食品メーカーのノウハウでペットフードに参入できる?メリットと参入・展開事例 | ショクビズ!

食品メーカーのノウハウでペットフードに参入できる?メリットと参入・展開事例

公開日:2026.07.27 更新日:2026.09.18
ライター:ショクビズ編集部

「本業の食品事業は市場が成熟しており、新しい事業の柱を作りたい」「しかし、まったく未経験の業界に参入するリスクは取れない……」。

このような、新規業界への参入に悩んでいる食品事業者からいま注目されているのが、「ペットフード市場」です。

ペットフードは専門メーカーだけの領域ではありません。食品製造で培った衛生・品質管理のノウハウ、独自の原料調達ルート、加工技術などを持つ食品事業者にとって、既存の経営資源を活用しやすい隣接市場の一つです。

▼本記事でわかること

  • 食品メーカーがペットフード市場に参入する3つのメリット
  • 自社設備や既存原料を活かした「低リスクな参入アプローチ」
  • マルハニチロやいなば食品など、食品メーカーの参入・展開事例
  • ペットフード安全法に基づく届出・表示・広告表現の注意点

自社の強みをペットフード事業に活用できるかを検討するうえで必要なポイントを解説します。

食品メーカーがペットフード市場に参入する3つのメリット

日本の食品市場が人口減少などの影響を受ける一方、国内のペット関連市場では高付加価値商品の需要が拡大しています。

食品メーカーがペットフード市場に参入する3つのメリット

富士経済によると、国内ペットフード市場は2024年に4,931億円となり、前年比4.5%増加しました。また、マルハニチロが富士経済「2025年ペット関連市場マーケティング総覧」を引用して公表した資料では、2027年には約5,200億円規模になると予測されています。[根拠1・2]

さらに矢野経済研究所では、ペットフードや用品、サービスなどを含む国内ペット関連総市場について、2025年度は1兆9,504億円、2026年度は1兆9,835億円と予測しています。[根拠3]

メリット①:高付加価値化が進む市場で、新たな事業の柱を検討できる

ペットを家族の一員として大切にする「ペットの家族化」や健康志向を背景に、高品質な素材や健康維持への配慮、国産原料、無添加などを訴求する高付加価値商品への需要が高まっています。[根拠3]

一方で、飼育頭数や販売数量そのものが大幅に増えているわけではありません。近年の市場拡大には、高付加価値商品の伸長や商品単価の上昇も寄与しています。そのため、「人口減少の影響を受けない」「一貫して右肩上がり」と断定するのではなく、高付加価値化が市場成長を支えている点を理解しておくことが重要です。[根拠1・3]

食品メーカーにとっては、こうした市場変化を捉えながら、既存事業とは異なる新たな収益源を検討できる市場の一つといえるでしょう。

メリット②:「ヒューマングレード」など高付加価値の商品設計が可能

飼い主の健康意識の高まりにより、原材料や製造方法にこだわった商品や、冷凍・冷蔵で届ける「フレッシュフード」など、新しいタイプのペットフードも増えています。
食品メーカーが持つ原料調達力や食品加工技術を生かすことで、価格だけで競争する量販型商品とは異なるプレミアム商品の開発が可能になります。

ただし、高単価の商品が必ずしも高粗利になるとは限りません。特に冷凍商品では冷凍保管・配送コスト、D2Cでは広告費・顧客獲得費などが発生するため、販売価格だけでなく物流費や販売コストを含めて採算性を判断する必要があります。

「ヒューマングレード」とは

ペットフード業界で使用されている表現ですが、日本の法令上、統一された定義はありません。農林水産省が掲載する資料でも「定義は無く、使う人の立場で意味が変わることがある」と注意喚起されています。[根拠4]

したがって、「人用食品として使用されている原材料を使っている」「食品工場で製造している」「食品と同等の衛生管理を行っている」など、自社が何を根拠にヒューマングレードと表示するのかを明確にすることが重要です。

メリット③:EC・D2Cにより直販チャネルを構築しやすい

自社ECやECモール、SNSなどを活用することで、新規参入企業でもターゲットとなる飼い主へ直接情報を届けやすくなりました。
ペット関連商品のEC市場そのものも拡大が予測されており、富士経済では国内EC市場を2028年に3,489億円と予測しています。[根拠5]

