ふるさと納税の新ルールに対応しよう!人気商品のトレンドを紹介

公開日:2023.10.03 更新日:2024.10.17
ライター:ショクビズ編集部

2023年10月に「ふるさと納税」のルールが一部改定されました。これは、ふるさと納税の制度を本来の趣旨に沿って適正な運用をするためです。
変更されたのは、寄付金額(募集適正基準の改正)に関することや、原料のルールです。
出品する場合には、生産者・出品者が正確な情報を理解しておくことが大事です。

特にふるさと納税で食品を生産している会社は、ルールをしっかりと理解し、対策を立てておくことが大切です。そこでこの記事では、ふるさと納税の新ルールの詳細や食品メーカーの対策、現在の売れ筋商品をまとめて紹介します。

ふるさと納税とは

「ふるさと納税」とは、自分の選んだ自治体に寄付できる制度です。翌年に寄付金のうち2,000円を超える部分は、税金の控除が受けられます。

控除上限額は、収入や家族構成によっても異なりますので、ふるさと納税サイトでシミュレーションを行いましょう。

また、ふるさと納税を行うと、自治体から返礼品が受け取れます。地域の名産品から日用品まで、生活を充実させる商品を受け取れるのがメリットです。

ふるさと納税は2023年10月から新ルール開始

非常に魅力的なふるさと納税ですが、2023年10月から新たなルールとして改正されました。

主に変更されるのは以下の2点です。

  • ・寄付金額は経費を含めて5割以下
  • ・熟成肉と精米は同一の都道府県産のみ

それぞれについて、詳しく解説していきます。

寄付金額は経費を含めて5割

今までのふるさと納税は、返礼品の手数料や経費は「寄付金額の5割以下」。その内、「返礼品は寄付金額の3割まで」という取り決めがありました。

例えば、10,000円の寄付をすると、3,000円相当の返礼品がもらえ、自治体には5,000円が寄付される仕組みでした。

そして10月からはその「5割ルール」が細かくなり、経費に含まれる項目が増えました。ルール自体に変更はないですが、詳細なルールが追加されています。

ルール改定により、返礼品の送料や広告費、仲介サイトなどの手数料も5割に収めなければなりません。

今まで経費が曖昧だったため、よりルールを厳格化し、ふるさと納税の整備が進められたという認識でいいでしょう。

熟成肉と精米は同一の都道府県産のみ

ふるさと納税では、返礼品は「地元の特産品のみ」というルールが定められていました。

10月からは、そのルールがさらに細かくなります。

  • ・熟成肉と精米は同一の都道府県のみ
  • ・地元の特産品と他の地域の特産品をセットにする場合、地元の特産品の価格は全体の7割以上にする

今まで他の地域の商品を返礼品にしていた自治体は、商品の変更が必要です。

例えば、ふるさと納税で人気の「熟成肉」は、海外産の商品が多い傾向にありましたが、「同一都道府県のみ」になったため、熟成肉の返礼品が減る可能性があります。

今まで海外、または県外産の商品を取り扱っていた食品メーカーは対策をしていきましょう。

▼総務省の報道資料を確認する
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000113.html

ふるさと納税のルール変更で食品メーカーにどんな影響がある?

ルール改定で、食品メーカーにどのような影響があるのかまとめてみました。

食品の商品開発の幅が狭まる

「熟成肉と精米は同一の都道府県のみ」になると、商品開発の幅が制限されます。

外国産の肉を加工した熟成肉や、他の地域で生産された精米が認められなくなるわけです。よって、今まで人気だった返礼品が無くなると懸念されています。

特に外国産の肉は、安価で加工に適しており、商品開発の主力ともいえる存在です。ただし、他の商品に関しては制限がないため、肉以外の商品開発も検討するといいでしょう。

寄付金額が上がり、よりお得な商品に目がいきやすくなる

「5割ルール」の厳格化により、今まで経費に含まれてなかった部分も考慮しながら、商品開発を進めなければなりません。しかし経費が高くなると、寄付金額も上がってしまう可能性があります。

すると消費者はお得感を得られず、他の商品に目移りするケースも。今まで人気だった商品であっても、「容量が減っている」「金額が上がっている」と思われると、人気が無くなってしまいます。

ふるさと納税のルール改定後に売上を落とさない5つの対策

食品メーカーは、ルール改定に合わせて対策を行う必要があります。

そこでルール改定後に売上を落とさないための対策を紹介します。

売れ筋の返礼品をチェックする

まずは、現時点での売れ筋商品をチェックしましょう。

例えば、魚介類を扱っているなら、ふるさと納税のサイトで魚介類ジャンルのランキングを確認していきます。

すると人気商品の共通点が見えてくるはずです。

例えば、9月時点の「魚介類・水産加工品ランキング」を見ると以下のような共通点が見つかりました。

  • ・いくらやホタテ、カニなど普段食べない高級商品が上位を独占
  • ・詰め合わせの大容量セットが人気
  • ・サッと食べられるネギトロの小分けパックが人気

これらを参考に、他社よりもコスパの良い商品を提供すれば、人気ランキングに食い込むことも可能です。

また金額だけでなく、「翌営業日に発送」「小分けパックで食べやすい」など、消費者にメリットを提示した商品もおすすめです。

楽天の検索窓でニーズを調査する

楽天のふるさと納税サイトでは、検索窓で商品を探すことができます。これを利用し、検索窓のサジェストを見ると、ニーズのある商品が見えてくるはずです。

サジェストは、検索したいキーワードを入力し、スペースを打ち込むと表示されます。

例えば「ふるさと納税 鶏肉」と楽天市場で入力すると

「ふるさと納税 鶏肉 小分け」

「ふるさと納税 鶏肉 もも」

「ふるさと納税 鶏肉 定期便」

「ふるさと納税 鶏肉 もも 4kg」

などのサジェストが表示されます。

サジェストは需要のあるキーワードなので、これを参考に商品作りをするのもおすすめ。この場合「小分けの鶏もも肉を定期便にする」という商品を考えることができます。ぜひサジェストを活用して、商品作りに活かしてみてください。

