丸信はこれまで、認定経営革新等支援機関として国や地域の補助金の申請において、お取り引きのあるお客様のサポートを行ってきました。今回はメジャーなものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金に絞り、申請のサポートをさせて頂いたお客様の採択事例(事業計画名、取り組みの概要、導入した設備など)についてご紹介致します。これを参考に今後、申請をご検討されるお客様の一助になることを期待致します。
ものづくり補助金採択事例1
<事業計画名>
ギフトセット製造工程への上包機の導入による生産性向上
<取り組みの概要>
本事業では、ギフトセット製品の製造最終工程でボトルネックとなっている製品の包装作業へ設備を導入することで生産性向上を行うと同時に、作業効率化により発生する余剰人員をECサイト関連部門へ配置転換し売上増・収益増を図りました。また、ウィズコロナ・アフターコロナ時代のインバウンド観光客増を見据えて当社敷地内直売所(リアル店舗)での売上増・収益増も行いました。加えて、構想していた越境ECへの進出も画策し更なる増収増益、ウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換を図りました。
<補助事業に要する経費など>
[補助対象経費]1180万円
[補助金交付決定額]590万円
<導入装置などとその目的>
これまで、手作業による包装工程で品質のバラツキが発生し高品質な製品づくりを維持できませんでした。また手作業であるため作業者への負担が重く、作業時間が余分にかかり生産性が低下する要因になっていました。そこでこれらの課題に対応するため上包み包装機を導入しました。上包み包装機とは、お茶やお菓子、乾麺やカタログギフトなどが入った化粧箱を、紙で包装する機械のことです。
<設備導入による効果>
当設備購入によって、ギフトセット1箱分の上包に係る時間は3.3秒でした。
新設備の生産能力で、直近のギフトセット販売量を生産すると仮定(※)すると、これまで3人の労働者が必要であったところが、ほぼ不要(またはオペレーター1名による僅かな労働時間)で足りるようになりました。
(※)ギフトセットの年間販売約60000個・稼働日数は22日/月と仮定しています。また労働者1人あたり年間1063時間の労働が必要だったところが、年間48時間(機械メンテナンスなどに係る時間は除く)の機械の稼働で同数のギフトセットの作成が可能となる計算になります。
このように設備導入によって、これまで手作業に要していた労働が不要になり、余剰人員が発生しますが、この余剰人員をEC部門等の成長分野に配置転換することで、EC部門を強化し売上拡大を図ることが可能となりました。このことは、単純な「作業」から創造的な「仕事」(付加価値の高いビジネス)へと変わり、作業員のモチベーションが向上するという効果にもなりました。
ものづくり補助金採択事例2
<事業計画名>
佐賀牛をVSP包装し賞味期限延伸とフードロス削減を実現する
<取り組みの概要>
本事業では、一般トレーで提供している佐賀牛肉製品をVSP包装製品に切り替えることで賞味期限を延ばし小売事業の売り上げを拡大するためにトレーシーラー 手動機モデル New CV/VG-Sを導入しました。設備導入後、賞味期限の延伸の効果測定を行い、試験的に店舗で販売を行いました。
<補助事業に要する経費など>
[補助対象経費]1100万円
[補助金交付決定額]550万円
<導入装置などとその目的>
課題として、冷蔵商品は賞味期限が3~4日しかないため、ECサイトやふるさと納税返礼品で遠方のお客様に販売するには不向きであり、販売できる量も限られていました。また、賞味期限による牛肉の変色対策として肉の見栄えよく売り出すために、肉の周りの部分の見た目が悪くなっている部分を削って商品化していましたが、フードロスを発生させる要因となっていました。
これらの課題に対応するため、サーロイン肉等のVSP包装(※)という特殊包装を店内で行える環境を整備し、これまでより賞味期限が延び、かつ、見た目の良い冷蔵肉の提供ができる体制を整え他社との差別化を図りました。そのために「トレーシーラー 手動機モデル New CV/VG-S」を導入し、賞味期限の延びた見た目の美しい新商品の販売を画策しました。
(※)VSP包装とは、Vacuum Skin Packagingの略で、不定形で厚みのある内容物をトレーにシワ無く真空包装することが可能な包装形態や技術のことを言います。この技術を利用することで賞味期限の延伸や菌の繁殖の進行を大幅に遅らせることが可能となります。
<設備導入による効果>
購入したトレーシーラー 手動機モデル New CV/VG-Sの特徴は、「退色が始まるまでの期間が長くなる(賞味期限が延びる)」、「VSP包装で製品の見映えが良くなる」です。
これらを実証実験した結果、従来の方法でトレーにラッピングする方法で作った製品は製品化後10日目においては赤みが黒ずむように退色し始めていたのに対し、新しいラッピング方法で作った製品では製品化後10日が経過した後も赤みが保持されていることが確認できました。賞味期限について製品化後10日程度経過時まで美味しく食べられることを実現しました。また、VSP包装を製品化することで肉の立体感を演出する製品を作ることができ、見栄えの良差による付加価値を向上させることができました。
小規模事業者持続化補助金採択事例1
<事業計画名>
店内改装による個室化でコロナに負けない店舗づくりを!