一方で、ホームセンターやペットショップなどの実店舗も重要な販売チャネルであり、「D2Cが主流」と一律に捉えるのではなく、自社の商品特性や顧客層に応じてEC・実店舗・卸売を組み合わせることが重要です。

食品事業者がペットフード新規事業に「強い」3つの理由

食品事業者がペットフード新規事業に「強い」3つの理由

市場性だけでなく、食品事業者はペットフード事業にも応用できるアセットをすでに持っているケースがあります。

①既存の製造ノウハウ・HACCP等の品質管理体制を応用できる

食品製造で培った衛生管理、温度管理、異物混入防止、トレーサビリティ、品質検査などのノウハウは、ペットフード製造でも大きな強みとなります。
特にウェットタイプ(缶詰・レトルト・パウチ)や冷凍タイプのフードは、人用食品の加工技術と親和性があります。

ただし、人用食品で実施しているHACCP等の衛生管理をそのまま転用すれば法令対応が完了するわけではありません。犬・猫用ペットフードについては、別途「ペットフード安全法」に基づく成分規格、製造方法基準、表示基準などを満たす必要があります。[根拠6]
ドライフードなど自社設備で対応できない商品については、OEMメーカーを活用することで初期投資を抑える方法もあります。

②強みのある原料の「アップサイクル」でコスト削減と差別化を両立

自社で取り扱う農林水産物・畜産物などは、ペットフードの商品開発において差別化要素になり得ます。

  • 【水産加工業】鮮魚・かつお・さばなどの加工工程で生じる安全性を確認した未利用部位や規格外原料
  • 【食肉・畜産業】鶏肉、銘柄豚、ジビエなどの端肉や副産物を利用したジャーキー・ウェットフード
  • 【農産加工業】規格外野菜・穀物などを利用したペットフード・トッピング

ただし、「食品として未利用だからペットフードに使用できる」というわけではありません。ペットフード事業者には安全な原材料を使用する責任があり、犬・猫に有害な物質、病原微生物、異物などのリスクを確認する必要があります。ペットフード安全法の製造方法基準でも、有害物質を含む、または病原微生物に汚染された疑いのある原材料を使用しないことが定められています。[根拠7]
その前提を満たせば、未利用素材の活用は、フードロス削減やアップサイクルというブランドストーリーにもつなげられます。

③「食品メーカーとして培った品質管理力」をブランド価値にできる

食品メーカーとして培ってきた衛生管理・原材料管理・品質検査等のノウハウは、ペットフード市場においても訴求材料となります。

ただし、「食品メーカーが作っている=人が食べられる」「食品メーカーの商品=ヒューマングレード」と自動的に判断できるわけではありません。
「人が食べられる品質」「人用食品と同等」「ヒューマングレード」などの表現を使用する場合は、その表現を裏付ける客観的な根拠を保有し、実際の原材料・製造工程と表示内容が一致していることが重要です。

【重要】ペットフード参入の法規制と「事業者届出」の手順

ペットフード安全法(正式名称:愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)は、現在、犬用・猫用のペットフードを対象としています。[根拠6]
同法では、製造・輸入事業者の届出、帳簿の備付け、成分規格、製造方法基準、表示基準などが定められています。

ペットフード安全法で義務付けられている5つの表示

犬・猫用ペットフードには、次の5項目を日本語で表示する必要があります。

  • 名称
  • 賞味期限
  • 原材料名
  • 原産国名
  • 事業者名および住所

[根拠8]

さらに、ペットフード公正取引協議会の「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、上記5項目に「目的」「内容量」「与え方」「成分」を加えた計9項目の必要表示事項が定められています。[根拠9]
公正競争規約はペットフード安全法そのものではありませんが、景品表示法に基づき認定された自主ルールです。同協議会によれば、非会員を含め、市場にある多くのペットフードがこの表示ルールに沿っています。[根拠10]

製造・輸入を始める場合の届出

販売する犬・猫用ペットフードを自ら製造または輸入する事業者は、事業を開始する前に「愛玩動物用飼料製造・輸入業者届」を提出する必要があります。[根拠11]
届出書上の宛先は農林水産大臣・環境大臣ですが、実際の提出先は、本社など「主たる事務所」の所在地を管轄する地方農政局等です。[根拠11・12]
届出事項に変更があった場合、事業を承継・廃止した場合は、原則として事由が発生した日から30日以内に届出を行います。[根拠11]

OEMの場合、誰が製造業者として届け出る?

