飲食店必見!国が取り組む食品ロス削減「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン案」とは
目次
2024年10月、消費者庁は、SDGsの目標達成や国内の食品ロス削減に向け、「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン案」を公表しました。飲食店における食べ残しを持ち帰る際の法的責任や、トラブル防止のための留意点などを定めることで、食べ残しを減らし、持ち帰りの推進を目的としたものです。
このガイドライン案は、持ち帰りが可能なものとして、十分に加熱された食品などを上げる骨子案です。消費者庁では現在、当件に関する意見の募集なども行っています。
参考:「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン(案)」に関する意見募集について
https://www.caa.go.jp/notice/entry/039718/
ざっくりまとめると「自己責任で衛生的に持ち帰ろう」
フードロス削減に向けた、国の本格的な取り組みです。
食べるものを粗末にしないという考えだけでなく、外食産業から出る廃棄量を減らすことが目的です。
持ち帰る消費者が気を付けること
持ち帰り食べた際の安全性を重視して、消費者が自信で衛生的に詰め替えることが大前提です。
持ち帰った後には、食品に応じた加熱などをする。食べ掛けや箸をつけたものは本人が食べることが求められています。
提供側が気を付けること
詰め替え時の衛生面を考慮した手指消毒液などの提供が必要です。詰め替え容器も衛生的に保管することも重要となります。
持ち帰った後の注意点などの説明も求められる可能性が高いため、ガイドラインが確定されたら十分に理解して取り組む必要があります。
知っておくべきポイント
日本の食品ロスについて
・事業系食品ロスの割合は過半数以上でその1/4は外食産業だ
・政府は2030年までに食品ロスを50%減らす目標だ
テイクアウトと混同しないこと
・「食べきれない場合の手段のひとつ」ということが前提
・サラダや刺身はもちろんドリンクは認められない
・店舗独自の考えからガイドラインに沿う必要性が出てくる
「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン案」策定の背景
近年、世界的な課題として食品ロスが深刻化しており、日本においても2030年度までに食品ロスを2000年度比で半減させるという政府目標が掲げられています。
外食の際、その場で食べきることが基本ですが、状況によっては「どうしても食べきれない」ということもあります。
食べられるのに廃棄されてしまう“食品ロス”は、2022年度に472万トンもあると推計されています。このうちの約半分にあたる236万トンは外食での食べ残し、または売れ残り商品といった事業系の廃棄です。
これらは、国内の食品ロスの一因として大きな割合を占めており、この問題に対処するため、政府は様々な施策を講じています。
こうした状況を踏まえ、飲食店における「食べ残し持ち帰り」を促進することで、食品ロス削減に貢献することを目的としたものです。
「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン案」の主な内容
ガイドラインでは、以下の点が主な内容として盛り込まれています。
法的責任
食べ残しを持ち帰る際の法的責任は、基本的には消費者自身にあるとされています。ただし、飲食店側も、消費者の持ち帰り要求に対して可能な限り応じるよう努めることが求められます。
トラブル回避
食べ残しを持ち帰る際に、食品衛生上の問題や、アレルギーなどによるトラブルが発生する可能性があります。ガイドラインでは、こうしたトラブルを回避するための留意点が具体的に示されています。
飲食店への要請
飲食店に対しては、食べ残しを持ち帰るための容器の用意や、持ち帰りを促す案内表示の設置などが求められます。また、食品の持ち帰り方や、持ち帰った後の保存方法などに関する情報提供も重要とされています。
消費者への呼びかけ
消費者に対しては、食べ残しを持ち帰る際の注意点や、持ち帰り容器を持参することの重要性などが伝えられます。
「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン案」が目指すもの
本ガイドラインの目的は、以下の通りです。
食品ロス削減
外食時の食べ残しを減らすことで、食品ロス問題の解決に貢献する。
消費者意識の向上
消費者に対して、食べ残し問題の深刻さを認識させ、食べ残しを持ち帰る行動を促す。
飲食業界の活性化
食べ残し持ち帰りを促進することで、飲食店の収益向上や、新たなサービスの創出に繋がる。
循環型社会の実現
食品ロス削減を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する。
「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン案」の今後の展望
本ガイドラインは、あくまでも一つのステップであり、今後の社会全体の取り組みが重要です。政府、自治体、飲食店、消費者などが協力し、食べ残しを減らすための取り組みをさらに推進していく必要があります。厚生労働省は年末までに取りまとめて来年度から運用を始める方針です。
具体的には、以下の様な取り組みが考えられます。
教育の推進
学校教育や地域社会における食育活動を通じて、子供たちから大人まで、食品ロス問題に対する意識を高める。
情報発信の強化
ガイドラインの内容を分かりやすく伝え、飲食店や消費者に広く周知徹底する。
制度の整備
食べ残し持ち帰りを促進するための制度的な支援を行う。
民間企業との連携
食品メーカーや容器メーカーなど、様々な企業と連携し、新たな製品やサービスの開発を進める。
内容と動向を知り早めの準備を!
消費者庁が発表した「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン案」は、食品ロス削減に向けた重要な一歩です。
これをきっかけに、社会全体で食べ残し問題に対する意識が高まり、より良い未来へと繋がることが期待されるものです。
飲食店等、食品を取り扱う企業や店舗では、こういった社会的な動きをいち早く知り、テイクアウトとは違う「持ち帰り」対応に向けた知識や容器などの準備も早めに進めることも大事です。
【参考資料】
・消費者庁食品ロス削減推進会議資料
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/meeting_materials/assets/consumer_education_cms201_231013_007.pdf
・食品ロス削減に関する政府の取り組み 食べ残しの持ち帰りに関する食品衛生ガイドライン検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syokuhin_436610_00010.html
【補足】
・上記は、ガイドライン案の主な内容を簡潔にまとめたものです。詳細については、消費者庁のウェブサイトでご確認ください。
・本記事は、情報提供を目的としたものであり、法的アドバイスではありません。
※この記事は、2024年10月時点の情報に基づいて作成されています。今後の動向によっては、内容が変更される可能性があります。
この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上