令和7年度の「酒類業振興支援事業費補助金」(第3期)は、酒類事業者の意欲的な取組を支援する制度です。日本産酒類の輸出拡大や経営改革を目指す事業者にとって大きなチャンスとなります。今回は、令和7年度(2025年度)の公募要領(※)と、過去に採択された事例集を基に、この補助金の概要と採択のポイントについてご紹介します。(※令和7年度の受付は9月25日に終了しています。)
①概要
「酒類業振興支援事業費補助金」は、酒類事業者による日本産酒類のブランディングや海外展開、国内外の新市場開拓などの意欲的な取組を支援する制度です。これにより、日本産酒類の輸出拡大、酒類業の経営改革・構造転換、そして酒類業の健全な発達を促進することを目的としています。
令和7年度(第3期)の公募では、大きく分けて2つの申請区分が設けられました 。一つは「海外展開支援枠」で、日本産酒類の海外販路拡大や商品等の高付加価値化に関する取組 、またはインバウンドによる海外需要の拡大を目的とした酒蔵の観光化や酒蔵ツーリズムの推進に関する取組が対象です。もう一つは「新市場開拓支援枠」で、商品の差別化による新たなニーズの獲得 、販売手法の多様化 、またはICT技術を活用した製造・流通の高度化・効率化に関する取組が対象となります。
補助対象者は、公募申請時において、酒税法の規定により酒類の製造免許若しくは酒類の販売業免許を受けている者(酒類事業者)、又は酒類事業者を少なくとも1者以上含むグループであり、日本国内に所在する者とされています。申請はjGrantsを通じて行われています 。
②補助率・補助金額・経費について
補助金の具体的な内容は申請区分によって異なります。
■海外展開支援枠・補助率: 補助対象経費の2分の1・補助金額:1,000万円以内(下限:50万円)
■新市場開拓支援枠・補助率:小規模事業者(※)は3分の2、その他の事業者は2分の1 (※常勤従業員数が20人以下(卸売業・小売業では5人以下)の法人又は個人 )・補助金額:500万円以内(下限:50万円)※酒類事業者3者を含む連携グループ申請の場合、上限額が1,200万円(最大1,500万円)となる特例があります。
■共通の申請要件3~5年の事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させ、かつ、売上額又は付加価値額を年率平均3%以上増加させる事業計画の策定が必要です。特に新市場開拓支援枠では、給与支給総額の増加目標が未達の場合、補助金の一部返還を求められる場合があります(一定の免除要件あり)。令和7年度の補助事業期間は、交付決定日から令和8年2月28日(土)まででした。
■補助対象経費 補助対象となる経費は、事業遂行に必要なものとして明確に区分できる経費に限られます。具体的には「設備等費」「広報費」「委託費」「外注費」「マーケティング調査費」「展示会等出展費」「原材料等費」など、多岐にわたる経費が認められています。ただし、人件費や通常の事業活動のためのPC購入費、事業所等に係る家賃、通信費などは補助対象外となるため注意が必要です。
③どのような取組が採択されやすいか?
どのような取組が採択されやすいのでしょうか。国税庁が発行した「取組事例集」を見ると、採択される事業にはいくつかの共通点があり、これらは公募要領の「補助対象事業」の具体例と一致しています。
1. 酒蔵ツーリズム・インバウンド(海外展開支援枠)
事例集では、インバウンドによる海外需要の開拓を目指す取組が多く紹介されています。
公募要領の「酒蔵の観光化や地域における酒蔵ツーリズムプラン策定の取組」に該当するものです。
・南三陸ワイナリー株式会社:「ワインツーリズムさんりく」の開催
・株式会社イリス:海外観光客向けの酒蔵ツーリズム事業
・蒼龍葡萄酒株式会社:観光的要素を取り入れた体験&交流型販売へのリニューアル事業
2.新たな商品開発・ブランディング(新市場開拓支援枠)
既存商品との差別化を図る取組も目立ちます。
・福司酒造株式会社:伝統的酒造りに挑戦するセカンドブランドの創造
・株式会社Agnavi:日本酒一合缶の製造体制構築
・綾菊酒造株式会社:四国初のスパークリング日本酒の開発
・株式会社車多酒造:県産新品種酒米を用いた清澄発泡性純米大吟醸の製造
3. ICT活用による効率化(新市場開拓支援枠)
ICT技術を活用した製造・流通の高度化も対象です。
販売手法の多様化や、地域産品との連携による差別化も採択されています。
・株式会社はこだてわいん:ワインと地元のアンチョビとのペアリングによる販路拡大
・株式会社ミチ:お試しを身近にする小容器パウチ酒のテストマーケティング事業
4.新たな販売手法・地域連携(新市場開拓支援枠)
販売手法の多様化や、地域産品との連携による差別化も採択されています。
・株式会社はこだてわいん:ワインと地元のアンチョビとのペアリングによる販路拡大 ・株式会社ミチ:お試しを身近にする小容器パウチ酒のテストマーケティング事業
5. 海外市場への直接的アプローチ(海外展開支援枠)
明確に海外市場の獲得を目指すブランド戦略や販路開拓も中核的な支援対象です。
・SAKECAPITAL株式会社:香港最大の日本酒のお祭り『SAKE MATSURI HONG KONG』の開催
・濵田酒造株式会社:グローバル市場開拓に向けた輸出専用商品「DAIYAME 40」の展開 “

④申請時の注意点と審査のポイント
令和7年度の公募要領に基づき、申請時の注意点と審査のポイントをまとめます。次年度以降の申請の参考にしてください。
1. GビズIDの早期準備
申請はjGrantsのみで受け付けられます。jGrantsの利用には「GビズIDプライムアカウント」が必須です。このID発行には郵送申請の場合1~2週間程度かかるため、公募が開始される前に準備しておくことが不可欠です。ID準備の遅れによる申請期限の猶予は認められません 。
2. 書類の不備は即不採択
申請前に、書類に不備や不足がないか必ず確認が必要です。不備等がある場合は「不採択」となります。
3. 審査の視点(評価項目)
審査は、6名以内の外部有識者の意見を踏まえつつ、審査委員会が行います。審査項目によると、「現状分析」の客観性(データを用いているか)、「新規性・先進性」(類似事例が少ないか)、「優位性」(競合他社との差別化)、「事業実施体制の妥当性」、そして「目標、事業内容の妥当性」などが評価されます。
4. 「設備導入のみ」は評価が低い
非常に重要な点として、「事業の経費が全て設備投資であり、かつ、設備の導入のみで完結する事業」は、審査において評価が劣後します。例えば、新商品開発のためのタンクや冷蔵設備を導入する「だけ」では不十分です。補助事業期間中に、その導入した設備を活用して「新商品開発に着手する」 、「導入したシステム等をテスト運用して改善点の把握まで行う」など、設備の導入以外の取組も計画に含める必要があります。
5. 高評価ポイント(令和7年度)
令和7年度の公募では、米国の関税措置により影響を受け、又は受ける見込みがあることを踏まえて行う取組を高く評価する、と明記されていました。
出典元情報,”令和7年度 酒類業振興支援事業費補助金(第3期)【公募要領】 酒類事業者向け補助金を活用した取組事例集 “
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出典元
食品添加物の不使用表示に関するガイドライン
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
令和2年度 食品表示に関する消費者意向調査
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/meeting_materials/assets/food_labeling_cms204_210720_05.pdf
この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上



