スペパで顧客満足度向上!食品業界のためのスペースパフォーマンス活用事例

目次
近年、食品業界では「スペースパフォーマンス(スペパ)」という概念が注目を集めつつあります。
特に、消費者のライフスタイルの変化や環境意識の高まりを背景に、コンパクトで便利な食品の需要が増えてきました。
スペパ食品は、手軽さやデザイン性を兼ね備え、現代のニーズに応えると同時に、食品メーカーにとっては流通の効率化や付加価値の向上などのメリットもあります。
本記事では、消費者がスペパ食品を求める理由、そして食品メーカーにとってのメリット、中小企業が開発時に注意すべきポイントについて紹介します。
スペパ(スペースパフォーマンス)とは
スペパ(スペースパフォーマンス)とは、「限られた空間を最大限に活用し、効率的に使うこと」を意味する考え方です。
特に食品業界では、冷蔵庫や戸棚など限られた収納スペースに収まる商品開発が求められています。
例えば、パッケージをコンパクトにしたり、個包装にして必要な分だけ使えるようにしたりなど、便利で使いやすい食品が開発されるようになりました。
また、スペパ食品は環境への配慮もポイントのひとつです。
省スペース設計により、輸送や保管のコスト削減につながるだけでなく、廃棄物を減らすことにも貢献できます。
最近では「トレーをなくした冷凍食品」や「使い切りサイズの野菜」などが話題になっています。
忙しい現代人にとって、スペパ食品は「手軽さ」「省スペース」「エコ」の三拍子が揃った便利な選択肢なのです。
消費者がスペパ食品を求める理由
消費者がスペパ食品を求める理由を解説します。
利便性が求められる時代
忙しい毎日を過ごす人が増え、食事においても「いかに手軽に、効率よく、美味しく食べられるか」が求められる時代になりました。
特に2025年の食品トレンドとして、以下のような「パフォーマンス」を組み合わせた商品が注目されています。
- ・コストパフォーマンス(コスパ)
- ・タイムパフォーマンス(タイパ)
- ・健康パフォーマンス(ヘルパ)
こうした背景から、スペースを効率よく使いながらも、必要な分だけ取り出せるスペパ食品が人気を集めているのです。
持続可能性(サステナビリティ)への関心の高まり
近年、環境問題への意識が高まり、多くの人が「エコな選択」をするようになりました。
特に食品においては、プラスチックごみの削減やフードロスの問題がクローズアップされているため、持続可能性(サステナビリティ)を考えた商品開発が大切です。
スペパ食品は「ムダなくスマートに使える」ことから、環境への優しさを実現できる点が評価されています。
消費者は「おいしく食べながら、地球に優しい選択ができる」スペパ食品を積極的に選ぶようになり、今後もこの傾向は広がっていくかもしれません。
デザインへのこだわり
消費者は、食品の味や価格だけでなく、デザインにも強いこだわりを持つようになりました。
特にSNSの普及により、「映える」パッケージやおしゃれなデザインの商品が注目されています。
そのため、スペースを有効活用しながらも、見た目の美しさや使いやすさを兼ね備えたスペパ食品が注目されているのです。
例えば、コンパクトで持ち運びしやすい個包装の食品や、シンプルで洗練されたパッケージデザインは、スタイリッシュなライフスタイルを重視する人に支持されています。
今後も、デザイン性の高いスペパ食品が、消費者の心をつかんでいくでしょう。
スペパは開発する食品メーカー側にも優しい
スペパは、開発する側のメーカーにも多くのメリットをもたらします。
そこで食品メーカー側のメリットをまとめて解説します。
流通効率の向上
スペパ食品は、流通面で大きなメリットがあります。
それは、パッケージがコンパクトになり、輸送や保管の効率が大幅に向上する点です。
例えば、個包装や真空パックを活用すると、配送時により多くの商品を積載でき、輸送コスト削減につながります。
また、小型で省スペースな設計は、物流倉庫や店舗での陳列スペースの最適化にも役立ちます。商品がスムーズに出し入れしやすく、作業効率が向上するのも良い点です。
付加価値がつきやすい
スペパ食品は、さまざまな付加価値を提供できるのが大きなメリットです。
例えば、「省スペースで持ち運びしやすい」「環境にやさしいパッケージ」「必要な分だけ使える個包装」など、消費者に合わせた利便性をアピールすれば、他社との差別化が図れます。
特に、最近の消費者はタイパやコスパだけでなく、環境やデザインなどの「エコ」や「おしゃれ」といった要素も重視しています。
スペパ食品は、こうしたニーズに応える形で価格以上の価値を提供できます。
小売店からの需要増加
