新商品も続々!植物性食品が世界中で注目されている理由とは?そのメリットや参入企業もご紹介します

公開日:2021年11月29日 最終更新日:2022年7月20日

近年、食品スーパーやファストフード店などで、大豆ミート(代替肉)やアーモンドミルクといった植物を由来とする食品を見掛けることが多くなりました。
イオンのプライベートブランドの「トップバリュ」では、「Vegetive(ベジティブ)」シリーズから大豆ミートを使ったハンバーグやパスタソースが販売され、同シリーズの商品は2021年11月時点で20種類を超える勢いです。
また、大手ファストフードのモスバーガーやロッテリア、ドトールなどでも大豆ミートを使用したハンバーガーが続々と販売されるなど、ここ数年で一気に広がりを見せています。
米マクドナルドでは、植物性タンパク質を原料とした「代替肉」を使ったハンバーガーの試験販売を一部店舗で行うなど、「植物性食品」の需要は世界規模で拡大しているようです。

なぜ、本物の肉ではない大豆ミートなどの代替肉の需要が高まっているのでしょうか。その背景には、健康志向だけでなく環境問題や食料問題との密接な関係があるようです。 
本記事では、植物性食品とは、そもそもどのような食品を指すのか、注目されている理由やメリット、最近話題になった商品をご紹介します。

近年ますます話題の植物性食品とは 

植物性食品とは“植物を由来とする食品”のことで、英語ではvegetable foodfood of plant originと表記します。

米や小麦などの穀類や芋、豆、野菜、キノコ、果実、海藻類などの食材そのもの、または、それらに加工を施した豆腐や味噌、前述の大豆ミートなどの食品を指します。食物繊維が摂れる上、植物性タンパク質やビタミン・ミネラルが豊富に含まれているため、以前から肉や魚を食べないベジタリアン(菜食主義者)や動物性食品を一切口にしないヴィーガン(完全菜食主義者)などのヘルシー志向の人たちには欠かせない食品です。

近年は、ベジタリアンやヴィーガンでなくても、積極的に「植物性食品」を取ろうとする人が増えています。 

植物由来の食べ物

 

植物性食品が注目されている理由とメリット 

植物性食品が注目されている理由は、第一に健康への意識の高まりが挙げられます。

戦後から現代に至るまで、日本人の「食の欧米化」は急速に進んできました。

脂質の多い肉や乳製品などの動物性食品の摂取が、日本人の寿命を延ばした半面、肥満などの生活習慣病の増加につながっているともいわれています。 

植物性食品には、現代人に不足しがちな食物繊維が豊富に含まれ、腸の健康を保つというメリットが挙げられます。

また、体をつくる重要な栄養素であるタンパク質や体調を整えるビタミン・ミネラルも含まれ、動物性食品と比較すると低脂肪で低カロリー。

コレステロールの吸収を抑えるとされる成分「植物ステロール」も野菜や果物、ナッツなどに含まれており、この成分はサプリメントでも販売されています。 

注目されている第二の理由として挙げられるのが、地球環境問題です。

畜産業は二酸化炭素や水、森林伐採などで、環境に与える負荷が大きいとされています。

植物性食品への転換は、これらの環境問題を低減させ、持続可能性を追求するSDGsにつながる動きだと考えられます。 

 

第三の理由は、人口増加による食料不足問題です。

国連は2050年に世界人口が97億人に達すると予測しており、今後より多くの食料が必要だといわれています。

もっとヘルシーに、より地球環境に優しく、動物性食品も利用しながら、代替できる食品は植物由来のものに変換しようという動きが世界規模で続いているのです。 

 

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様々な企業が積極参入!植物性食品を使った商品例 

ここでは、最近話題になった植物性食品の商品例をご紹介します。 

イオンの「トップバリュ」では植物性タンパク質を中心に、さまざまな植物性原料に置き換えた「Vegetive(ベジティブ)」シリーズを2020年から本格展開しています。 

このシリーズは、健康や環境に配慮し「毎日の食事の中で植物由来の食品を積極的に取り入れたい」という消費者の声に応え、企画・開発。生乳の代わりに豆乳と米味噌を使ったパスタ用のクリームソース、大豆ミートを使ったボロネーゼ風のトマトソースやハンバーグなど、現時点で20品目以上の商品が販売されています。卵を使わないマヨネーズ、豆乳ヨーグルトなど、女性を中心に健康に気を遣う消費者に人気の商品となっています。 

トップバリュ:Vegetiveシリーズはこちら 
https://www.topvalu.net/vegetive 

 

大豆ミートを使った商品は、食品スーパーだけでなくファストフードチェーンでも開発・販売が進んでいます。 

モスバーガーでは、お肉の代わりに大豆由来の植物性タンパクを使った「ソイパティ」シリーズを販売。タンパク質はしっかり摂りたいけれど、余計な脂肪は控えたい」という消費者に選ばれています。 

また、ロッテリアでは、2020年からソイパティを使用した「ソイ野菜ハンバーガー」「ソイ野菜チーズバーガー」をレギュラーメニューとして全国販売、2021年2月には「ソイBBQチーズバーガー」の販売も開始しています(※一部店舗を除く)。どの商品も食肉を使ったものと比較すると、低カロリーで野菜をしっかり摂取できると好評です。 

 

■モスバーガー:ソイパティの紹介ページはこちら 
https://www.mos.jp/omoi/9/ 

■ロッテリア:ソイパティの紹介ページはこちら 
https://www.lotteria.jp/campaign/000389/ 

 

植物由来食品の栄養素 

 

おいしい&ヘルシーを両立した植物性食品に今後も注目! 

植物性食品は、タンパク質を補いながら、さまざまなビタミン・ミネラルなどの栄養素を同時に摂り入れることができ、さらにエネルギー量や脂質を抑えたメニューを考えやすい食品といえます。 

1週間の食事の中で1回代替肉に変えるだけでも、環境負荷を削減する効果が期待できるという研究結果も出ているようです。以前は「豆の匂いが気になる」など、味の面でデメリットのあった大豆ミートも、企業の開発技術により、「おいしい&ヘルシー」を両立できる食材として進化しています

持続可能性を追求する、時代に合わせた植物性食品に今後も注目したいと思います。