<取り組みの概要>
本事業では、店内を改装し個室化や設備導入によって、コロナによる感染リスクを低減させる店づくりを行いました。また新メニューの開発を積極的に行い、LINE公式アカウントなどで発信しマーケティングを強化、コロナ禍での売上回復を目指しました。
<補助事業に要する経費など>
[補助対象経費]100万円
[補助金交付決定額]75万円
<導入装置などとその目的>
課題として、コロナによる緊急事態宣言下において営業時間の短縮を余儀なくされることで来店客が大幅に減少したこと、自治体からの要請により当面の間コロナ禍では酒類の提供時間が19時迄に制約されていることから、売上構成比の大部分を占めるアルコール類の提供ができなくなったことで売上が大きく減少しました。
そこでコロナに負けない店づくりを展開するため、店内を改装し対人接触機会を減少させる空間を作りました。従来は座敷のため靴を脱いで上がらなければならないため、足元からのコロナウィルス感染を防ぐことができていませんでした。そこで、座敷を止めて掘りごたつ形式のボックスの座卓形式に変更しました。
また、店内での空気感染を防ぐために空気清浄機を設置し感染防止対策を徹底しました(イメージ図参照)。さらに、無煙ロースターを制圧機能ある機種に交換し換気能力を向上させました。宣伝活動については、既存顧客にLINE公式アカウントで新メニューの宣伝・クーポン券発行などでアプローチし来店頻度を高める施策を実施しました。
<補助事業による効果>
個室化を実現することで福岡県感染防止認定制度の要件を満たせるようになりこれまで以上に感染対策を強化した店舗づくりが可能になりました。お客様は認定店かどうかをインターネットで検索して安心して来店できるようになりました。新規に固定の間仕切り・スライド式の扉を造作し個室化するため感染対策が実現できることはもちろん、喫煙室としても利用できるようになりました。喫煙しながらの飲食は近隣の大型チェーン店では実現できないため新規喫煙客の掘り起こしにつながりました。
店内改装では座席を掘りごたつ形式にしたので、足腰の悪いお客様や高齢者の方がご来店しやすくなりました。これまで焼肉店に行きたくても行けなかった地域の方々(特に高齢者)のニーズを満たすことに貢献しました。
小規模事業者持続化補助金採択事例2
<事業計画名>
脱毛サービス導入による新規顧客の獲得
<取り組みの概要>
本事業では、美容サービスの新たな取り組みとして、既存顧客への脱毛サービスを開始しました。既存顧客は美容意識の高い30~50代の子育て世代であり、満足度の高いサービスの提供を図りました。また、チラシの配布でそのサービスを地域のご家族(お子様など)にも共有し、世代を超えた顧客獲得につなげました。さらに新規顧客への宣伝活動で、SNS広告を実施しました。
<補助事業に要する経費など>
[補助対象経費]280万円
[補助金交付決定額]172万円
<導入装置などとその目的>
美容意識の高い既存顧客の要望に応えるため、新たなサービスとして脱毛を開始、顧客満足度の向上を図りました。具体的には新サービス導入のために、脱毛マシンを購入しました。選定、購入したのはDIMOの脱毛マシンです(イメージ図参照)。様々な脱毛マシンの中で、この装置はコストが比較的安く、照射サイズも豊富に選べ、脱毛以外にもシミ・シワ改善モードも選択できる複合型美容マシンとなっています。1ショットが低コストのため、全身脱毛が200円の低コストで提供できるのが特徴です。
また、新サービスのPR活動として、チラシを制作し、近郊地域に配布しました。顧客は30~40代女性が多く、小学生のお子様をお持ちの方も多いため、表面は大人向け、裏面は子供向けの脱毛のチラシを作成しました。さらに新規顧客への宣伝活動としてSNSを活用した広告に注力しました。近郊地域内を範囲対象指定し、広告から店舗への問い合わせへ誘導し集客を図りました。
<補助事業による効果>
脱毛サービスは、ニーズの高いサービスです。本格的に脱毛サービスを提供することで、既存顧客の方に利用頂け、売上アップにつながります。脱毛サービス開始のチラシは、スタッフの空き時間に、近郊地域を中心にポスティングやビラ配りを実施しました。女性が集まるカフェや飲食店に配置、集客を図りました。チラシは合計5000部配布、サービスの宣伝力アップにつながりました。
デジタル広告の戦略の検証を重ねる中で、リンク先を広告LPからInstagramDMのチャット画面へ変更、行動導線の短縮改善を行い、InstagramDMの問い合わせ予約2 件を獲得する結果となりました。これらのデジタル宣伝活動は今後本格的な運営を実施するための宣伝力アップにつながりました。
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