2023年は、コロナが5類に移行されたことで外国人観光客が急回復しました。今後もさらに日本旅行を楽しむ海外からのお客様が増加すると予測されています。
そんな海外渡航者インバウンドに人気なのが、日本の食品やお菓子です。日本ならではの食べ物は、外国人にとって新しい体験で、お土産としても人気があります。
この記事では、インバウンドに人気の食品やお菓子をまとめて紹介します。
コロナ後、訪日観光客は増え続けている
新型コロナウイルスが落ち着きを見せ、海外からの旅行者が戻りつつあります。
JTB総合研究所の調査によると、2023年5月の訪日外客数は1,898,900人で、前年同月比+1191.4%と大幅に増加しています。2022年10月の入国緩和以降、訪日外客数は増え続けているのです。
また2023年5月の訪日外客数を国別で見ると、「韓国」「台湾」「アメリカ」の観光客が多いこともわかっています。
2024年には、2019年の水準に戻るとの予想もあり、国内の観光業は復活していくでしょう。
外国人観光客の一番の興味は「グルメ」
来日する外国人が最も興味を持っているのは「グルメ」です。
観光庁が訪日外国人の消費動向を調査した結果、訪日前に期待しているのは「日本食を食べること」が78.3%と最多。また外国人がお土産で購入した商品で一番多かったのが「菓子類」で69.5%と、圧倒的な数字が出ています。
もちろん観光やレジャーも安定した人気があるものの、お土産の分野では食品が圧勝する結果となりました。
日本のお菓子はなぜインバウンドに人気?
なぜ日本のお菓子はインバウンドに人気なのでしょうか?
その理由をまとめて解説します。
キレイに個別包装されているのに安価で購入できる
日本のお菓子の多くは、個別包装されています。海外では個別包装の文化が根付いておらず、お土産を選ぶ際、大量に購入するか、小さいお菓子を選ぶしかありませんでした。
一方、日本のお菓子は個別包装が多いため、一つ購入するだけで複数人に配ることができます。よって安価でお土産を購入でき、コスパ良くお買い物ができるのがメリットです。
海外向けの商品開発が進んでいる
日本製のお菓子の海外輸出が進んでいます。全日本菓子協会の調査によると、2013年の海外への菓子の輸出金額は、159億6287万8000円。前年と比べ21.1%も増加しています。
この背景には、日本の少子高齢化が絡んでいます。お菓子を食べる子供の数が減り、日本の市場で売上を立てるのが難しくなってきているのです。
よって海外向けの商品開発が進み、外国人が好むお菓子が増えています。
和スイーツは原材料が植物性で健康的
外国人にとって和スイーツは健康的な位置付けです。
日本の伝統的な和菓子は、小豆や大豆、米、餅米など、植物性の原料が中心です。洋菓子よりもカロリーが低く、健康に気を遣っている人でも気軽に食べられます。
また動物性の食品を食べられないヴィーガンやベジタリアンの方でも口にできるため、多くの外国人から支持されるようになりました。
インバウンド客に人気の食品・お菓子まとめ
それではインバウンド客に人気の食品やお菓子をまとめて紹介します。
フレーバーの種類が豊富な「キットカット」(ネスレ)
日本でもお馴染みのキットカットは、外国人観光客から根強い人気があります。
その理由は親しみやすいチョコレートに、日本独自のフレーバーが追加されているからです。
キットカットは世界でも販売が進んでいますが、日本に来ると独自のフレーバーがたくさんあります。いわゆる「ご当地キットカット」と呼ばれ、京都の宇治抹茶や北海道の夕張メロンなど、その土地でしか購入できないキットカットが人気を集めています。
キットカットはもともとイギリスのお菓子なので、外国人から親しみを持たれやすいのも要因といえるでしょう。
食べやすさに定評がある「ポッキー」(江崎グリコ)
日本でも人気のポッキーは、グローバルブランドとして着実に人気を獲得してきました。現在は30カ国以上で販売され、海外でも圧倒的な知名度を誇っています。
そしてポッキーが人気の理由は、「手を汚さずに食べられる」という点です。何かをしながら食べる「ながら食べ」ができるお菓子として、一気に注目を集めたのです。
また日本では、海外で販売されていないフレーバーも多いため、旅行をきっかけに購入する人がいると予測できます。
個包装でお配り需要を満たす「チョコパイ」(ロッテ)
ロッテのチョコパイは、日本でも老若男女問わず人気のあるお菓子です。安価なお菓子の中でも「ちょっと贅沢」なイメージがあり、特別感のある商品として愛されています。
そしてチョコパイは、個別包装されているのが特徴です。よって、お土産を配りたい人の需要を満たしています。
特に中国人は周りにお土産を配る文化があるため、個別包装されているチョコパイがマッチしたと考えられます。
食感が癖になる「柿の種」(亀田製菓)
亀田の柿の種は、日本人に馴染み深いお菓子です。子供だけでなく、お酒のおつまみとして大人からも支持されています。
