令和6年度補正予算「ものづくり補助金」の概要について | ショクビズ!

令和6年度補正予算「ものづくり補助金」の概要について

公開日:2025.01.29 更新日:2025.02.10
ライター:補助金支援チーム

2024年12月17日、臨時国会にて令和6年度補正予算が成立しました。ものづくり補助金を含む、生産性革命推進事業も予算案通り3,400億円が計上されています。中小企業庁のHP上に、令和6年度補正予算でのものづくり補助金の詳細について発表があり、今回はその概要について変更点などを交えご紹介します。

※令和6年度補正予算の成立に伴い、2025年に実施される国の補助金の概要が明らかとなるものです。

令和6年度補正予算ものづくり補助金の概要

2024年12月17日、臨時国会における令和6年度の補正予算成立により、ものづくり補助金の継続が正式に決まり、その概要が発表されました。新たに発表された基本要件は、以下のとおりです。

① 付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加
② 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が地域別最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
③ 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
④ 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)

上記の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行が必要となります。

 
また主な変更点については、以下のとおりです。
令和5年度補正予算で実施された17次・18次公募と比較すると、要件②と④が変更されました。

②の給与支給総額の要件については、年平均成長率+1.5%から+2.0%へ引き上げられています。

④については、18次公募で加点項目となっていた、一般事業主行動計画の公表が、従業員21名以上の事業者では必須要件となりました。ちなみにこの一般事業主行動計画は、従業員101人以上の企業に対し、その策定・届出、公表・周知が義務付けられている制度です。なお、新たに設けられた最低賃金引上げ特例適用事業者について、「基本要件は①、②、④のみとする。」となっています。
 
この最低賃金引上げ特例は補助率2/3への引上げ実施が可能となり、「指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いること」が要件となっています。

▶︎参照サイト:(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_mono_summary.pdf

 

申請枠について

今年の申請枠は2つの枠のみに変更されました。概要は以下のとおりです。

製品・サービス高付加価値化枠

新たな製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援する枠(通常枠)と想定されます。

この製品・サービス高付加価値化枠は、18次公募では通常類型と成長分野進出類型(DX・GX)とに分かれ、補助金額や補助率も異なっていましたが、19次公募では類型の区分がなくなりました。また従業員規模区分が見直され、これまで21人以上が一律だったところ、21~50人、51人以上という区分に分けられ、補助上限額もアップしました(以下の表を参照)。

グローバル枠

海外事業を実施し、国内の生産性を高める取組みに必要な設備・システム投資等を支援する枠と想定されます(以下の表を参照)。
※以下表は大幅賃上げ特例適用後の上限額

※大幅賃上げ特例:下記①②両方の達成で、補助上限額を100万円~1,000万円上乗せ

①給与支給総額の年平均成長率+6.0%増加
②事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上の水準

17次、18次で新設されたものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠は、今回のものづくり補助金の概要の中に記載がありませんでした。この枠がなくなったことについては、令和5年度補正予算で新たに創られた中小企業省力化投資補助金の中に一般型という枠が新設されたことを受け、この補助金で支援されることが想定されます。

▶︎参照サイト:(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/shoryokuka.pdf

 

収益納付不要に変更

収益納付とは

ものづくり補助金では、事業完了後の事業化報告が5年間義務付けられています。

これまでの公募要領には以下のように記載されています。「事業化状況の報告から、本事業の成果の事業化又は知的財産権の譲渡又は実施権設定及びその他当該事業の実施結果の他への供与により収益が得られたと認められる場合には、受領した補助金の額を上限として収益納付しなければなりません(事業化状況等報告の該当年度の決算が赤字の場合は免除されます)。なお、令和元年度補正以降にものづくり補助金を活用したことがある事業者で収益納付実績がない事業者については、減点を実施します。」とあります。

 
このように収益納付については、厳格な措置がとられていました。そもそも国から受け取ることができる補助金は返済がいらないのでは、と考える事業者の方も多いかと思いますが、国民の税金等が原資となっている補助金は、適正に用いられて運用される必要があるため、ものづくり補助金に限らず、補助金毎に事業化状況報告書等での報告が義務付けられています。その報告により、補助金の活用によって直接的な利益が生じた場合には、収益納付が求められます。
 
しかし、今回、令和6年度補正予算で実施されるものづくり補助金では、その概要に「収益納付を求めない」と記載があります。この変更に関しては、国の政策として、「中小企業事業主の方々に補助金を活用して事業を成功させ、得られた収益を労働者の賃金引上げなどに活かしてもらいたい」という意図があるかのようにも思えます。従って、2025年からの採択事業者は収益納付という煩わしさがなくなり、より事業の成功に注力できると思われます。補助金を上手に活用しながら、事業拡大への加速化が期待できます。
 

ものづくり補助金19次公募のスケジュール予想とまとめ

ものづくり補助金19次公募スケジュール予想

令和6年度補正予算のものづくり補助金の概要では、19次公募のスケジュールについて記載はありませんでした。中小機構のHPでは、現在ものづくり補助金事務局の募集について公開されています。公開されている資料には令和6年度補正予算交付金による補助事業実施期間は、令和7年1月23日~令和9年3月31日と記載があります。

▶︎参照サイト:(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/shoryokuka.pdf

このことから、令和6年度補正予算に基づくものづくり補助金は、18次で実施された今年度末までに補助金受給を完了させる単年度予算でのスケジュールではなく、16次公募以前のものづくり補助金と同様、事業実施期限が交付決定後から10か月以内になるのではないかと予測されます。さらに、この期間に、公募が複数回実施されることも予測できます。また19次については以下のようなスケジュールが想定されます。

・公募要領公開時期:2025年1月下旬
・電子申請受付開始:2025年3月上旬
・電子申請締切:2025年3月下旬
・採択発表:6月下旬 

まとめ

令和6年度補正予算の成立に伴い、2025年に実施される国の補助金の概要が次々と明らかになっています。

▶︎参照サイト:(https://www.smrj.go.jp/procurement/solicitation/pg85um00000011gk-att/20241216_kobo04_01.pdf

今後ものづくり補助金の要件やスケジュール等の詳細については、公募要領が公開されるのを待つ必要がありますが、この補助金のご活用をお考えの事業者の方々においては、想定される必要書類の確認、事業計画の素案作成など少しずつ準備を進めることをお勧めします。

 
また、直近で行われた18次公募の採択率は30%台と、ここ数年では最も低い採択率となり補助金審査が厳格化している可能性があります。申請に向けては、加点項目の取得や、申請する補助金の目的や指針に合わせ、より説得力の高い事業計画を作ることが重要になると考えます。
 

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補助金支援チーム

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