製造をOEMメーカーへ委託する場合、実際に製造を行うOEMメーカー側が製造業者の届出を行います。農林水産省のQ&Aでも、「A社がB社へOEM製造を委託し、A社が販売者、B社が実際の製造者の場合、B社が製造業者届を提出する」と明示されています。[根拠13]
そのため、自社ブランドの商品を販売する会社が必ず製造業者届を出すわけではありません。どの事業者が実際に製造・輸入の工程を担うかによって判断します。

帳簿・トレーサビリティにも注意

ペットフードの製造・輸入・事業者向け販売を行う場合は、名称・数量・製造年月日・取引先など所定の事項について帳簿または電子記録を作成し、2年間保存する必要があります。一般消費者への直接販売については、販売に関する帳簿作成義務の対象外です。[根拠14]

「ペットフードだから薬機法の対象外」ではない

ペットフード自体が通常の食品として販売されていても、商品の成分や形状、パッケージ、Webサイト、広告、SNS、営業時の説明などで医薬品的な効能・効果を標榜すると、動物用医薬品に該当し、薬機法の規制対象となる場合があります。[根拠15]

例えば、

「○○病を治す」
「○○病を予防する」
「炎症を改善する」

など、疾病の治療・予防を直接標榜する表現には特に注意が必要です。
商品パッケージだけでなく、ECサイト、LP、広告、SNS、パンフレット等まで含めて表示内容を確認することが重要です。

添加物についても人用食品と同一ではない

人用食品で使用できる添加物であっても、それだけを理由に犬・猫用ペットフードで安全に使用できるとは限りません。
ペットフード安全法では、例えば猫用ペットフードへのプロピレングリコールの使用を禁止しているほか、エトキシキン・BHA・BHT、亜硝酸ナトリウムなどについて成分規格が設定されています。[根拠7]
商品設計時には、使用する原材料・添加物についてペットフードとしての安全性と法令上の基準を個別に確認する必要があります。

低リスクな参入アプローチ|自社に合った進出モデルの選び方

参入形態は一つではありません。自社の設備・人員・原料・販売網に合わせて進出方法を検討できます。

パターン①OEM・ODMを活用した「小ロット・スモールスタート」

最も初期投資を抑えやすいアプローチです。
製造を専門OEMメーカーへ委託し、自社は原料提供・商品企画・ブランド設計・マーケティング・販売などに注力します。
自社が製造工程を行わない完全OEMの場合、前述のとおり、実際に製造するOEMメーカー側が製造業者届の対象となります。[根拠13]

ただし、自社ブランドで販売する以上、表示内容や品質基準、事故発生時の対応、原料変更時の連絡ルールなどについてOEM先との責任分担を契約段階で明確にしておくことが重要です。
小ロットから対応できるOEM事業者を活用し、EC等でテスト販売を行えば、大規模な設備投資を行う前に市場の反応を確認できます。

パターン②既存の製造ノウハウ・設備を活かした「自社ブランド展開」

自社に缶詰、レトルト、冷凍食品などの製造設備・加工技術がある場合、それらをペットフードへ応用できる可能性があります。

自社で販売用ペットフードを製造する場合は、事業開始前に製造業者届を提出するとともに、ペットフード安全法に定められた成分規格・製造方法基準・表示基準等への適合を確認する必要があります。[根拠6・11]
また、人用食品と同じ設備・工場で製造する場合について、ペットフード安全法が一律に「別室化・完全区画分離」を義務付けているわけではありません。実際には、交差汚染や誤投入防止、洗浄方法、原料・製品の保管方法、人用食品側の衛生管理への影響などを検討する必要があります。

ニッスイは食品工場で愛犬用ペットフードを製造するにあたり、管轄保健所へ相談し、助言を受けたことを公表しています。[根拠16]

パターン③既存の産地ネットワークや直販ルートの応用

地域の農協・漁協・生産者との仕入れネットワークを持つ企業であれば、「産地」「素材」「生産者」などを特徴とした地域ブランド型の商品を企画できます。
また、百貨店やスーパー、ECなど既存の流通ルートを持つ場合、それらを活用することで、新たに販売網を一から構築する負担を軽減できます。

ただし、「食品メーカーが作ったから安全」といった抽象的な表現よりも、「どの原材料を使用しているか」「どのような品質管理を行っているか」といった具体的な事実を伝える方が、消費者への説明としても適切です。