出品商品の魅力を上げる

商品の魅力が上がれば、自然と人気が出てきます。商品名やキャッチコピー、内容など、あらゆる部分を見直してみましょう。

そして最近人気なのが「食べ比べセット」です。

食べ比べは、いろんな商品を試せるので、ふるさと納税でも人気が上がりつつあります。

「今日はどれを食べよう」「一番美味しいものを決めよう」など、家族でワイワイ楽しみながら食べられるのもメリット。よってファミリー層を狙って、食べ比べセットを開発するのもありかもしれません。

より強くご当地感を演出する

ルール改定により「熟成肉と精米は同一の都道府県のみ」「地元の特産品の価格は全体の7割以上」となります。よって今後は、よりご当地感を演出した商品が重要視されるでしょう。

例えば、アジの水揚げ量日本一の長崎県松浦市は「アジフライの聖地」として売り出しています。すると海鮮好きの人は「名産地のアジフライを食べてみたい」と思ってくれるはずです。

よって今後は、より地元の魅力を伝えられる商品開発を進めていくといいでしょう。

参照:ふるさとチョイス

商品の見た目や写真の映えを意識する

ふるさと納税は、実際の商品ではなく、特設サイトの商品を見て選ばれます。よって商品画像の見栄えによって、購入率が大きく変わります。

画像はテキストよりも多くの情報を伝えられるため、最も力を入れなければならない部分です。特に食品は「美味しそう」と感じてもらえるシズル感が重要となります。

例えば、楽天ふるさと納税では、特定の商品を検索すると、多くの競合がヒットします。その中からクリックしてもらうには、美味しそうに見える画像を用意し、ユーザーから注目を集めなければなりません。

楽天ふるさと納税の売れ筋商品まとめ

楽天ふるさと納税のランキング上位の商品をピックアップし、人気の理由を考察してみました。

北海道産 冷凍ホタテ 貝柱(北海道別海町)

■画像引用元:楽天ふるさと納税(https://item.rakuten.co.jp/f016918-betsukai/be018-0054/?s-id=rk_pc_furusato_sub_all100

北海道別海町「北海道産 冷凍ホタテ 貝柱」は、ふるさと納税楽天ランキングで1位を獲得した実績のある人気商品。栄養豊富な北海道の海で育ったホタテは、「甘さ」と「旨味」が桁違いと評判です。その品質の高さから、首都圏のお寿司屋さんや高級レストランで提供されています。

また「発送時期が選べる」「最短3営業日以内発送」など、消費者に配慮した取り組みもポイント。北海道産のホタテは、昔から人気のある商品ですが、こういった小さな配慮が人気の秘密といえるでしょう。

参照:楽天ふるさと納税

鉄板焼ハンバーグ デミソース 20個(福岡県飯塚市)

■画像引用元:楽天ふるさと納税(https://item.rakuten.co.jp/f402052-iizuka/10000315/?iasid=07rpp_10095___en-lmzl6uq4-80-4e4614e2-e21c-4517-b39f-2d8e904e4ab2

福岡県飯塚市「鉄板焼ハンバーグ デミソース」は、惣菜ランキング、総合ランキングで1位を獲得している人気商品です。

人気の秘密は、1個ずつ小分け包装し、すぐに食べられる点。湯煎するだけなので誰でも簡単に調理できます。

また「レビューを書くと3,000名様にドリップコーヒー20パックプレゼント」などの特典も用意。消費者がお得感を得られる内容となっています。

寄付金額が上がったとしても、このようなお得感を演出できれば、人気商品として安定した売上を立てられるでしょう。

参照:楽天ふるさと納税

天然まぐろたたき 80g×12パック(静岡県焼津市)

■画像引用元:楽天ふるさと納税(https://item.rakuten.co.jp/f222127-yaizu/a10-827/

「天然まぐろたたき」は、海産物が有名な静岡県焼津市の返礼品です。

天然まぐろを厳選し、鮮度の良いものだけの解凍せずにカット。注文が入ってから製造されるため鮮度は抜群です。余計なものは加えず、天然まぐろ本来の味わいを楽しめます。

こちらの商品の魅力は、小分け包装でトレイに入っている点。解凍後、すぐに食べられるため、使い勝手が良いと評判です。

レビューを見ても「個包装で使いやすい」という声が多数あります。よって個包装の需要は高いといえるでしょう。

参照:楽天ふるさと納税

生活応援! 大満足 豚肉 バラエティ セット 4.5kg(宮崎県宮崎市)

■画像引用元:楽天ふるさと納税(https://item.rakuten.co.jp/f452017-miyazaki/m132-064/

宮崎県宮崎市では、豚肉の大容量パックを返礼品として提供しています。宮崎県産の豚肉を中心に、国産のミンチやハンバーグなども入っています。

また、お得なだけでなく

  • ・個包装
  • ・チャック袋
  • ・レビューで追加のプレゼント

などのメリットも提示。ファミリー層から圧倒的な支持を得ています。

大容量なだけでなく、個包装で使いやすさも重視した商品は、今後も生き残っていくでしょう。

参照:楽天ふるさと納税

ふるさと納税の新ルールを理解して商品開発に活かそう

今回は2023年10月から実施される、ふるさと納税の新ルールについて解説してきました。ルール改定により、今まで売れていた商品であっても、対策を打つ必要があるとわかりました。今後は商品開発を含め、商品の打ち出し方も考えていく必要があります。

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ショクビズ編集部

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