容リ法委託料の増額対策に、プラスチック使用量を6割削減する発泡スチロール食品容器に注目
食品用途のプラスチック製容器は、回収されたトレーから再商品化された製品が増えるなど環境面では循環システムが確立しつつありますが、容器包装リサイクル法(容リ法)で定められた委託料金の増加などコスト面では課題が多いもの事実。この記事では、委託料金を削減する素材に着目して、コスト面・環境面ともに優れた発泡スチロール容器を紹介します。
容リ法とは?委託料金とは?
一般の家庭でごみとなって排出される容器や包装資材をリサイクル(再商品化)する目的で作られた容器包装リサイクル法(容リ法)。消費者が分別排出し、市町村が分別収集、事業者が再商品化するという役割分担を定めています。
再商品化の対象は、プラスチック製容器包装、ペットボトル、ガラス瓶、紙製容器包装の4つ。「拡大生産者責任」という考えのもと、メーカー等の事業者が製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方で、事業者には再商品化とリサイクルのための委託金の支払いが義務付けられています。
委託料には、再商品化実施委託料と市町村合理化拠出委託料の2種類があり、特定事業者は両方を支払うことで再商品化義務を履行したとみなされます。再商品化実施委託料はリサイクル費用に使われるもので、リサイクルを実施する会社(再商品化事業者)に支払われます。拠出委託料は市町村へ支払う合理化拠出金の原資となります。
委託金は、プラスチック製品の利用量に応じて課金されるため、使用量が増えれば支払う委託金も増額する仕組みです。
出典:(公財)日本容器包装リサイクル協会「再商品化実施委託単価」
使用量を減らして委託料も大幅減へ
容リ法委託金の増加を抑制するために、事業者が切り替えを推奨しているのが発泡スチロール製のトレーです。一般的なプラスチック製容器と比べると、同じ規格・サイズであれば重量を約6割減らすことができ、これに伴い委託金も6割削減することが可能です。近年の技術開発で、見栄えも従来品と遜色ないレベルに達しています。
容器メーカー最大手のエフピコ製寿司用トレー(30貫用)の場合、プラスチック製HI素材の既製品は重量が73.1gなのに対して、低発泡タイプの発泡ポリスチレン(PSP)素材のトレーは同24.2gと約66%減。容リ法委託金に換算すると1枚あたり1.5円の削減を実現することができます。
発泡ポリスチレンは98%が空気のため軽量で環境負荷が低く、前述の通りコスト面でも大きなメリットがあります。耐熱性が低いというデメリットはあるものの、その他にも断熱性の高さ、加工性の高さも大きな特徴。軽いということは原料の使用量が減っている証拠でもあり、本体も原則コストダウンにつながるほか、最近では電子レンジOKの製品や見た目も遜色ないものが開発されてきています。
食品業界では引き続きコスト面は大きな課題となっていることから、食品の特性に合わせて発泡スチロール容器を見直してみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
ショクビズ編集部
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オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
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