ECカートシステム・ECモールの違いとそれぞれの得意分野を解説!食品通販を始めたい方必見!

ECカートシステム・ECモールの違いとそれぞれの得意分野
公開日:2022年9月9日 最終更新日:2022年9月16日

2019年から現在まで、コロナウイルスの蔓延によって経済の動きが大きく変化しています。
外出自粛の動きにより、実店舗のみで運営していた食品製造会社や飲食店は大打撃を受けました。
一方で、ECサイト(通販サイト)を立ち上げることによって経営難を脱却したり、売上を大きく伸ばした企業も目にします。

実際、ECサイトを始めたいという食品メーカーや飲食店はここ数年で激増しましたが、始めたいけれども何から始めたら良いかわからない、という企業が多いのも実情です。
何もわからないまま会社に合わないシステムを導入してしまえば、決して安くはない費用を無駄にしてしまう可能性もあります。
まずは「どんなECサイトが自社に合っているか」を考える必要があります。

ここではまず、ECサイトを始めるにあたって、ECモールとECカートシステムの違い、コストの比較についてご紹介したいと思います。

ECモールとは

ECモールとは、イメージとしては大型ショッピングモールの中にテナントを借りて商品の販売を行うものになります。 代表的なものとしては、楽天市場、yahooショッピング、Amazon等がこれにあたります。

ECモールのイメージ。モールの中にはお店がたくさん入り、お客さんもたくさん集まります。

ECモールの特徴、メリット・デメリット

・膨大なユーザーを抱えるモールに出店する形なので集客力が高い
・テンプレートがあるため手軽にショップを始められる
・ユーザーから見て信頼性が高いため購入に繋がりやすい
サポート体制が充実
・自社サイトの構築に比べ初期費用が抑えられる
・顧客情報を自社で管理できない

 

モール型のタイプ別特徴

モール型の通販サイトにも大別するとマーケットプレイス型とカート型の2種類があり、マーケットプレイス型はAmazon、カート型は楽天市場やヤフーショッピングが該当します。

【マーケットプレイス型】ーAmazon
商品登録が容易にでき、商品管理・発送など多くの作業をモールに委託できるため作業コストをかなり抑えられます。
ただし、自社商品のページには他社の類似商品なども表示され、ショップよりも商品に重点を置いた見せ方になります。そのため自社の特徴を出すことはできません。
とにかく早く商品を出したい、個人で商品の売買を気軽に始めたいという方向きです。

【カート型】ー楽天市場、yahooショッピング
LPやメルマガなど、自社の特徴を出したビジネスが可能なタイプです。
テンプレートやサポートが充実しているため、初心者でもすぐに始められます。
また、既に膨大なユーザーを抱えているモールなので自力でいちから集客する負担がかかりません。
一方で、様々なオプションやサービスにかかる手数料が多数あるため、利益を出しにくいというデメリットもあります。
自社らしさも出しつつ、今いる人材でできるだけ早くビジネスを始めたいという方に向いています。
楽天市場で食品を出品している企業も非常に多く存在します。

 

ECモール別導入コストの比較

ECモールのコスト比較表

20228月現在]
その他にもオプションなどにより料金がかかるものがあります。

【費用シミュレーションページ】

楽天市場:https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_detail/

yahooショッピング:https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/cost/

 

ECカートシステムとは

ECカートシステムは、自社でネットショップを構築して開店・運営するものになります。 ECサイトに商品を表示し、ユーザーが選択して決済を行うまでの一連の注文処理を行うシステムで、イメージとしては路面に出した単独の店舗のようなものになります。
単独で運営されているお店には独特の雰囲気があり、ファンがついている印象があるのではないでしょうか。
それと同じく、ECカートシステムを利用して自社の特徴を前面に出したサイトを構築・運営することで、リピーターが増え、自社の理念や商品を世の中に広めていくことができます。
代表的なものとしては、MakeShop、カラーミーショップ、Shopifyなどがあります。

ECカートシステムを使ったサイトイメージ。オリジナリティを出すことができます。

ECカートの特徴、メリット・デメリット

ECサイトを自由なデザインで構築できる
・テンプレートがあるものもあり、比較的簡単に自社らしさを出せる
・システムをいちから作る手間なく通販サイトを始められるものもある
・顧客情報を自社で管理できる
・リピート率・利益率向上のための施策ができる
集客するための人材コストや知識が必要
・モール型でビジネスを始めるより、サイト構築のためのコストがかかる

 

ECカートシステムのタイプ別特徴

ECカートシステムにも様々なタイプがあり、国産SaaS型、海外SaaS型、パッケージ型、オープンソース型、無料ASP型、フルスクラッチ型があります。

【国産SaaS型】ーMakeShop、カラーミーショップなど
比較的簡単に自社の特徴を反映させたオリジナルのECサイトを構築・運営ができます。
テンプレートを準備しているものが多く、サポート体制も整っているため、オリジナルのECサイトを始めやすいです。自社でシステム開発をする必要がなくコストを抑えられます。

