コオロギ食(昆虫食)が世界の食料不足を救う!?栄養価の高さ、商品事例をご紹介します。
目次
世界の人口は増え続け、2050年には100億人に迫るといわれています。そこで問題となるのが、動物性タンパク質の不足です。タンパク質が不足すると、食糧危機などの問題に直面するといわれています。 そんな時に活躍してくれるのが、豊富なタンパク質を含んだ昆虫です。中でもコオロギ食が注目を集めており、さまざまな食品メーカーから商品が発売されています。そこで今回は、コオロギ食が注目を集めている理由やメリット・デメリット、おすすめ商品を紹介します。
コオロギ食が注目されている理由
コオロギ食が注目されている一番の理由は、家畜の代替食品になるからです。 国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、2050年には世界全体の肉の消費量は1.8倍に増加すると見込まれています。そのため、動物性のタンパク源を確保することが重要な課題です。 コオロギは昆虫の中でも栄養価が高く、タンパク質だけでなく鉄分やマグネシウム、カルシウムなども豊富です。実際に流通しているコオロギ粉末は、約60〜70%のタンパク質を含んでいます。肉よりもタンパク質の比率が高く、効率良く栄養を摂取できるのがメリット。また牛や豚などの家畜よりもエサの量が少なく、飼育が簡単なのも人気の秘密です。 そのため、多くの食品メーカーが注目し始め、商品開発も進んでいます。
コオロギ食のメリット・デメリット
コオロギを食品原料にするメリットとデメリットを紹介します。
コオロギ食のメリット
コオロギ食のメリットを解説します。
栄養価が高い
コオロギ最大の魅力は栄養価の高さです。タンパク質量は100gあたり約60g。牛肉や豚肉、鶏肉のタンパク質量は100gあたり20g前後なので、かなりの高タンパク質だといえます。このように、効率的に栄養を摂取できることから、コオロギ食は注目を集めているのです。
CO2排出の削減
コオロギ食はSDGsの観点から見ても優秀です。CO2排出の削減にもつながり、地球に優しい食べ物として評価されています。 例えば、牛の体重を1kg増やすのに必要な水の量は約1,500リットルです。一方コオロギは1kg増やすのに1リットルしか必要ありません。そのためCO2の排出を削減でき、環境負荷の少ないタンパク源になり得るのです。 特に最近はSDGsが重要視されています。コオロギ食を開発すれば、小さな会社でも取り上げてもらえるかもしれません。
高い汎用性
コオロギパウダーは高い汎用性を持っています。最近はコオロギパウダーを輸入し、日本で二次加工するメーカーも増えてきました。お菓子やパン、麺など、さまざまな食品が開発されています。パウダーさえ仕入れればいいので、小さい食品メーカーや飲食店でも活用ができます。
コオロギ食のデメリット
メリットの大きいコオロギ食ですが、デメリットも存在します。
コオロギ食は価格が高い
コオロギ食の需要はまだ少なく、供給量や流通量の問題で価格は高くなっています。需要が高まればコストは下がっていきますが、現時点では手が出しにくいのが現状です。 中小企業の参入は、需要がある程度増えてから、もしくは今のうちから参入して先行者有利を獲得しておくという手があります。現在の価格と将来見込める利益を考えて、参入のタイミングを図りましょう。
見た目や印象が微妙
「コオロギ」と聞いて、食べたいと思う人は少数派です。「昆虫を食べる」という行為に抵抗を示す人は多く、見た目も良いとはいえません。このような抵抗感から「普及しづらいのでは?」という声もあります。 ただしコオロギは粉末で流通していることが多く、見た目の問題は解決しています。食品に混ぜ込めば、そこまで抵抗なく普及するかもしれません。
アレルギーの危険性
コオロギには、エビやカニなどの甲殻類に含まれるトロポミオシンというアレルゲンが含まれています。しかし甲殻類のように、食物アレルギーを引き起こす可能性のある「特定原材料」には指定されていません。そのため、甲殻類アレルギーの人は注意が必要です。 またアレルギーを持っていない人でも、食べたことのない食品を口にいれると、アレルギー発症のリスクがあります。よって、コオロギの商品を開発する際は、アレルギーのリスクを十分に理解しておきましょう。
食用コオロギのおすすめ商品
最後に食用コオロギのおすすめ商品を紹介します。
無印良品 コオロギせんべい(生活雑貨)
■画像引用元:コオロギせんべい55g | 無印良品(https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550344162897) 無印良品では、コオロギパウダー入りの「コオロギせんべい」を販売しています。 使用されているコオロギは、沖縄や奄美大島に生息する「フタホシコオロギ」。徳島大学の研究で食用に適していると判断された個体です。徳島大学発のベンチャー企業と共同開発を行い、商品化にこぎつけました。 コオロギはエビに似た風味があります。コオロギが初めてという人でも、美味しく食べることができるでしょう。 また無印良品では「コオロギチョコ」も発売されており、今後も新商品の開発が進んでいくと予想されています。
株式会社MNH 未来コオロギシリーズ(食品メーカー)
■画像引用元:未来コオロギ(https://www.concricket.com/future) 株式会社MNHでは、コオロギ食の可能性に着目し「未来コオロギシリーズ」と呼ばれる商品を販売しています。コオロギ食のパイオニアとして業界を牽引する会社で、多くのコオロギフードを開発してきました。 コオロギパウダーを練り込んだスナックだけでなく、コオロギにそのまま味付けしたおつまみも発売しています。 SDGsの流れもあり「未来コオロギシリーズ」は注目を集めています。環境に優しい食品の開発は、今後の日本の未来にもつながっていくでしょう。
コオロギラーメン(飲食店)
■画像引用元:コオロギラーメン | ANTCICADA(https://antcicada.owst.jp/gallery) 東京都の日本橋馬喰町には「コオロギラーメン」を提供しているレストランがあります。 昆虫食を研究している篠原祐太氏が立ち上げたお店で「コオロギラーメン」と「地球を味わうコース料理」をメインに、さまざまな生き物の料理を味わえるのが魅力です。 名物のコオロギラーメンは、2種類のコオロギで出汁を取っています。ラーメン1杯に100匹以上のコオロギを使用し、コオロギ油、コオロギ練り込み麺など、細部にまでこだわっています。 飲食店のメニュー開発や、ブランディングの参考になる事例といえるでしょう。
コオロギ食を食品原料としてメジャーにしよう
SDGsの観点から、環境に優しい食品の開発に着手したい方もいると思います。世界では人口が増え続け、食糧難や水不足など深刻な問題が起こり続けているのが現状です。 それを解決するためには、商品の企画力が求められます。そんな時に、新商品のアイデアとしてコオロギ食を検討してみるのもいいでしょう。 ショクビズを運営する株式会社丸信では、商品企画のサポートやOEM商品を探せる食品開発OEM.jpを運営しています。これまでの経験や実績をもとに、食品メーカーや小売店向けの相談やサポートも承っておりますので、ぜひご活用ください。
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この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上