食品メーカーによるペットフード参入・展開事例

食品メーカーとして培った原材料調達力や加工技術、品質管理ノウハウをペットフード事業へ展開している事例を紹介します。

【事例】ベストアメニティ(アニマル・ワン)|雑穀加工ノウハウをペットフードへ展開

【事例】ベストアメニティ(アニマル・ワン)|雑穀加工ノウハウをペットフードへ展開
■ 画像引用元:ベストアメニティ(アニマル・ワン)|わんちゃんのごはん

自然食品や雑穀を扱うベストアメニティグループでは、株式会社アニマル・ワンを通じてペットフード事業を展開しています。
国産雑穀など、グループが食品事業で培ってきた素材調達・加工の知見を活用した「犬の雑穀ごはん」などを販売しています。

さらに、アニマル・ワンブランドのペットフードを製造するベストアメニティファクトリー玉名工場は、2026年3月、犬・猫用ペットフードの製造について食品安全マネジメントシステム「FSSC 22000」の認証を取得しています。[根拠17]
食品事業で培った品質管理・原材料の知見をペットフードへ横展開している事例として参考になります。

【事例】マルハニチロ(アイシア)|冷凍ペットフードへ参入

【事例】マルハニチロ(アイシア)|冷凍ペットフードへ参入
■ 画像引用元:BLACK TERRACE監修「国産 愛犬用 冷凍ペットフード」新発売!|アイシア株式会社

マルハニチロは2025年度に「ペットフード事業推進室」を新設し、グループのペットフード事業強化を進めています。

グループ会社のアイシア株式会社から、「マルハニチログループ初となる国産愛犬用冷凍ペットフード」を発売しています。[根拠2]
商品ではヒューマングレードの食材を使用し、保存料を使用しないことや、電子レンジ調理で手作り食のようなおかずを与えられることなどを特徴としています。
食品メーカーグループが既存の調達・商品開発等の知見を活用してフレッシュ・冷凍ペットフード領域へ展開した事例といえます。

【事例】いなば食品グループ|「CIAOちゅ~る」を世界へ展開

【事例】いなば食品グループ|「CIAOちゅ~る」を世界へ展開
■ 画像引用元:商品情報 – キャットフード – | いなばペットフード株式会社

「CIAOちゅ~る」を展開するいなばペットフードは、食品缶詰事業を手掛けるいなば食品グループの企業です。

いなばペットフードの公式沿革によると、「CIAOちゅ~る」は2012年に発売され、2017年には米国での販売を開始。2019年8月には国内ペットフード売上No.1となったことが公表されています。[根拠18]
食品・水産加工を源流に持つ企業が、原材料調達や加工技術をペットフード事業へ展開した代表的な事例の一つです。

https://www.inaba-petfood.co.jp/

【事例】ニッスイ|冷凍食品技術を活かした「PAWSOME DELI」

【事例】ニッスイ|冷凍食品技術を活かした「PAWSOME DELI」
■ 画像引用元:PAWSOME DELI(ポウサムデリ) | 商品ブランド | 商品情報 | ニッスイ

ニッスイは、冷凍食品で培った技術を活用した愛犬用冷凍ペットフード「PAWSOME DELI(ポウサムデリ)」を展開しています。[根拠16]
同社は「ヒューマングレード」について独自に基準を明文化しています。

具体的には、

  • 原材料について食品衛生法等への適合が保証され、実際に食品として使用されていること
  • HACCPに沿った衛生管理に従って工程管理を行うこと
  • 出荷時に人による喫食評価や細菌検査を実施すること

などを条件として掲げています。[根拠16]

法令上の定義がない「ヒューマングレード」という表現について、自社が意味する品質基準を具体化している事例として参考になります。

※「無一物(むいちもつ)」シリーズはニッスイの商品ではなく、はごろもフーズの商品です。元原稿のニッスイ事例からは削除しています。[根拠19]

中小・地域メーカーの勝ち筋!「産地・素材ストーリー」でニッチ市場を狙う

大企業だけでなく、地域の中小食品メーカーにもペットフード参入の余地があります。

例えば、

  • 【地方の水産加工業者】地元ブランド魚の安全性を確認した未利用部位を活用したキャットフード・トッピング
  • 【銘柄肉の生産・加工業者】肉のトリミング時に生じる端肉などを利用した、使用するたんぱく源を限定したドッグジャーキー
  • 【野菜加工業者】国産の規格外野菜をペースト化した、手作りごはん向けトッピング

