ワクチン休暇を実現する「働き方改革推進支援助成金」とは? | ショクビズ!

“ワクチン接種のための特別休暇”を実現する、働き方改革推進支援助成金

公開日:2021.05.25 更新日:2024.10.16
ライター:ショクビズ編集部

「ワクチン接種のために特別休暇を設けたいけど、休暇中の労働力や生産性が心配・・・」。そんな経営者の悩みを解消できるかもしれない助成金が注目されています。

特別休暇導入など働き方改革を後押しする助成金

全国各地で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、依然として、多くの食品事業者がコロナ禍で厳しい状況が続く中、新型コロナウイルス感染症対策の切り札ともいえるワクチン接種も始まりました。

自社の従業員にも一日も早くワクチン接種をしてもらいたいと考える経営者は多く、ワクチン接種のために特別休暇を設ける企業も増加傾向にあります。

しかし一方で、中小企業は少ない人数で工場等を稼働しているケースが多く、ワクチン接種とはいえ、有給で現場を離れられると困ると考える会社も少なくありません。

そこで注目されているのが、働き方改革推進支援助成金の「労働時間短縮・年休促進支援コース」。

特別休暇の導入や労働時間の縮減、年次有給休暇取得の促進に取り組む中小企業を対象に、生産性を向上させるための設備等の費用を助成する制度で、まさに特別休暇の導入を後押しする助成金といえます。

4月1日より受付が開始された今年度の働き方改革推進支援助成金には4つのコースが用意され、その一つが「労働時間短縮・年休促進支援コース」。それ以外には、「勤務間インターバル導入コース」「団体推進コース」「労働時間適正管理推進コース」もあります。

「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、生産性の向上を図ることで働きやすい職場づくりを実現するのが目的。成果目標に設定されている特別休暇としては、ワクチン接種など新型コロナウイルス感染症対応のための休暇のほか、病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇などがあり、また、特別休暇以外でも、時間外労働の縮減や、時間単位の年次有給休暇制度の導入も対象となります。

こうした制度の導入により縮減された労働力を補うための、設備や機器類の導入、外部専門家によるコンサルティング、研修、人材確保等の取り組みに対して、最大100万円が助成される仕組みです(※「成果目標」によって最大金額は異なります。詳しくは厚生労働省の公式ホームページをご確認ください)。

※働き方改革推進支援助成金「労働時間短縮・年休促進支援コース」公式ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120692.html

業務効率化を可能にする設備等に最大100万円

具体的には以下のような設備等が想定されます。

  • POS装置を導入して在庫管理の負担を軽減(食品スーパー)

  • 自動食器洗い機を導入して食器洗いの負担を軽減(飲食店)

  • 携帯型の成分分析計を導入して作業所と事務所間の移動時間を削減(製造業)

  • 自動包装機を導入して手動で行っていた包装業務を効率化(食品工場)

業務の効率化で働きやすい職場環境をつくることができる助成金ではありますが、従業員に働きやすい会社と認識してもらうこと自体も、従業員のモチベーション向上につながり、結果的に生産性にも良い影響を与えます。

働き方改革推進支援助成金の交付申請期限は、2021年11月30日まで。ワクチン接種をはじめとする特別休暇や、時間外労働の削減をに取り組もうと考えている経営者の方は、この機会に検討されてみてはいかがでしょうか。

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記事:株式会社丸信 補助金コンサルタント・福永晃大

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