弁当・惣菜のクレーム防止に!施設内の菌を計測する「落下菌試験」について
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、飲食店では昼営業やテイクアウトを開始。食品スーパーは内食需要での弁当や惣菜販売も引き続き好調です。
それに伴って増加すると考えられるのが「食品クレーム」です。 クレームには様々な原因が考えられます。 例えば「商品を食べてお腹を壊した」「カビが生えていた」「包装袋がパンパンに膨らんでいた」など、微生物が由来していると考えらえるクレームは、食品メーカーの工場などの製造環境からの二次汚染が原因となっている場合があります(下部⑥に該当)。
微生物由来の食品クレームの原因
植物由来のクレームの原因とされているのは下記の7つなどです。
①そもそも原料が汚染されていた
②微生物増殖を抑制する添加物の配合ミスや加熱殺菌のための温度が不十分だった
③保管時の温度設定が微生物が増殖しやすい温度になっていた
④従業員が手にけがをしていたり、体調が悪いのに作業した
⑤器具や設備の洗浄が不十分だった
⑥施設内の浮遊菌が食品内に落下し汚染した
⑦包装袋のシール不良やピンホールにより、外気と接触し汚染した
食品製造の流れの中にある、微生物増殖の原因
食品を充填・包装する時に浮遊菌が落下・付着することで、微生物が増殖する恐れがあります。
飲食店の場合は、浮遊菌が落下・付着しても悪影響を与える前に喫食するため、問題ないと考えられますが、スーパーで売られている弁当や惣菜など、完成から喫食するまでに時間が空くものは、微生物が増殖して問題になる場合があるのです。
そこで重要となるのが、食品を製造している工場などの「衛生環境」です。
施設が清潔かどうかは「落下菌試験」で調べることができます。
施設の衛生環境を調べる「落下菌試験」
落下菌試験とは
落下菌試験では、施設内の指定場所で一定時間「培地」となるペトリフィルムを開封し、そこに落下した菌が生育して形成されるコロニー数を計測します。
▼ペトリフィルムでの試験/2通り
厚生労働省の『弁当及びそうざいの衛生規範』に、落下菌数についての以下の記載があります。
「製造場内の各作業区域においては、清掃、消毒その他の措置により、次のような落下細菌数(生菌数)、落下真菌数(カビ及び酵母の生菌数)となるようにすることが望ましい。」
▼『弁当及びそうざいの衛生規範』の詳細はこちら https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta5751&dataType=1&pageNo=1
施設内でカビが発生していると、その胞子が飛び散って加熱後の食品に落下・汚染してしまうこともありますので、落下菌数を定期的にモニタリングしておくことが重要です。
食品クレームや健康被害を防止するために、「落下菌検査」で衛生環境を把握することをお勧めします。
落下菌試験ができるサイトのご紹介
株式会社丸信が運営する「食品衛生.com」では、食品検査サービスを行なっております。 落下菌検査のほか、微生物検査、環境調査など幅広く対応しております。 ご興味のある企業様は、下記サイト内のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。 ▼「食品衛生.com」はこちら ▼食品検査サービスのご案内
先月末、大阪・福岡を含む6府県について緊急事態宣言が前倒しで解除されましたが、首都圏1都3県については延長となっております。
新型コロナ感染拡大の第4波の火種とならないよう、引き続き対策を講じていきましょう。
『ショクビズ!』では、食品スーパーに必要なコロナ対策もご案内しています。
この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上