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スーパーマーケットのゾーニングとは
スーパーやアパレルショップなどの「小売店」におけるゾーニングには、主に「レイアウト」と「商品陳列」があります。 スーパーにおける「レイアウト」では、来店者が通る通路の幅や動線をどう取るか、商品をどうカテゴリー分けして、どのような並びで配置するかを決めます。 具体的には、店内で主要な売場に誘導するための主通路と、主通路に対する脇道をサブ通路と言います。 店内を満遍なく歩いて買物をしていただくのが理想ではありますが、全ての来店者が理想通りの行動をしてくれるわけではありませんので、主通路には特におススメしたい商品を陳列し、サブ通路には日用品など定番商品を陳列するのが一般的です。 一方、「商品陳列」では、カテゴライズされた商品を縦配置・横配置どちらの方法で並べる方が売れやすいか、どの商品と隣接させれば効果的な売り上げが期待できるか等を考えて陳列するかを決めていきます。陳列方法として「ゴールデンゾーン」「バーチカル陳列」「ホリゾンタル陳列」があります。 消費者の行動分析などから集客効果が高い立地を探し当てるエリアマーケティングが進化しています。こうした技術やツールを駆使して好立地物件に店舗を構えたものの、売上がイマイチ伸びない--。このような悩みを抱えている小売店は「ゾーニング」に問題があるかもしれません。最近では新型コロナウイルス感染症対策でも注目されている「ゾーニング」について、基礎知識や小売店で求められる対策等について紹介します。
ここでは、主に小売業におけるゾーニングに着目し、その中でも特に食品スーパーなど小売店のゾーニングについて考えてみたいと思います。
店舗におけるゴールデンゾーンとは
「ゴールデンゾーン」は食品スーパーでは最も目に止まりやすく、手が届きやすい場所のこと。ここには新商品や季節ものなどの重点商品、セール品を並べるのが一般的です。 具体的には、人の首の下からお腹の上までの間で、概ね床から110~140センチの高さの陳列エリアがゴールデンゾーンと言われています。なお、子どものゴールデンゾーンをもう少し低い位置になります。これ以外のエリアでもゴールデンゾーンはあります。それが、上の段に比べて飛び出している奥行きのある一番下の棚。飛び出した部分に商品を陳列することで目に留まりやくなり、遠く離れていても目立つのが特徴です。 これ以外の代表的な陳列形式としては、バーチカル(垂直)陳列、ホリゾンタル(水平)陳列があります。 「バーチカル陳列」は、縦方向にカテゴライズされた商品群を並べる陳列方法。顧客の目の流れを縦に切るため商品が目にとまりやすく、どの商品群もゴールデンゾーンに陳列されることが多く、顧客との接触機会が多いとい陳列方法です。 「ホリゾンタル陳列」は、横方向にカテゴライズされた商品群を並べる陳列方法で、顧客の目線を横に切るため売場全体が見渡されやすく、ゴールデンゾーンに入る商品群が特定されるため売り場を印象付けやすいという特徴があります。
認知から購入まで消費者心理を示す「AIDMAの法則」
「AIDMA(アイドマ)」とは、消費者心理のプロセスを示した略語です。Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字をとって「AIDMAの法則」と呼ばれています。 食品スーパーにとっては、消費者が商品を認知してから購入に至るまでの心理プロセスを段階的に示しており、基本的にはこのAIDMAの法則を意識したゾーニングを行います。 AIDMAの法則 1.Attention(注意) 商品を知らない段階。 認知向上を目指すために、広告訴求、売場・パッケージの工夫など目を引く工夫を行います。 ↓ 2.Interest(関心) 知っているが興味がない段階。 有益な情報を提供するために、売場・フードパッケージの工夫や、歳時の喚起・健康訴求・流行の提示などを行います。 ↓ 3.Desire(欲求) 興味はあるが欲しいと思っていない段階。 ニーズを喚起するために売場・フードパッケージの工夫など、商品のメリットを訴求することが必要です。 ↓ 4.Memory(記憶) 欲しいと思っていたことを忘れている段階。 動機を思い起こさせるために、売場・フードパッケージの工夫など、心に響かせる工夫が必要です。 ↓ 5.Action(行動) 動機はあるが買う機会がない段階。 購買しやすい環境を提供するために、売場の整備・顧客ニーズに合わせた品揃えなど、消費者の手間を最小限におさえた購入環境を提供することが大切です。
ゾーニングの善し悪しは店舗や立地により異なる!?