陳列スペースが限られているコンビニやスーパーでは、コンパクトで効率よく並べられる商品が求められており、スペパ食品はそのニーズに応えられます。また小型で収納しやすく、売り場の回転率を高められるのも魅力です。
また、個包装や多機能パッケージなどの工夫により、消費者が「手に取りやすい」「すぐに食べられる」と感じることで、購買意欲を高める効果も期待できます。
その結果、小売店からの引き合いが増え、販路を拡大できるかもしれません。
中小企業がスペパ食品を開発する際の注意点とは
中小食品メーカーがスペパ食品を開発する際の注意点を解説します。
設備投資が必要になる
スペパ食品を開発する際、新しい設備投資が必要となる場合があります。
例えば、個包装や真空パック、コンパクトな容器の充填機など、従来の商品とは異なる設備が必要です。
そのため、まずは市場のニーズを調査し、需要を見極めた上で段階的に導入しなければなりません。
また、初期コストを抑えるために、OEM(受託製造)を活用して、試験的に商品を展開するのも方法のひとつです。
慎重な計画とコスト管理を行い、無理のない範囲で設備投資を進めていきましょう。
物流面での取り扱い
スペパ食品は、特殊なパッケージデザインになる場合もあります。
すると、流通や梱包の面で通常の商品とは異なる課題が発生することがあります。特に、従来の輸送方法や保管体制に合わない場合、物流業者との調整が必要です。
例えば、通常の商品よりも小さく軽量な場合、配送中のズレや破損を防ぐための工夫が求められるかもしれません。
さらに、小売店の陳列スペースやストック管理との兼ね合いも重要です。スペパ食品の特徴を活かしつつ、流通業者と連携し、効率的な流通体制を整えると良いかもしれません。
食品衛生法や表示法への対応
コンパクトなパッケージや個包装食品の場合、通常の商品とは異なる表示が必要になる場合があります。
例えば、限られたスペース内に、原材料名、アレルギー表示、賞味期限、保存方法などの情報を正しく記載しなければなりません。
また、パッケージを省略したり新しい包装技術を採用したりする際、衛生面での安全性をしっかりと確保し、法令に合わせた生産体制を整える必要があります。
特に、長期保存や持ち運びを前提としたスペパ食品は、包装の密閉性や耐久性が重要です。
法規制をしっかり守り、消費者の信頼を獲得していきましょう。
顧客満足度を向上させるスペパ食品の戦略
中小食品メーカーが、顧客満足度を向上させるスペパ食品を開発するときのポイントを解説します。
利便性を重視する
現代の忙しいライフスタイルでは、「手軽さ」「時短」「簡単さ」が求められており、スペパ食品はこうしたニーズに応えられます。
例えば、ワンハンドで食べられる商品や、そのまま電子レンジで温められるパッケージは、調理の手間を省き、時間を有効に使いたい人にとって非常に魅力的です。
また、小分け包装されている食品は、必要な分だけ使えるので、食品ロス削減にもつながります。
このように、消費者の「いつでも・どこでも・簡単に」食べられることを意識したスペパ食品は顧客満足度の向上につながり、リピーターを増やす大きな要素となるでしょう。
ストーリーテリングによる価値提供
ストーリーテリングを取り入れれば、購入のきっかけを作ることができます。
消費者は、単に「便利な食品」を求めるだけでなく、その商品に込められた思いや背景に共感しながら購入を決める場合があるからです。
例えば、「地元の食材を使っている」「職人がこだわって作った」「環境に配慮したエコなパッケージ」などの物語を加えることで、価値を感じブランドへの愛着を深めてくれるかもしれません。
こうした工夫を通じて、消費者の心に響くスペパ食品を提供し、満足度を高めていきましょう。
陳列しやすいパッケージデザイン
消費者だけでなく、販売する小売店の利便性も考慮した、陳列しやすいパッケージデザインも大切です。
店舗では限られたスペースを効率的に活用する必要があるため、コンパクトでスタッキングしやすいパッケージや、フック掛けできるデザインが好まれます。
例えば、スタンド型のパウチや、積み重ねがしやすい形状のパッケージを採用すれば、売り場のスペースを最大限に活かせるかもしれません。
さらに、陳列のしやすさと同時に、視認性の高いデザインやキャッチコピーを前面に配置することで、手に取ってもらいやすくなります。
こうした工夫により、店舗と消費者の両方にメリットを感じてもらえ、顧客満足度の向上につながります。
スペパで新しいジャンルを切り開く企業事例
スペパ食品を開発する食品メーカーの事例を紹介します。
小さい野菜を配送「スペパベジ(Oisix)」
■画像引用元:Oisix HP(https://www.oisix.com/OtameshiTouroku.lp.g6–top–top-shinki_domo_d__html.htm?)
