【食品・酒造業界】原材料費高騰の対策は?アンケートで見えた「コスト削減」より重要視「商品開発」に注力

止まらない原材料価格の高騰、慢性的な人手不足、そして急速に変化する消費者のライフスタイル…。
今、食品メーカーや酒造業界は、かつてないほど複合的で深刻な経営課題の渦中にあります。
「どこも苦しいのは同じ」と言いますが、実際の現場ではどのような悩みがあり、その打開策として何を見据えているのでしょうか?
現場のリアルな声を聴くために、当サイトを運用する株式会社丸信(福岡県久留米市)が開催した食品関連企業向けの展示会内でアンケートを実施しました。その結果、コスト削減に苦心しながらも、「守り」に徹するのではなく、「新しい価値づくり(商品開発)」に活路を見出そうとする、現場の切実な姿勢が垣間見えました。
本記事では、アンケート結果を徹底分析し、業界が抱える「本当の課題」と、そこから導き出される「解決の糸口」を紐解きます。
アンケート概要
対象:九州を中心とした食品業界関係者
(酒造・酒販、製菓、畜産食料、調味料製造、飲食店、スーパーなど)
調査日:2025年10月
調査方法:MARUSHIN よりそうSOLUTION FAIR 2025にて来場者へ呼びかけ
調査人数:130人 ※展示会来場者数とは異なる
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食品業界の現状課題
もはや一過性ではない「コスト」と「人」の壁
まず、食品業界が現在直面している「最大の課題」と「将来の不安」について見ていきましょう。結果は、食品関連業界の苦境を如実に表すものとなりました。
①【Q. 現在、最も大きな課題と感じていることは?】
1位 原材料費の高騰 60%
2位 従業員の確保・育成 41%
3位 新しい商品開発 28%
②【Q. 将来的に特に不安を感じていることは?】
1位 原材料やエネルギー価格のさらなる高騰 62%
2位 消費者ニーズの変化への対応 52%
3位 市場競争の激化 31%
回答者の約8割が、現在も将来も「コスト高」に悩まされています。これは一時的な波ではなく、「高コスト体質が前提となる時代」に突入したことを多くの経営者が肌で感じているという事に他なりません。
しかし、ここで見逃せないのが、将来の不安として第2位に挙がった『消費者ニーズの変化への対応(52%)』です。 「コストが上がること」への恐怖と同じくらい、「お客様の心が離れること(時代の変化に取り残されること)」への危機感が、現場を覆っていることが分かります。

設問①『最も大きな課題と感じていること』のその他(フリーアンサー形式)では、「他社商品との差別化が難しい」といった具体的な記述がある一方、「環境活動とその発信」「お客様の高齢化」といった社会的な問題に通じる悩みも散見しました。

設問②『将来的に特に不安を感じていること』のその他(フリーアンサー形式)では、「人材不足」といった具体的な記述がある一方、「エネルギーの枯渇」といった社会的な問題に通じる悩みも散見しました。
解決策のトレンド
求められているのは「コスト削減」よりも「高付加価値化」
コストが上がれば、通常は「いかに経費を削るか」に意識が向くはずです。しかし、今回のアンケートで最も驚くべき結果が、「今、求めている情報・サービス」の項目でした。
課題解決の不安を解消するために必要だと感じているのが「コスト削減のためのノウハウ」より、「商品開発に関する情報」という結果でした。
③【Q. 課題解消のために必要な情報・サービスは?】
1位:商品開発に関する情報 53%
2位:コスト削減のためのノウハウ 48%
3位:新しい顧客を獲得するためのマーケティング支援 35%
「コスト削減(守り)」よりも「商品開発(攻め)」に関する情報を求める声の方が上回っています。さらに「興味があるもの」の問いでは、その傾向がより顕著になりました。
④【Q. 興味があるものは?】
1位:時代に合った商品の開発 57%
2位:競合差別化のためのブランディング 46%
このデータは、業界の意志を明確に示していると言えます。
「コスト削減だけでは、この難局は乗り越えられない」 多くの企業がそう悟り始めているということではないでしょうか。原材料費が上がった分を価格転嫁し、利益を確保するためには、それに見合う「新しい付加価値」と「選ばれる理由(ブランド)」が必要不可欠だと気づいているのです。


消費者ニーズの変化
「買われる理由」を作るブランディング
では、具体的にどのような商品を開発すればよいのでしょうか? 多くの企業がここで壁にぶつかっています。その迷いは、「消費者に対して知りたいこと」の回答に表れています。
⑤【Q. 消費者に対して知りたいことは?】
1位 購入のきっかけ 53%
2位 食品を選ぶ際に最も重視する点は何か 50%
3位 新しい食品や飲食店を試す際、どこから情報を得るか 30%
開発意欲はある。技術もある。しかし、「今、消費者が何を見て、何を感じて、財布の紐を緩めるのか」という決定的な動機(トリガー)をつかみきれていないもどかしさが読み取れます。
「美味しいものを作れば売れる」時代から、「選ばれる理由(ストーリーやコンセプト)がなければ棚にも置かれない」時代へ。企業が今、喉から手が出るほど欲しいのは、トレンド情報以上に「消費者の購買心理の深層」だと言えます。

まとめ
これからの食品企業が目指すべき「三位一体」の改革
今回のアンケート結果を総括すると、これからの食品・酒造業界が目指すべき「勝ち筋」は以下の3点に集約されます。
1.コスト増を「前提」とした高付加価値化
コスト削減には限界があります。「安く作る」競争から降り、「高くても納得される」商品づくりへ舵を切る覚悟が求められています。
2.「時代適応型」の商品アップデート
アンケートで「時代に合った商品」への関心が高かったように、既存商品の焼き直しではなく、現代のライフスタイル(個食、健康志向、時短など)にフィットさせたリニューアルが急務です。
3.ブランディングによる「納得感」の醸成
消費者が知りたい「購入のきっかけ」を、企業側から提示すること。それがブランディングです。「なぜこの価格なのか」「どんなこだわりがあるのか」を言語化し、伝える力が、かつてないほど重要になっています。
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苦しい時こそ、縮こまらずに「新しい価値」を生み出す。 今回のアンケートからは、日本の食を支える中小企業のみなさまの、逆境を乗り越えようとする確固たる思いと姿勢がうかがえました。商品のブランディングでは、根拠となる分析結果に基づき、その商品の強みや弱みを知ることも大切です。
3C分析は情報収集力も必要なため外部委託することも一つの手段です。
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この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上



