原産地表示・アレルギー表示など2022年の「食品表示」変更情報の振り返り!

公開日:2022年11月24日 最終更新日:2024年8月27日

2015 年 4 月に施行され、2020 年 4 月に完全移行となった新食品表示法。その後も、部分的な改正や新たなガイドラインの策定などが行われています。

ここでは、2022年に行われた、「原料原産地表示義務化」「食品表示基準が改正」「クルミの食物アレルギー表示義務化」など、2023年に改正や施行予定も含めて、変更情報を紹介した記事を時系列でまとめました。

食品表示法のおさらい

食品表示法とは、販売されるすべての食品に対して、表示のルールを決めている法律のこと。
2015年4月、「JAS法」「食品衛生法」「健康増進法」と分かれていた3つを統合したものです。

食品表示お役立ちガイド | 食品表示.com | 丸信 (maru-sin.net)

識別表示のルール | 食品表示お役立ちガイド-食品表示.com (maru-sin.net)

食品表示基準の改正(遺伝子組換え食品等)

■2022年3月30日改正

食品表示基準が2022年3月30日付で改正されたことで、遺伝子組換え技術を用いて生産することのできる農産物に「からしな」が追加されました。

現在の対象農産物は、以下の9品目です。

からしな、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ

▼詳しい内容が掲載されているページです。ぜひご確認ください。
 食品表示お役立ちガイド | 食品表示.com

https://hyouji.maru-sin.net/notice/2022/04/09/1748/

しいたけの原料・原産地が改正

■2022年3月30日改正

消費者庁の食品表示基準Q&Aが改正されたことから、しいたけについては、「原木又は菌床培地に種菌を植え付けた場所(植菌地)」を原産地として表示すると改められました。

生鮮食品については猶予期間が20229まで

加工食品については猶予期間が20233月末日まで

その他、原材料に占める重量割合が最も高い原材料が「しいたけ」である加工食品は、2023年3月末までに表示の切り替えが必要です。

▼林野庁HP
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinsho_shiitake_hyoji.html

▼詳しい内容が掲載されているページです。ぜひご確認ください。
食品表示お役立ちガイド | 食品表示.com
https://hyouji.maru-sin.net/notice/2022/04/13/1749/

食品添加物の不使用表示に関するガイドラインの策定

■2022年3月30日策定

「無添加」表示の規制厳格化し、無添加表示をガイドラインに沿って変更しなければなりません。

食品表示基準法では、現状として明確な基準はなく、食品関連事業者の任意表示となっています。更に無添加における表示方法について示す「食品表示基準Q&A」も曖昧で、本来、消費者に注目してもらうべき一括表示部分よりも目立つ表示がされているケースなどの問題点も考慮し、新たにガイドラインを策定したものです。

表示の見直しは、2024年3月末まで。
期間があるように思えますが、包装資材の切替えなどには一定の期間が必要になるため、早めに着手することが理想的です。

▼詳しい内容が掲載されているページです。ぜひご確認ください。
食品表示お役立ちガイド | 食品表示.com

https://hyouji.maru-sin.net/notice/2022/08/31/1766/

食品表示基準の一部改正 「人工」「合成」表示が全面禁止に

■2022年4月1日施行

2020年7月、食品表示基準より「人工」「合成」の用語を削除するといった、食品表示基準の一部改正が施行されました。2022年4月1日以降に製造する食品はすべて対応する必要があります。現段で、対応を完了していないといけません。

▼詳しい内容が掲載されているページです。ぜひご確認ください。
食品表示お役立ちガイド | 食品表示.com

https://hyouji.maru-sin.net/notice/2022/02/25/1722/

加工食品の原料原産地表示義務化 

■2022年4月1日施行

全ての加工食品に「原料」「原産地」を表示する必要があります。

対象の原材料が国内で製造された加工食品の場合は、 「国内製造」と表示しますが、当該加工食品の原材料として使われた生鮮食品が「国産」であるという意味ではありません。

