【2026年最新】孤食が増えている原因と食品メーカーができる対策とは? | ショクビズ!

【2026年最新】孤食が増えている原因と食品メーカーができる対策とは?

公開日:2024.08.19 更新日:2026.09.25
ライター:ショクビズ編集部

日本では核家族化が進み「孤食」が社会問題となっています。  特に高齢者やひとり親世帯、未婚者などは、1人で食事をするのが当たり前です。その結果、孤独感だけでなく、栄養の偏りなどさまざまな問題をもたらしています。
この記事では、日本が抱える孤食の現状を踏まえ、食品メーカーとしてどのような対策やアプローチができるのか、具体的な事例とともにご紹介します。自社の取り組みのヒントとして、ぜひお役立てください。

孤食とは?9つの「こ食」についても解説

孤食とは、「1人で食事」「それぞれ食べるものが違う」「それぞれ食事の時間帯が違う」という意味合いを持っています。似た言葉として、他者との関わりが一切ない完全な単独の食事を指す「独食」がありますが、近年では「一人での食事時間を楽しむ(ソロ活)」というポジティブな意味合いで使われることも増えています。

また「孤食」だけでなく、9つの「こ食」にも目を向けなければなりません。

・孤食:1人で食事をする
・小食:食事量が少ない
・個食:家族ひとりひとりが違うものを食べる
・子食:子どもだけで食事をする
・粉食:パスタやピザなど小麦粉を使う高カロリーなものを好む
・固食:好きなものや決まったものしか食べない
・濃食:外食や加工食品など塩分や糖分が多いものを食べる

この「孤食」をはじめとする「こ食」の概念は、1970年代に女子栄養大学名誉教授の足立幸氏らが提唱したのが始まりです。当初は「孤食・個食・小食・固食・濃食・粉食」の6つがあり、その後、共働き世帯の増加やワンオペ育児の社会問題化に伴い「子食」が加わり、7つの「こ食」として長らく定着していました。
近年は、ライフスタイルのさらなる多様化、中食の普及、朝食欠食や無気力化といった現代的な課題を反映し、新たに「戸食」「虚食」を加えた9つの「こ食」として紹介されるケースが増えています。

このように「こ食」が増えると、栄養が偏って生活習慣病になったり、孤独で心を病んでしまったりなどの問題が発生します。

近年の健康志向やウェルビーイング意識の高まり、タイパ(タイムパフォーマンス)重視の傾向も踏まえ、「こ食」にどう寄り添うかが、食品メーカーにとって重要なマーケティング視点となっています。

日本では孤食が増えている 

日本では、孤食が社会問題になりつつあります。農林水産省の「平成29年度 食育白書」によると、同居している家族と「ほとんど毎日」一緒に食事を食べると回答した人は6割程度。また年代でみると、孤食が「ほとんど毎日」は70代の女性で26.0%、20代の男性で25.4%と、4人に1人が孤食になっていることがわかります。また2025年には、約800万人の団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となりました。一人暮らしの高齢者も増え、今後ますます孤食が進むことは間違いありません。孤食の問題は、食品メーカーだけでなく社会全体で考えるべき課題といえます。

【2026年最新】孤食が増えている原因とは? 

孤食が増える原因は以下の通りです。

・共働きで核家族化が進んだ
・ひとり親世帯の増加
・一人暮らし高齢者のさらなる増加
・多様な働き方の浸透

それぞれについて、詳しく解説していきます。 

共働きの家庭の増加 

総務省統計局が実施した「労働力調査(詳細集計)」の2024年平均結果によると、共働き世帯は2024年に1,300万世帯を突破し、平日の夕食を家族全員で揃って食べるハードルはさらに高くなっています。自分のスケジュールを優先し、冷凍食品などすぐに食べられる食品も積極的に活用するタイパ重視の生活や、同じ食卓でも違うものを食べる「食のパーソナライズ化」も、家庭での個食化に拍車をかけています。