などが考えられます。

なお、「アレルギー対応」「病気を予防する」「症状を改善する」など、疾病への効果を連想させる表示については、薬機法との関係を確認する必要があります。[根拠15]
「どこで、誰が、どのような素材を使って作ったか」という透明性や地域性は、中小メーカーにとって商品を差別化する一つの方法となります。

参入時に押さえておくべき課題と注意点

「ヒューマングレード」の広告表示と客観的根拠

「ヒューマングレード」は消費者へ品質を伝えるうえで有効な表現ですが、前述のとおり日本法上の統一された定義はありません。[根拠4]
そのため、「ヒューマングレード」と表示するのであれば、自社が何をもってヒューマングレードと定義しているのかを明確にし、それを裏付ける資料を保有することが重要です。

例えば、

  • 原材料規格書
  • 仕入証明書、トレーサビリティ記録
  • 人用食品として使用されていることを確認できる資料
  • 製造工程・洗浄・温度管理等の記録
  • HACCP等の衛生管理記録
  • 微生物検査・成分分析等の試験結果
  • 第三者認証に関する資料

などが根拠資料として考えられます。

ただし、一つの分析試験や認証を取得しただけで「ヒューマングレード」のすべてを証明できるとは限りません。実際に表示している内容と、保有している根拠資料によって証明できる内容が適切に対応していることが重要です。

景品表示法の不実証広告規制では、商品・サービスの効果・性能に関する表示について、消費者庁等から合理的な根拠を示す資料の提出を求められる場合があります。原則として15日以内に合理的な根拠資料を提出できなければ、優良誤認表示とみなされる・推定される制度があります。[根拠20]

したがって、表示を始めてから根拠資料を用意するのではなく、商品開発・広告制作の段階で「表示内容とエビデンス」をセットで確認する体制を作ることが重要です。

専業大手メーカーとの価格競争を回避する

市場には多数の大手メーカーが存在します。
低〜中価格帯の商品で価格競争を行う場合、原材料調達や大量生産による規模のメリットを持つ既存メーカーとの競争が課題になります。

そのため、

  • 地域限定・産地指定の原材料
  • 冷凍・フレッシュタイプ
  • 独自の食品加工技術
  • 原材料や製造工程の透明性
  • 特定の素材やたんぱく源へのこだわり

など、自社が客観的に説明できる強みを商品設計に反映させることが重要です。

健康維持に関する情報を伝える場合も、「病気を治す」「病気を予防する」といった医薬品的な効能効果を標榜しないよう注意する必要があります。商品名・パッケージ・ECページ・広告・SNSまで含めて確認しましょう。[根拠15]

ペットフードは食品事業者にとって「親和性の高い隣接市場」

ペットフードは食品事業者にとって「親和性の高い隣接市場」

国内ペットフード市場では、高付加価値商品やプレミアム商品の需要がみられます。
食品事業者が持つ、

  • 製造・加工技術
  • 原材料の調達ネットワーク
  • 衛生・品質管理
  • 食品の商品開発ノウハウ

は、ペットフードの商品開発においても活用できる可能性があります。
その意味で、ペットフードは食品事業者にとって親和性の高い隣接市場の一つといえるでしょう。

参入を検討する際には、

  • 自社で発生している未利用素材や規格外品について、犬・猫への安全性を含めて棚卸しする
  • 初期投資を抑える場合は、OEMを利用した小ロット生産やテスト販売を検討する
  • 価格競争だけではなく、原材料・加工技術・品質管理など、自社が客観的に説明できる強みを商品化する
  • 製造・輸入を行う場合は事業開始前の届出を行う
  • 表示・広告について、ペットフード安全法・景品表示法・薬機法等との整合性を確認する
  • 製造・流通開始後の帳簿・トレーサビリティまで含めて管理体制を整える

といった手順が重要です。

まずは自社が持つ素材・設備・技術・販売網のうち、どの資産をペットフード事業へ転用できるかを整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料・出典

この記事のライター

ショクビズ編集部

ショクビズ編集部

株式会社丸信が運営するフードビジネスのためのお役立ちメディア。
広報・プランナー、マーケターなどが集っています。
フードビジネスに関わるニュースやお役立ち情報を幅広く発信していきます。

企業の主な実績

オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上

オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上