魚の消費拡大なるか⁈さかな×サステナ。新たに制定された「さかなの日」とは?
水産庁は、毎月3日から7日までの5日間を「さかなの日」と定め、2022年11月の3~7日間を、語呂に合わせた「いいさかなの日」として本格的に始動しました。
新たに制定「さかなの日」とは?
毎月3日から7日までの5日間が、『さかなの日』。
国内の水産物の消費量は減少の一途をたどっていることから、多くの人に魚を美味しく食べてもらう機会にしようと、官民共同で推進するための取り組みとして、水産庁が定めたものです。
食べ物にまつわる記念日的『〇〇の日』には、節分の恵方巻ともコラボした2月3日の「海苔巻きの日」や、毎月12日の『豆腐の日』「10(トウ)」「2(フ)」などもあります。認知度を上げたのが「肉の日」。これも語呂に合わせ、国産畜産物の消費拡大を目指し作られたもの。現在では、参加店舗数も大幅に増えたことで取り組みも浸透し、消費拡大に繋がっています。
『さかなの日』も、多くの人に知ってもらい、消費拡大に繋げていくことが大きな目標です。
▼さかなの日 ホームページ
毎年減少する魚の消費量
海に囲まれ、恵まれた海洋環境の日本。さまざまな種類の魚が獲れ、日本の食文化に根付いた食材ですが、1年間に国民1人が食べる魚などの水産物の消費量は、減少する一方です。
水産白書によると、2020年度の日本の1人あたりの魚介類消費量は、ピーク時(2001年度)の6割弱にまで落ち込み、統計が取れる1960年度以降で過去最低の消費量となりました。
逆に、世界では食用魚介類の消費量が過去半世紀で 約2倍に増加しています。
ルールで海を守る
日本では、将来にわたって持続的な水産資源の利用を確保するため、漁獲量や養殖業は規定に基づき操業されています。
漁獲可能量(TAC)の設定を基本とした「資源管理目標」に従い、決められた漁獲量を守っています。これは、環境資源を守るための大切なルールです。
公的な規制はもちろん、漁業者らによる操業日数の自主的規制を組み合わせて、水産資源の保存・管理を適切に行っています。
養殖業についても、海洋環境への負担軽減を考慮し、沖合養殖の推進や養魚飼料全量の配合飼料への転換など、天然資源に負担をかけない持続可能な養殖生産を推進しています。
「さかな×サステナ」がコンセプト
「さかなの日」は、単に消費量を上げることだけを目的とせず、大事な海洋環境を守ることも視野に入れた取り組みで、「さかな×サステナ」がコンセプト。
日々、美味しく魚を食べてもらい、その美味しい魚を次の世代につなぐことが大事だと考えています。
2030年までに、持続可能でより良い世界を目指す国際的な目標であるSDGsの17のゴールのうち、14「海の豊かさを守ろう」と、ルールを守り、獲った魚を選択して食べることは、12「持続可能な生産消費形態を確保する」ことにも繋がります。
サステナブルの観点から、SDGs達成に向けた消費行動でもあります。
魚の魅力を再発見してもらうための各社の取り組み
「さかなの日」の取り組みには、食品関連業者やスーパーなど600あまりの企業や団体が賛同しています。これらの賛同メンバーが各々で、魚や魚を使った加工品など、美味しい魚の食べ方も含めた商品販売を強化するなどしています。特徴的な企業をいくつかご紹介します。
・ファミリーマート (業種:コンビニエンスストア)
手軽なトレー入りで、レンジで温めるだけのお魚惣菜の購買を勧めるためのPOPなどを売り場に掲出などをする
・株式会社ぐるなび (業種:飲食店情報サイトなど)
魚食の応援としての取り組み発信の協力の他、全国約2200店舗の飲食店に啓発と推進、魚メニューの拡充の推奨などを行う
・ABCクッキングスタジオ(業種:料理教室)
「料理基礎クラス」の12レッスン中、6レッスンで魚介を使用したメニューを導入。美味しい魚料理を提案し食文化の継承に繋げる
・竹本油脂株式会社 (業種:ごま油等製造)
自社広報誌で、水産資源についての今や未来を記事化したり、当社主催の天ぷら職人同士の技術研鑽会の活動を通して情報発信をする
・一般社団法人甑島社中(業種:地域活性化事業)
「良い品を適正な価格で」をテーマに康正産業株式会社(鹿児島市)と協同で鹿児島県にある甑島の海産物を提案する「甑島フェア」を展開する
・丸信(業種:紙器、包装資材製造販売など)
取引先である食品の製造・卸会社、スーパーなどへ、取り組みの推奨と啓発を行い、消費者への認知度を上げるため売り場や販促資材などの提案等をする
※ロゴマークを使用するには賛同メンバーとしての登録が必要です。
さかなの日賛同登録及びロゴマーク利用に関する規約
▼「さかなの日」水産庁HP
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/sakananohi1137.html
まとめ
魚に多く含まれている「不飽和脂肪酸」は、体に良い影響がたくさんあると考えられています。DHAやEPAには、血液をサラサラにしたり、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げるといった働きもあると言われ、たんぱく源もカルシウムも豊富です。
この取り組みが広く知られることで魚食にスポットが当たり、消費拡大に向けた新メニューの開発や新たな人気商品の登場などへの期待も高まっています。
この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上