徹底解説!外食産業向け補助金「業態転換等補助金」とは?

公開日:2022年7月25日 最終更新日:2022年7月22日

外食産業向け 業態転換等補助金

コロナ禍のなか、注目されている補助金はたくさんありますが、今回は外食産業向けの補助金を紹介します。
その名も、「外食産業向け 業態転換等補助金」

事業再構築補助金という補助金を聞いたことがある方は多いと思いますが、
この補助金は、事業再構築補助金を外食店向けに特化して申請しやすくしたようなイメージの補助金です。

注目すべき点としては、
事業再構築補助金は売上高が10%以上減少していなければ申請できないところ、
当補助金ではコロナ前より売上高が5%以上減少していれば申請できるという点。

申請する上で必要な条件

ア.現在扱っている商品・サービスの内容を変えること
例:感染症対策に留意して、お一人様向け業態に変える
テイクアウト・デリバリー用のメニューを開発する
店舗内食材の在庫を有効活用するために、通販向け商品を開発
する など

イ.商品・サービスの提供方法を変えること
例:イートインからテイクアウトに商品の提供方法を変えるため、受渡窓口を設置する
自動販売機(冷蔵/冷凍)を導入し、従来の営業時間外にも商品を販売する
店舗での人気商品をEC サイトで全国に販売する など
を検討している飲食店が、
事業に係る建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、
 運搬費、外注費、広告宣伝・販売促進費、研修費等に最大1千万円(補助率2分の1)の補助金が出るというものです。


出典:株式会社日本能率協会コンサルティング:令和4年度外食産業事業継続緊急支援事業のうち業態転換等支援事業Q&Aセミナー資料

気になる申請のための要件は?

第1次公募(受付期間6月15日~8月1日)の主な要件は以下の通りです。
※8月1日以降に第2次公募開催が予定されています。(日程は未定)

■新型コロナウイルス感染症拡大以前(令和元年12 月31 日)から現在(申請時点)まで飲食店としての事業活動を営んでおり、飲食店事業における令和元年度と令和3年度の売上高を比較したときに、5%以上売上高が減少していること。
※飲食店事業以外の事業も営んでいる場合、飲食店事業を区分経理していること。

■以下のいずれかの要件を満たすこと。
ア. 資本金5千万円以下又は従業員数が50人以下であること。
イ. 資本金の額又は出資の総額が10億円未満(資本金の額又は出資の総額が定められていない場
合は、従業員数が2,000人以下)の法人(アに該当する者を除く。)であること。

■各都道府県における第三者認証制度の認証を取得している飲食店(食品衛生法(昭和22年法律第233号)第55条第1項に基づく「飲食店営業」又は「喫茶店営業」の許可を得ている飲食店を営む者)であること。
※第三者認証制度の認証取得については、申請中であれば可。
※風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第4項の「接待
飲食等営業」を営む飲食店は対象外とします。

特徴は“給付金と違い共同事業者と事業計画を立てる必要がある”こと



この補助金は、申請者単独では申請することができず、共同事業者という、資本関係にない他の事業者(例えば、コンサル、金融機関、機器やシステムのベンダー、中小企業診断士、店舗改装工事業者、他の飲食店など)と共に事業を遂行していくという計画を立てる必要があるので注意が必要です。

また、給付金ではなく補助金ですので、申請したものが必ず補助金をもらえるというわけではありません。(補助金には審査があります。)
審査の基準は以下の通りです。

公募審査基準

1.事業内容

①事業内容が、コロナ禍で悪化した業績を回復させるための解決策として明確かつ具体的になっているか。
②事業内容に見合った経費で、精度の高い積算がなされているか。
③事業内容が、単に自社に対してだけではなく、優良事例として広く普及が期待できるものであるか。

2.実施方法

①実施スケジュールが、事業を効率的に進め、本事業の期間内に無理なく完了させる内容となっているか。
②事業を着実に実施できる体制(共同事業者の支援内容を含む。)を有しているか。
③事業を着実に実施できる経営(財務)基盤を有しているか。

3.成果目標

①事業の成果目標の設定理由およびその水準(定量値)が妥当か。
②成果目標を検証できる仕組みが講じられているか。 (例えば、データの取得・検証方法など)

補助金の予算は10億円とのことだが……

公募元である農林水産省に問い合わせたところ、
当補助金の予算額は10億円とのことです。(類似の事業再構築補助金の予算が1兆円以上なので、予算額としてはかなり小さく感じます。)
つまり小さい予算額の当補助金に多くの募集が集まった場合は、採択率が低くなることが予想されます。

とはいえ、第2次以降の公募も予定されているようですし、
農林水産省の担当者の方も「応募者がどの程度の規模になるかわからないので採択率については未知数です。」とおっしゃっていました。

補助金申請には、事業計画書の作成に時間がかかるので、申請をあきらめる方が多くいらっしゃいますが、
外食産業向け 業態転換等補助金のホームページからダウンロードできる様式記入例などを見ると、
事業再構築補助金やものづくり補助金などの、同程度の補助金額がでる大型の補助金と比べると、申請のハードルはそこまで高くないのではないかと感じます。


もちろん、実現可能で売上をアップさせる計画を立てることはとても難しい作業ですが、
こと補助金申請のための計画を立てるという点においては、他の補助金に比べてややハードルは低めといえるのではないでしょうか?

外食産業向け 業態転換等補助金(補助事業)の公募 (1次)を行います。

ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

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