九州在住の男女を対象とした「食品購入動向アンケート調査」

公開日:2023年9月1日

フードビジネスの情報サイト「ショクビズ!」(https://shokubiz.com/)では、このほど、九州在住の20~60代男女を対象にした食品購入動向アンケート調査を実施しました。

これによると、食品の購入場所・購入品目として、「食品スーパー」(88.8%)・「生鮮食品」(75.7%)が他項目に比べて圧倒的に利用率・購入率が高く、人々の食生活の中心となっていることが分かりました。また、「ドラッグストア」の利用率では、ドラッグストア店舗数が九州各県では最も少ない(※)大分県の利用率が57.2%ともっとも高く、他方、店舗数が多い福岡県の利用率が36.1%ともっとも低い結果となりました。「百貨店」の利用率でも大分県は4.8%と第1位。大分県は「食品スーパー」の利用率では最下位だったことから、他県に比べて食品スーパー以外の店舗を広く利用する傾向にあるようです。※総務省経済統計および人口統計より算定

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調査概要 調査対象:九州在住の20~60代の男女
調査日 :2023年6月
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:2000人

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「ドラッグストア」は店舗が少ない大分が1位

食品の購入場所として最も多かったのは「食品スーパー」(88%)で、次いで「ドラッグストア」(41.7%)、「コンビニ」(37.5%)となりました。消費者にとって「スーパー」は日常生活に欠かせない店舗となっており、「ドラッグストア」「コンビニ」「ディスカウント店」などを状況によって使い分けている様子が伺えます(表1)。

男女で大きな差がみられたのは、「コンビニ」と「配達・宅食」。「コンビニ」の利用率は女性が29.2%だったのに対して男性は45.8%と半数近くが日ごろからコンビニを利用していることが分かりました。また、「配達・宅食」は全体的に利用率が低かったものの、男性3.4%に対して女性は7.4%と高い結果となりました。年代別では「ドラッグストア」の利用が最も多かったのが47.3%の30代。20代の31.7%と比べて15ポイントほど高くなりました。

「ドラッグストア」はエリア別でも差異が現れました。10万人当たりの店舗数が九州各県では最も少ない大分県の利用率が57.2%と最も高く、一方、店舗数が多い福岡県が36.1%ともっとも低くなりました。また、「百貨店」の利用でも大分県は4.8%ともっとも高い一方で、店舗数が最も多い鹿児島県は1.5%の利用にとどまりました(表2)。

(表1)食料・食品はどこで購入しますか?(3つ選択)

 

(表2)県別「ドラッグストア」「百貨店」利用率

 

圧倒的に「レトルト」を利用する宮崎

よく購入する食品では「生鮮食品」(75.7%)が多く、「パン・おにぎり・お惣菜」(52.8%)も過半数を越えました。コロナ禍で冷凍技術の進歩や冷凍自販機の増加にともない3人に1人が「冷凍食品」(37.4%)を利用していることも分かりました(表3)。

年代別で特徴的だったのは「冷凍食品」の利用率がもっとも高かった40代の40.8%。一方で20代は30.5%でもっとも低くなりました(表4)。エリア別では「生鮮食品」をもっとも購入しているのは長崎県で80.0%。「お弁当」「パン・おにぎり・お惣菜」をもっとも利用しているのは佐賀県。また、「レトルトやインスタント系」をもっとも購入するのは宮崎県で46.9%と圧倒的な利用率となった。

(表3)よく購入する食料・食品は?(3つ選択)

 

(表4)年代別「冷凍食品」利用率

 

「催事イベント」を望むのは大分と長崎

近くにあって欲しいお店の上位は「出来たてのお弁当やお惣菜が購入できるお店」(52.4%)、「新鮮な地元の生鮮品が購入できる直売所や販売イベント」(37.7%)、「家飲みおつまみがテイクアウトできる店舗や飲食」(33.8%)となりました。日ごろ、スーパーで生鮮食品を購入する層が多いことから、要望としては時短で食べられるお弁当やお惣菜のニーズが高いことが伺えました(表5)。

エリア別では「出来たてのお弁当やお惣菜が購入できるお店」をもっとも求めていたのが宮崎県で61.9%。宮崎県は「24時間の冷凍食品自販機」の要望も21.8%と他県より多くなりました。「全国のグルメが購入できる催事イベント」は大分県(36.1%)と長崎県(33.9%)が他県に比べて突出して高く、「移動スーパーによる出張販売」は宮崎県(10.2%)と長崎県(9.1%)が高い結果となりました(表6)。

(表5)近くにあったら嬉しいお店は?

 

(表6)県別「近くに合ったら嬉しいお店」

 

 

同じ九州でも県別で異なる購入スタイル

今回の調査は九州7県に絞って行っていますが、同じ九州でも消費者の食品購入スタイルが大きくことなることが分かりました。社会情勢や食品トレンド、技術革新のほか、地域特性や文化などによっても、県別、年代別で変化が出てくると思われますので、今後も定期的に定点で調査を行っていきたいと思います。