ひとり親世帯の増加 

ひとり親世帯やワンオペ家庭も増えています。厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によると、母子世帯は119.5万世帯、父子世帯は14.9万世帯という結果に。しかも、ひとり親世帯はふたり親世帯よりも収入が少ない傾向にあります。そのため、仕事を掛け持ちしたり、残業を増やしたりなど、家にいる時間が少ないのも事実です。 そのため、ひとり親世帯は子どもだけで食事をすることが多く、コミュニケーションがうまく取れていません。 

一人暮らし高齢者のさらなる増加 

一人暮らしの高齢者が増加し、孤食化が進んでいます。 内閣府の調査によると、65歳以上の一人暮らしは男女ともに増加傾向にあります。昭和55年は、65歳以上の男女それぞれの人口に占める一人暮らしの割合は男性4.3%、女性11.2%でしたが、令和2年には男性15.0%、女性22.1%と増加。2026年現在、約800万人いる団塊の世代が後期高齢者(75歳)となり、一人暮らしの高齢者の数は今後さらに増加していくと予測されています。孤食もますます大きな問題になっていくでしょう。

多様な働き方の浸透

在宅勤務やハイブリッドワークなど多様な働き方が定着したことで、自宅で食事をとる人が増えました。オフィスであれば上司や同僚と会話しながらランチをしますが、自宅だと1人で食べることが多くなります。働き方の変化に伴い、新たな孤食の場面や食生活スタイルが生まれています。

孤食が進むとどうなるのか? 

孤食が進むとどんなデメリットがあるのでしょうか? 孤食が起こす問題について解説します。

栄養バランスの偏りが生まれる 

孤食が常態化すると、栄養バランスの偏りが生まれます。  農林水産省の「平成29年度 食育白書」によると、孤食が週2日以上の人より、孤食がほとんどない人の方が、バランスよく食事をとっており、朝食を食べる機会も多いことがわかっています。  例えば、子どもだけだと菓子パンやカップラーメン、お弁当など、簡単なもので済ませなければなりません。すると栄養バランスの偏りが生まれ、健康上のリスクが高まってしまいます。 

子どもの肥満・やせにつながる 

孤食は、子どもの肥満・やせにつながります。 子どもの成長期において、食事は大きなウエイトを占めます。 孤食で栄養が偏ると、発育・発達に悪影響を及ぼしかねません。  例えば、カップラーメンの塩分量は平均5〜6gといわれています。 しかし世界保健機関(WHO)では、大人の食塩摂取量の目標値を1日5グラム未満に設定しています。 要するに、子どもがカップラーメンを食べると、1日の食塩摂取量を大幅に超えてしまうのです。しかもカップラーメンの味の濃さに慣れれば、ますます濃い味を好むようになり、肥満につながってしまいます。 子どもの健康を守る上でも、孤食を減らしていく必要があるでしょう。 

食事マナーが身につかない 

子どもの孤食の問題点として「食事マナーが身につかない」ことが挙げられます。 家族と一緒なら「いただきます」「ごちそうさまでした」などの挨拶や、箸の使い方、正しい食べ方などを学べます。 しかし孤食はマナーを学ぶ機会がないため、マナー違反だと知らないまま大人になってしまうのです。すると意図せず周りの人を不快にし、良好な人間関係が作れない可能性があります。 

孤食を解決するために食品メーカーは何をすべきか? 

孤食の解決は、家族だけでなく地域や企業がサポートしていく必要があります。では食品メーカーは何をすればいいのか?

それは「共食の場」を作ることです。共食とは、家族や仲間と食卓を囲んでコミュニケーションをとりながら食事をすることです。共食が増えると、心と身体が整いやすく生活の質も向上します。食品メーカーであれば、料理教室や子ども食堂、シニア食堂を運営し、コミュニケーションの場を作るのがおすすめです。

また、栄養バランスの乱れや健康リスクなどの問題点を解決できる商品開発も、食品メーカーが取り組める有効な解決策となります。例えば、タイパと栄養バランスを両立した一人用のメニューや、個食化に対応した小分けできる商品の拡充は、現代の孤食・個食への対応策につながります。