【海外SaaS型】ーShopify
アプリやデザインテーマが豊富で、自由にカスタマイズすることができます。
設定画面や問い合せ対応が英語のみの場合や、さまざまな会社が作るデザインテーマ・アプリがあるため正常に機能しないという問題が起きる場合もあるため、専門スタッフがいると安心です。

【パッケージ型】ーGMOクラウドECなど
ECサイトの運営に必要な機能があらかじめパッケージされた製品を開発会社から購入し、ECサイトを構築するタイプです。商品管理・在庫管理・売上管理などの機能がすでに実装されており、自社で準備したサーバーにインストールすれば、いちからシステムを構築せずとも通販サイトを始められます。
その分初期費用が高く、比較的年商が大きな企業で取り入れられています。

【オープンソース型】ーec-cubeなど
外部に公開されているソースコードを使用してECサイトを構築することです。このソースコードは誰でも無料で使用でき、商用・非商用問わず修正・改変して配布することも可能なため、初期費用を抑えられます。
その分、専門的な知識が必要となり、ドメイン取得やデザインやカスタマイズのための人的コストはかかります。

【無料ASP型】ーSTORESBASE
ASPとは、「Application Service Provider」の頭文字をとったもので、パッケージ型がクラウド経由で提供されるイメージのものになります。ECサイト構築のために必要なシステムをクラウドで提供しています。
手軽で初期費用を抑えられるため、個人で通販サイトを始めたい方にも利用される傾向にあります。

【フルスクラッチ型】ーユニクロ、ZOZOTOWNなどが導入
システム開発をなにもない状態から全て構築することです。
完全に自社にしかないECサイトを構築できる一方、開発期間は非常に長く、費用も莫大な金額がかかる手法になります。

 

ECカートシステム別導入コストの比較

ECカートシステムコスト表

20228月現在]

【機能一覧ページ】

MakeShop:MakeShop機能一覧

カラーミーショップ:カラーミーショップ機能一覧

Shopify:Shopifi機能一覧

GMOクラウドEC:GMOクラウドEC機能一覧

ec-cube:ec-cube機能一覧

STORES:STORES機能一覧

BASE:BASE機能一覧

 

ECモールECカートシステムの選び方

ここまで簡単にタイプ別の説明をしてきましたが、では自社にはどのタイプが合うのかと悩まれるかと思います。
自社の状況に合わせて以下をご覧いただき、検討してみてはいかがでしょうか。

①商品数が少ないが、低コストで通販を始めたい 
Amazon(マーケットプレイス型)への出店
商品の登録や管理が簡単で、通販サイト用に人員を割かずともAmazonへの作業委託によりすぐにビジネスを始められます。
とにかくリソースを割かずに始めるのにおすすめです。

yahooショッピング(カート型)への出店
初期費用・月額利用料・売上ロイヤリティが無料のため、コストをかなり抑えることができます。

 

②通販の専門知識を持つ人材がいないため、コストをかけてもサポートを受けながら通販を始めたい
楽天市場(カート型)への出店
ある程度の専門知識は必要ですが、サポートもあるので初心者でも出店が簡単に行えます。
初期費用や月額利用料などのコストは①に比べると大きくなりますが、いくつかのプランがあるため自社の状況に応じて選べばコストも抑えられます。恩恵として、圧倒的な集客力とサポート体制がありますので安心して始められます。

 

③自社らしさのある通販サイトを運営したいがコストは抑えたい
MakeShop、カラーミーショップ(国産SaaS型)
テンプレートが多数あるため、EC初心者でもオリジナルのショップを構築してビジネスを始めることができます。
サポートも充実しており、安心できます。
いちからシステム構築をしなくて良い分コストを抑えられます。

 

④個人で手軽に通販サイトを始めたい
STORSBASEminne(無料ASP型)などの導入
無料で始められるうえ、スマホだけでショップを始めることも可能な手軽さがあります。
ハンドメイド作家や農家など、今まで実店舗がメインだった個人事業主でも簡単に販路を広げられます。

 

⑤専門知識をもつ人材がいる、自社のブランディングを成功させたい
GMOクラウドEC(パッケージ型)、ec-cube(オープンソース型)などの導入
人的リソースを十分に確保できるのであれば、自社にしかない通販サイトをいちから構築・必要に応じてカスタマイズしていくことができます。

PCの前にカートのミニチュアがあるイメージ

食品のECサイト(通販サイト)を始めてみよう

今回は、通販サイトを始めたいときに考えうる選択肢として、ECモールとECカートシステムについて簡単にご紹介しました。

選択肢は多く、考えるべき点も多岐にわたります。何を売りたいのか、ショップの特徴を出した通販サイトにしたいのか、まずはコストを抑えて始めてみたいのかなど、自社の行いたいビジネスがどのようなものなのか一度よく考え、それを実現するためにはどれを使えば効率が良いかを検討してみてください。

また、以前ショクビズでは「食品通販を始める時に絶対に知っておきたい9つのポイント」として通販サイトを運営する上での注意点をまとめていますので、是非ご覧ください。

食品メーカー必見!食品通販を始める時に絶対に知っておきたい9つのポイント



次回はより詳しく、それぞれの特徴や導入のメリットについてご説明していきます。