Oisixでは、コンパクトサイズの野菜を配送する「スペパベジ」を展開しています。
従来の野菜よりも小さいサイズにし、冷蔵庫の収納スペースを有効に使えるように設計。必要な分だけ調理できるので、鮮度を保ったまま無駄なく使うことができます。
そのため一人暮らしで冷蔵庫が小さい人でも、無理なく利用できるのが強みです。
「スペパベジ」は、忙しい現代人のライフスタイルに合わせ、便利さと環境配慮を両立した新しいスタイルを提案する商品といえます。
トレーのない冷凍食品「おべんとPON(味の素)」
■画像引用元:味の素冷凍食品株式会社 HP 「おべんとPON」(https://www.ffa.ajinomoto.com/obentopon)
おべんとPONは、味の素が開発したトレーのない冷凍食品です。
従来の冷凍食品のようなトレーを廃止し、個包装にすることで、必要な分だけ簡単に取り出して使えるようにしています。
冷凍庫内の収納スペースを節約できるだけでなく、お弁当箱に直接入れて電子レンジで加熱できるため、洗い物も不要です。忙しい朝やお弁当作りの時短に貢献し、主婦や一人暮らしの方から支持されています。
さらに、環境への配慮もポイントです。
トレーをなくすことでプラスチック使用量を削減し、ゴミの量を減らすことに成功。手軽さとエコの両立を実現した「おべんとPON」は、便利さを重視する現代のライフスタイルにぴったりの冷凍食品です。
少ない調理スペースでパスタができる「パキット(永谷園)」
■画像引用元:永谷園 HP 「パキット」(https://www.nagatanien.co.jp/brand/pakitto/)
パキットは、永谷園が開発した、少ない調理スペースで簡単にパスタが作れる画期的な商品です。
従来のように鍋やザルを使わず、袋の中に乾燥パスタと水を入れて電子レンジで加熱するだけ。袋のまま調理ができるため、調理スペースが限られた一人暮らしの方や、忙しいビジネスマンでも安心です。
さらに、コンパクトなパッケージ設計で、収納にも場所を取らず、冷蔵庫やキッチンのスペースを有効活用できます。アウトドアや職場でのランチにもぴったりです。
自然解凍と利便性を兼ね備えた「小さな便利おかず(ニチレイ)」
■画像引用元:ニチレイフーズ HP 「小さな便利おかず」(https://www.nichireifoods.co.jp/brand/benriokazu/)
ニチレイが提供する「小さな便利おかず」は、自然解凍が可能な冷凍食品シリーズです。
レンジ調理に加え、自然解凍でもそのまま食べられます。
忙しい朝のお弁当作りはもちろん、ランチタイムやちょっとしたおかずが欲しい時にもおすすめ。少量ずつ小分けされているため、必要な分だけ取り出して使えるのもポイントです。
「小さな便利おかず」は、手軽さ・美味しさ・使い勝手の良さを兼ね備えた冷凍食品として、多くの家庭で活躍しています。
袋がお皿になる「WILDish(マルハニチロ)」
■画像引用元:MARUHA NICHIRO HP 「WILDish」(https://reishoku.maruha-nichiro.co.jp/wildish)
マルハニチロのWILDishは袋のまま電子レンジで加熱し、そのままお皿として使える冷凍食品シリーズです。袋を開けるだけで簡単に食べられるため、お皿を使わず洗い物が出ません。
調理や片付けの手間を省きたい人にぴったりの商品で、オフィスやアウトドア、夜食などさまざまなシーンで活躍します。
コンパクトなパッケージ設計により、冷凍庫内でも場所を取らず、ストックしやすい点も大きなメリットです。
袋がお皿になるユニークなデザインは、手軽さとエコを両立し、環境への配慮にもつながります。
スペパ食品は現代社会にマッチしている
スペースパフォーマンス(スペパ)は、食品業界にとって、今後ますます重要なトレンドになっていくはずです。
特に中小企業は、設備投資や法規制などの課題をクリアしつつ付加価値を高める工夫をしていきましょう。
また、包装の工夫もスペパ食品において重要な要素です。
コンパクトで取り出しやすいデザインや、環境に優しい素材の活用が、消費者の購買意欲を高めるだけでなく、物流や保管の効率化にもつながります。
ショクビズを運営する丸信は、軟包装・フィルム包装のデザイン・印刷・制作・販売をする包材・フィルム.comを運営しています。
スペパ食品を含め、さまざまな食品開発のサポートをしていますので、ぜひお問い合わせください。
この記事のライター

ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上