補助金の採択率アップができる経営力向上計画の認定 | ショクビズ!

補助金の採択率アップができる経営力向上計画の認定

公開日:2024.11.27 更新日:2024.11.26
ライター:補助金支援チーム

補助金の採択率を上げる方法として、補助金の加点という措置があります。今回は小規模事業者持続化補助金や事業承継・引継ぎ補助金など補助金の審査で優遇される経営力向上計画の認定についてご紹介します。

経営力向上計画の認定が補助金の審査で有利になる理由

 補助金の審査項目で、経営力向上計画の認定を受けている事業者に加点を行うと定めている補助金制度があります。令和6年度10月現在で、経営力向上計画の認定において、加点が行われている補助金は2つあります。

それが、小規模事業者持続化補助金事業承継・引継ぎ補助金となっています。

この認定を受ければ必ず補助金に採択されるということではないですが、補助金の審査は加点形式となっており、【基本項目】+【加点項目】によって点数が決められ、合格基準を超えた事業者だけが採択されます。

基本項目とは、事業計画などで申請書に記載すべき最低限おさえるポイントです。加点項目は、要件を満たせば、評価に関係なく必ず加点されるものとなっています。
従って点数の多い事業者から採択されるため、加点を取得すれば有利になるといえます。

ものづくり補助金の公式サイトでは、加点項目の取得数と採択率の関係性を示したデータが公表されています。

画像引用元:ものづくり補助金総合サイトhttps://shokubiz.com/?p=7974&preview=true

ものづくり補助金においては、最近の公募で経営力向上計画が加点項目から外れてしまいましたが、以前は加点項目として入っていました。このデータから、加点項目1個を提出した事業者の採択率は43.0%であったのに対し、加点項目4個を提出した事業者は、採択率が68.3%まで上がるという結果になっています。

加点項目が1個、2個増えるごとに、採択率も上がっているのが分かります。このように、補助金の審査で有利になるためにも、経営力向上計画の策定を同時に進めることは非常に有効な手段になると思われます。

 
 では、「経営力向上計画はどういう計画を作れば良いか」という点についてですが、この計画は人材の育成や、コスト管理等のマネジメントの向上、生産性や品質向上につながる設備投資など、自社の経営力向上を目的とした計画のことを指しています。所定の書式に従って計画書を作成し、その後国の認定を受けた事業者は、税金や金融の支援を受けることができます。

申請に必要な書類は3~5枚程度と比較的手軽に申請ができるものになっています。ただし、認定には審査がありますので自社の課題や取り組む内容を整理したうえで申請書類を作成することが重要です。
そのため計画申請においては、経営革新等支援機関のサポートを受けることが可能です。

以下、経営力向上計画の概要について全体像を示します。
図参照:中小企業庁/経営力向上計画 策定の手引き

 

経営力向上計画の認定を補助金申請に活用するための注意事項

補助金を申請する上で加点取得のため、認定を受けておきたい経営力向上計画ですが、そのメリットを受けるためには、補助金の申請より先に経営力向上計画の認定を受けておく必要があります。
従って、経営力向上計画の認定までにかかる時間と補助金のスケジュールを確認し計画的に準備を進める必要があります。                                                                        
 
経営力向上計画の認定には、申請書類を提出してから約30日かかります。また、経営力向上計画は電子申請で行います。この電子申請を行うために必要になる「GビズID」の取得には1~2週間かかります(オンライン申請の場合は最短即日発行が可能)。
 
つまり申請書類等の作成も含めると最低でも、1か月~1か月半はかかると考えておかなければなりません。そのために補助金の申請スケジュールを確認し、ある程度余裕のある計画で認定取得を行う必要があります。申請する補助金によって、いつまでに経営力向上計画の認定を受けていないといけないなどの決まりがあるため、その点についても注意が必要です。
 
小規模事業者持続化補助金の場合、直近の第16回公募要領には以下のように記載されています。
※第16回小規模事業者持続化補助金公募要領より抜粋

各受付締切回の基準日までに経営力向上計画の認定を受けていることが加点の条件となっています。
例えば、第16回(2024年5月27日申請受付締切)の場合の基準日は、2023年12月31日となっています(約5か月前まで)。

あらかじめ、いつ頃新しい取り組みを実施したいのか、そのためにはいつまでに補助金を申請しておく必要があるのか、さらに経営力向上計画はいつまでに認定されている必要があるのか、確認することを推奨します。
 

経営力向上計画の申請方法

申請方法

経営力向上計画申請プラットフォームからの電子申請または、郵送で申請が可能です。
※電⼦認定に対応していない省庁は、認定書を郵送で送付します。
▶︎経営力向上計画申請プラットフォーム(https://www.keieiryoku.go.jp/

申請に必要な書類

経営力向上計画認定申請書(様式第1)または(様式第2)
※不動産取得税の軽減措置を活用しない場合、様式第1/活用する場合、様式第2
下記、中小企業庁HPよりダウンロード可能です。

▶︎中小企業庁HP/申請書様式類(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/ninteisinseisyo.html
※経営力向上計画申請プラットフォームから電子申請する場合プラットフォーム上で入力することで申請書を作成することができます。
 
経営力向上計画認定申請書は下記のような書式です。

その他、経営力向上計画によって受ける優遇内容によって提出書類が異なります。
経営力向上計画の申請方法について、詳しくは経営力向上計画策定の手引きなどをご確認ください。
 

経営力向上計画の認定を受けた場合のメリット

経営力向上計画は補助金の加点で有利になる以外に主に3つのメリットがあります。

税制優遇措置が受けられる(中小企業経営強化税制)

青色申告書を提出する中小企業者等が、令和7年3月31日までの間に認定された経営力向上計画に基づき取得した一定の新規設備において、即時償却または税額控除を受けることが可能です。それにより、法人税(または所得税)の納付額を抑えることができます。

<即時償却>
設備投資を行った初年度に「すべて」経費として計上することができます。

<税額控除>
取得価額の10%相当額の税額控除を受けることができます。
(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)

どちらの方がメリットが大きいかについては、税理士にご相談ください。

金融支援が受けられる

経営力向上計画の認定を受けた事業者は、日本政策金融公庫や、民間金融機関の融資に対する通常とは別枠での信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援などを受けることができます。

さまざまな種類の支援がありますが、その中で代表的なものは、日本政策金融公庫による低利融資です。経営力向上計画の認定を受けることで、政策公庫が掲げる基準金利から0.9%引き下げの条件で借入を行うことができます。

法的支援が受けられる

経営力向上計画の法的支援は、以下の3つの特例があり、主に事業承継等を行う際に利用できます。

<業法上の許認可承継の特例>
以下の7つの許認可事業は、事業継承の際に当該許認可に係る地位をそのまま引き継ぐことができます。
①旅館業、②建設業、③火薬類製造業、④火薬類販売業、⑤一般旅客自動車運送業、⑥一般貨物自動車運送業、⑦一般ガス導管業

<組合発起人数の特例>
事業協同組合、企業組合又は協業組合を設立する場合は、通常発起人が最低4人必要とされている発起人の人数が、3人でも可となります。事業譲渡を行って他者から取得する経営資源を活用する取組みについて

<事業譲渡時の免責的責務引受>
企業が債権者に対して通知(催告)し、1ヵ月以内に返事がなければ債権者の同意があったものとみなすことができ、より簡略な手続きにより債務を移転することができます。
 

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補助金支援チーム

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