表示方法は対象材料でちがいます。

・生鮮食品の場合  → 「国産」等と、その「産地」を表示
(例:ウインナーソーセージの豚肉など)

・加工食品の場合 → 「国内製造」等と、その「製造地」を表示
(例:チョコレートケーキのチョコレートなど)

▼農林水産省HP
加工食品の原料原産地表示制度について:農林水産省 (maff.go.jp)

食物アレルギー表示に 「くるみ」 義務化へ

■2022年6月1日発表

2020年6月、消費者庁が発表した、昨年度まとめのアレルギーの症例に関する最新の実態調査の結果によると、約6000件の症例のうち、「くるみ」に関する報告が463件と、前回実施した3年前の調査から増加していた。さらに、症例数の多い品目と比較すると、鶏卵、牛乳、小麦に次いで4番目だったことから、表示ルールを推奨から義務に変更するもの。

本年度中(平成5年度)を目標に制度の見直しに向けた手続きを開始する予定であることが記者会見で示されました。

▼記者会見内容(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/029005.html

▼詳しい内容が掲載されているページです。ぜひご確認ください。
食品表示お役立ちガイド | 食品表示.com
https://hyouji.maru-sin.net/notice/2022/09/12/1978/

有機酒類に有機JASマークの表示ができるようになります!

■2022年9月30日付発表

これまでJASの対象ではなかった有機酒類について、JAS法の改正により、令和4年10月1日(土曜日)からJAS認証を取得すると、有機JASマークの表示ができるようになりました。
海外で人気が高い「有機食品」市場を意識し、有機酒類の輸出拡大に向けた取り組みです。

ちなみに、JASマークとは、日本農林規格等に関する法律(JAS法)に基づいた制度で、国の規格を満たしていることの証です。

▼農林水産省HP
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/ninsyo/220930.html

来春2023年4月改正。新たな「遺伝子組換え表示制度」

■2023年4月1日改正

遺伝子組み換えとは、「生物の細胞から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、植物などの細胞の遺伝子に組み込み、新しい性質をもたせること」で、その技術を利用した食品も増えています。そのため、安全性を確保するために作られたのが、当該制度です。
現行の制度で「任意表示」となっている部分が厳格化されています。また、適切に分別生産流通管理がされているといった旨の表示が可能になっています。
現在、すでに「分別生産流通管理済み」などの表示変更は可能です。早々に取り組んでいる食品メーカーもあります。早い対応は、消費者への信頼度の評価につながります。4月までに表示切り替えができるように準備が整っているか、もう一度確認をしてみてください。

※義務表示制度については、現行制度からの変更はありません。

▼消費者庁資料
https://www.caa.go.jp/notice/assets/food_labeling_cms202_210728_1.pdf

清酒の製法品質表示基準を定める件の一部を改正

■2023年5月1日施行

「清酒の製法品質表示基準」(平成元年11月22日国税庁告示第8号)が改正され、これに併せて、「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達」(平成11年6月25日課酒1―36・課鑑16・官会1―37・課資3―4・徴管1―16)(以下、解釈通達)が改正されました。
吟醸酒、純米酒、本醸造酒といった製法や品質の違う、いろんな種類の清酒が店頭に並んでいますが、これらの表示には法的なルールはなく、品質や違いなどが分かりにくいといったことへの解決策と適正の裏付けとして制定されたもので、日本酒のブランド価値向上などの観点からも重要な改正です。

【猶予期間】

2022年12月31日以前に、酒類の製造場から移出し、若しくは保税地域から引き取る清酒又は酒類の販売場から搬出する清酒の製法、品質に関する表示については、なお従前の例による。

施行は、令和5年1月1日から。

▼国税庁HP
https://www.nta.go.jp/law/kokuji/220729/01.htm

まとめ

いかがでしたでしょうか?来春施行予定で、猶予期間〆切が間近なものもあります。情報の取りこぼしなく、新しい制度に余裕を持って対応できるよう、準備が必要です。

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