商品スーパーなどの小売店で売上を上げるためには、こうした消費者心理を考慮した上で、最適なゾーニングを考える必要があります。 ただし、ゾーニングの考え方は店舗の規模や立地、品揃え等、あるいは季節や天候でも異なるのが現状です。 来場者の属性から、行動パターン、売れ筋商品の分析、近隣の小売店の状況等、様々な角度から情報を蓄積して、最適なゾーニングを検討してみましょう。
様々な業種で行われるゾーニング
今回は小売店の中でも食品スーパーに焦点を絞ってゾーニングについて解説しましたが、食品スーパー以外の小売店や、小売店以外の分野でも「ゾーニング」の考え方は根付いています。その他の分野のゾーニングについても簡単に解説します。
コンビニエンスストア
コンビニの定番としては、店舗の出入口の窓際に雑誌などの書籍類を配置しますが、雑誌を立ち読みしたり選んでいる来店者が外から見えることで、その他の顧客が入店しやすくなる効果が期待できます。 コンビニで需要が高い飲み物は、店内の一番奥に設置することで、飲料にたどり着くまでに他の商品を認知してもらう機会を増やす狙いがあります。
アパレルショップ
ファッション性やデザインを重視するアパレルショップでは、まずは店舗全体の印象が大事です。 商品単体ではなく、店舗の雰囲気も含めてブランドを認識してもらうためです。売り場では商品が目につきやすく、かつ手に取りやすいように配置します。出口を分かりやすくするのも安心感を与え、気軽に立ち寄ってもらえるという効果が期待できます。
飲食店
飲食店の基本は、入店から退店までの間、顧客が快適にすごせるような工夫が必要です。 座りやすいイスやテーブルの位置から、会計がスムーズにできるレジの位置、他人と通路でぶつからないような安全な空間づくりも重要です。トイレの使用頻度が高い居酒屋ではトイレの位置もポイントです。このほか、家族用、友達用、カップル用などを想定した席を設けておくとリピーターの獲得も期待できます。
感染対策
昨今、新型コロナウイルス感染症対策として注目されたのが医療現場におけるゾーニング。新型コロナウイルスに限らず様々な病原体の対策で用いられます。 基本的には主に医療機関内の空間を、病原体に汚染されている区域(レッドゾーン)と汚染されていない区域(グリーンゾーン)を明確に分けることです。その上で汚染区域は可能な範囲で狭く設定することで、空間が汚染され場合の清掃消毒の負担を最小限にとどめます。 ナースステーションは原則として清潔区域とし、個人防護具の着用と脱衣は別の場所で行います。医療従事者が汚染区域に入る際は個人防護具を着用し、清潔区域では汚染されやすい部位を中心として頻繁に清掃消毒を行うことで、感染拡大を予防します。
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ゾーニングの見直しは専門家やメーカー等に相談を
ゾーニングの最大の目的は、お客様が必要な商品をストレスなく購入できる導線や陳列を実現すること。その結果として売上につながります。 食品スーパーの場合は、オープン時や改装時に主通路の検討および見直しが行われることが多く、主に店舗運営会社と什器などの設備メーカーで企画します。陳列については都度、変更を図っていきます。 場合によっては、店舗運営に詳しい専門家やコンサルタントにお願いしたり、陳列については他店の状況に詳しい包装資材業者から情報を得るのも良いでしょう。 集客数や売上の推移を見ながら、よりお客様に寄り添った導線や陳列となるよう、定期的に見直すことをおススメします。
この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上