表示をしていない食品(食品表示基準違反)の自主回収を行う場合、行政機関への届出が義務付けられます。
食品表示基準違反では、アレルゲン、消費期限などの欠落や誤表示が届け出対象となります。当該届出に係る食品リコール情報については、行政機関において消費者に情報提供(公表)され、届出をしない、または虚偽の届出をした者は罰金となりますので注意が必要です。
【参考URL】
令和4年4月 原料原産地表示が完全施行
2022年4月には原料原産地表示が完全施行されるため、表示変更については今から準備をしておくと安心です。
情報提供や版下の修正案内などの活動を食品表示プロジェクトでは率先して行っていきます。2020年12月末に食品表示に関する情報サイト「食品表示.com」をリニューアルしました。できる限り分かりやすく、伝わりやすく改善しましたので是非ご覧ください。
【食品表示.com】https://hyouji.maru-sin.net/
食品表示のお役立ちサイト
食品表示についてわかりやすく解説された「食品表示.com」をご紹介します。
先日リニューアルされてさらにコンテンツが増えていますので、チェックしてみてください。
いかがでしたでしょうか?
意外と見落としていた方は、もう一度「2020年の変更点」について今年中に振り返ってみてはどうでしょうか。
▼最終的には必ず消費者庁HPで確認を行なってくださいね。