ぜひ地域のコミュニティ支援や、孤食に寄り添う商品開発を検討してみてはいかがでしょうか。

孤食対策をしている企業の取り組み事例 

孤食対策をしている企業の取り組み事例を紹介します。 

【共食の場づくり】地域の課題を解決するために活動する「カゴメみらいやさい財団」 

■引用画像:「カゴメみらいやさい財団」HP(https://www.kagome.co.jp/company/sustainability/social-contributions/02.html)

食品の大手総合メーカーのカゴメでは、地域の課題を解決するために「カゴメみらいやさい財団」を設立しました。 特に子どもを取り巻く食生活の問題の解決に取り組み「子どもに笑顔を、地域に笑顔を」を理念に活動を行っています。例えば、1999年から始まった「りりこわくわくプログラム」では、カゴメトマトジュース用のトマト「凛々子®(りりこ)」の苗を全国の小学校や保育園、幼稚園に無償提供。トマトを栽培する過程を体験してもらっています。このように収穫から調理までの一連の体験は、子どもの好奇心を高め、よい食育活動につながっているようです。子どもたちに栽培体験の機会を提供することで、子どもたちの食育や食への興味を育んでいる事例です。

【共食の場づくり】子ども向けの料理教室を開催(ハウス食品)

■引用画像:「ハウス食品グループ本社」HP(https://housefoods-group.com/activity/event/h_cooking/index.html)

レトルト食品の最大手ハウス食品では、子ども向けの料理教室を開催。1996年にスタートし、今年で30周年を迎えた「はじめてクッキング」教室では、一緒に料理をする楽しさや食べる喜びを感じてもらうことで、食べ物の大切さを伝えています。2026年現在、延べ1,135万人の幼稚園・保育所・認定こども園に通う子どもたちがカレー作りに挑戦しました。自社商品を活用した料理教室を通して「作る体験」を子どもたちに提供し、食育活動を推進している取り組みです。

【商品開発】手軽に栄養素をプラスできるカップスープを展開(味の素)

■引用画像:味の素「『クノール®』たんぱく質がしっかり摂れるスープ」(https://www.ajinomoto.co.jp/knorr_protein_soup/)

大手食品メーカーの味の素株式会社では、不足しがちな栄養素を手軽に補える「クノール®たんぱく質がしっかり摂れるスープ」を発売しています。孤食のシーンでは手軽さが優先され、栄養バランスまで手が回りにくい傾向があります。この商品は、たんぱく質やカルシウムを増量しているため、スープを添えるだけで栄養バランスを整えることができます。お湯を注ぐだけで、栄養も補え、空腹も満たされるという点が、忙しい毎日を送る人のライフスタイルにぴったりです。自社商品を通じて、孤食における栄養課題の解決に寄与している事例です。

【商品開発】子どものための冷凍栄養食を開発(株式会社Oxxx)

■引用画像:「mogumo」HP(https://mogumo.jp/)

子ども向け冷凍食品の宅配サービス「mogumo(モグモ)」を展開する株式会社Oxxxでは、管理栄養士監修のもと、子どもの成長に必要な栄養素を満たした子ども向け冷凍食品の開発を行っています。共働き世帯やひとり親世帯の増加に伴い、親が多忙で十分な食事を作れないことから、子どもの栄養バランスの乱れや、食べることに対する意欲低下が懸念されています。同サービスでは、電子レンジで温めるだけで完成する手軽なおかずを提供することで、忙しい日常でも子どもに美味しく栄養価の高い食事を届けられる仕組みを作っています。パッケージにも力を入れ、子どもに「食べたい」と思ってもらうデザインにすることで、食の楽しみも伝えられるよう工夫をしています。親の負担を軽減しながら、子どもに美味しく栄養価の高い食事を届けられる商品の開発は、現代の社会問題の解決につながっています。

食品メーカーだからこそできる孤食へのアプローチがある

今回は「孤食」の原因や食品メーカーができる対策について解説してきました。
多様化する現代のライフスタイルにおいて、消費者の食のあり方は常に変化しています。
ぜひ本記事を参考に、共食コミュニティの創出や個食のニーズに応える商品開発で、孤食へのアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。

この記事のライター

ショクビズ編集部

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