小売業向け値上げ対策事例をご紹介!食品包装資材のスペック見直しでコスト削減

公開日:2022年5月31日 最終更新日:2022年9月16日

世の中のあらゆる物やサービスの価格が高騰しています。原油高にともなう物流費や燃料費の高騰をはじめ、人材不足、コンテナ不足、半導体不足、円安、コロナ禍の供給制約などにより、もともと値上げ傾向だったところにウクライナ情勢やロシアの資源問題等で、さらなる価格高騰が予測されています。食品業界でも値上げの動きは加速しており、「過去に例を見ない値上げ幅」と嘆く声も聞かれます。食品は、食品原料のみならず包装資材やパッケージなど多くが値上げとなっており、従来通りの内容量・資材を使い続ければ値上げは避けられない状況です。しかし、今回の値上げラッシュを機会に、食品の内容量や使用する資材を見直す動きが加速しています。ここでは、特に食品スーパー食品メーカーで多用されてい包装資材やシール・パッケージについて、コスト削減につながるスペック見直しアイデアやポイントについて解説します。 

【事例1】ラベル・シールは経済ロットで単価を抑える 

食品に使用する包装資材では多くのシール・ラベルが利用されています。パッケージやシールの見直しポイントの一つが経済ロット。まずは現在、発注している資材が経済ロットになっているかを確認してみましょう。もし、経済ロット以下の小ロットで発注されているようでしたら、数量を増やして経済ロットで作ると、シール1枚当たりの単価が抑えられる可能性は高くなります。特に、売れ筋商品やロングセラー商品など継続的な販売が見込める商品では、値下げ幅が小さくても、年間のボリュームで見ると大きなコスト削減効果が期待できます。 

【事例2】ラベル・シールは粘着剤の粘度を見直し

シールは「粘着剤」を見直すこともコスト削減につながります。これまで強粘着で作っていたシールが、実は通常粘着でも十分、というケースは少なくありません。冷凍・冷蔵なのか、常温品なのか。また、売り場はシールを貼る対象物や保管する温度帯、使用状況などの条件に合わせて最適なスペックを探ってみてください。粘着剤以外にも、高級感のある箔押しを「擬似金印刷」(銀ホイル紙に黄色を印刷)に変更したり、刃型を使わない「レーザーカット加工」を活用することも資材のコスト削減につながります。 

【事例3】食品トレーのサイズや絵柄を変更 

食品スーパー飲食店のテイクアウトで利用されるお弁当屋やお惣菜を乗せる食品トレーの見直しもコスト削減のポイント。絵柄のついたお弁当用トレーでは、縦・横をそれぞれ5mm小さくするだけで10%近いコスト削減を実現できる可能性があります。また絵柄をシンプルなデザインや無地に変更することでも費用を抑えることが可能です。お弁当やお惣菜の場合は、包装資材の見直しに合わせて、食材の容量や品数などを見直してみても良いでしょう。 

【事例4】クラフトテープの巾や加工を見直す 

食品スーパー、食品工場など食品事業者の多くがあらゆる現場で使用しているクラフトテープ。年間で見ると相当数を使用されているのではないでしょうか。クラフトテープで見直すポイントの一つは巾。例えば巾を50mmから45mmに変更すると1巻あたり約10%のコスト削減となります。箱の内容物によっては38mmで十分なケースもあります。 クラフトテープのもう一つの見直しポイントはラミネート加工。従来のラミネート加工のクラフトテープからラミネート加工をなくすことでもコスト削減できます 

【事例5】ポリエチレン袋の厚みを落とす 

食品メーカーで使用していたポリエチレン袋(PE袋)が大幅値上げとなりました。そこで、厚みを従来品の30μから20μに薄くした結果、コスト削減につながりました。従来品より薄いことから、費用面以外でも保管スペースの削減や焼却時のCO2削減にも貢献することができます。ただし、厚みを変えることで破袋やピンホール等の恐れや賞味期限等に影響が及ぶ恐れがあるため、切り替えの際は強度テストも必要です。 

 

ここで紹介させていただいたコスト削減方法は一例です。スペックや原紙、ロット数等によっては値下げできない場合もございますが、まずは現在使用されている資材が適正なスペックとなっているか見直しされてみてはいかがでしょうか。もしかしたら過剰スペックで使用されている場合があるかもしれません。気になる方は、まずは現在、お取引されている資材会社にお問い合わせしてみてください。 

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