その人気は海外にも広まり、現在はインドの企業と合弁会社を設立し、現地の工場で生産も始まりました。インドの主要都市の1,000店舗以上で販売され「カリカリ」という名称で親しまれています。欧米や東南アジアからの問い合わせも多く、今後は販路を拡大していくそうです。
そして柿の種は食感が良く、誰にでも親しみやすい味わいが特徴です。よってインバウンドにも受け入れてもらいやすく、根強い人気を誇っています。
東京土産の超定番「東京ばな奈」(グレープストーン)
東京ばな奈は、東京土産の定番です。そしてグレープストーンでは、植物性由来の原材料だけで作った限定品の「東京ばな奈」も販売しています。これは、東日本旅客鉄道株式会社と協力した「Plant Based(プラントベース)」プロジェクトの一環で、インバウンドが増加する中、ヴィーガンの人にも日本のお菓子を楽しんでもらえるようにと考えた企画です。
また東京ばな奈は、あえてバナナの形をしているのが成功の要因ともいわれています。一般的なお土産は、ご当地の特産物をモチーフにした商品が定番です。しかし、世界でも親しまれているバナナのイメージを使うことで、外国人観光客も手に取りやすくなったのが良かった点といえるでしょう。
機内食で人気となった「白い恋人」
北海道のお土産の定番といえば白い恋人です。北海道限定で販売されているお菓子ですが、実は海外の通販サイトなどで転売されるほど人気なんです。
ラング・ド・シャとチョコレートの食感と味わいが絶妙で、外国人からも絶大な支持を集めています。
白い恋人が人気になった要因は、北海道行きの機内食として出したことがきっかけです。これが火付け役となり、一気に知名度が上がりました。
北海道に旅行する外国人観光客に対して、良いアプローチができている商品です。
味の種類が豊富な「果汁グミ」(明治)
いろんな果物の味が楽しめる果汁グミ。日本でも根強い人気のあるお菓子です。
グミはもともとヨーロッパで生まれたお菓子ですが、日本で独自の進化を遂げ、外国人観光客から注目を集めています。
人気の理由は「種類が豊富」「ジッパー付きで持ち運びしやすい」という点です。
日本でグミを開発しているメーカーは50社以上。スーパーやコンビニに行くと、多くのグミが売られています。そのため、外国人観光客は選ぶのが楽しくなり、ついいろんなグミを購入していると予測できます。
和風なパッケージで選ばれているシガール(ヨックモック)
外国人は、日本ならではの和風なパッケージに魅力を感じます。
中でも根強い人気があるのがヨックモックシガールです。同商品は、2015年から空港で販売されている定番商品です。
パッケージのデザインは4種類あり、日本の春夏秋冬をイメージして作成されています。日本らしさを感じることができ、帰国後も日本の景色を思い出せるような設計です。
食べて終わりではなく、目でも楽しめるパッケージは、外国人観光客の心を掴んでいます。
和食ブームで注目されている「即席みそ汁」
世界的な和食ブームにより、日本の味噌汁の人気が急上昇しています。
味噌メーカーのマルコメの調査では、訪日外国人観光客の約3割が、お土産にみそ汁を購入しているそうです。
中でも即席みそ汁は、手軽に和食を味わえることから、購入する外国人が多いといわれています。スーパーやコンビニでも気軽に購入でき、日持ちするのもメリット。
1食分の個別包装された商品も多いため、お土産需要も満たしています。
日本の伝統として根強い人気がある「お茶」
外国人観光客は「日本といえば日本茶」というイメージを持っています。よって、お茶を売り出すメーカーも増えてきました。
例えば、飲料メーカーの伊藤園では、新千歳空港国際線旅客ターミナル内にお茶専門店「伊藤園」をオープン。試飲だけでなく、お茶の入れ方を体験できるスペースも設けています。
また羽田空港国際線旅客ターミナルにも「茶寮 伊藤園」をオープン。お茶に興味をしめす外国人観光客は多く、売上も好調のようです。
このように、お茶は根強い人気があり、外国人旅行客から支持されています。
海外への輸出が増えている「日本酒」
日本酒は、外国人から「SAKE」の愛称で親しまれています。
日本酒造組合中央会の調査によると、2022年度の日本酒輸出総額が474.92億円に達し、13年連続で前年を上回る金額に。海外でも日本酒の美味しさが認知され、世界に誇るお酒として人気を集めています。
日本にくれば、あらゆる場所で日本酒が購入できます。その土地の酒蔵で日本酒を選んで、お土産にする外国人観光客も多いようです。
インバウンドを意識して人気を獲得しよう
今回は、インバウンドに人気の食品やお菓子を紹介してきました。外国人観光客が戻ってきている現状を考えると、今後はさらに食品の売上が立つと予想できます。
よって食品メーカーは、インバウンドにも受け入れられる食品の開発に力を入れていくといいでしょう。
ショクビズを運営する株式会社丸信では、商品企画のサポートやOEM商品を探せる「食品開発OEM.jp」を運営しています。これまでの経験や実績をもとに、食品メーカーや小売店向けの相談やサポートも承っておりますので、ぜひご活用ください。
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