食品業界注目の「完全栄養食品」とは?商品化の事例と、メリット・デメリットを解説 | ショクビズ!

食品業界注目の「完全栄養食品」とは?商品化の事例と、メリット・デメリットを解説

公開日:2022.09.29 更新日:2024.10.17
ライター:ショクビズ編集部
食品業界注目の完全栄養食とは?

働き方の多様化と健康志向の高まりにより、完全栄養食が注目を集めています。 完全栄養食とは、健康を維持するための栄養素をすべて含んだ食品です。コスパ良く栄養を摂取できることから、忙しい社会人やダイエット中の人から支持されています。 この記事では、完全栄養食の特徴やメリット・デメリット、おすすめの商品を紹介します。完全栄養食市場に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

完全栄養食とは

完全栄養食とは、人間が活動するために必要な栄養素をすべて含んだ食品です。「完全食」「完全栄養食品」とも呼ばれています。 完全栄養食は、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」の必須栄養素を満たしていることが条件。基本的には、1食分で1日に必要な栄養素の1/3を摂取することが推奨されています。 この手軽さから、多くの人から支持される食品となりました。   株式会社日本能率協会総合研究所の研究によると、2024年度には、完全栄養食品市場は約145億円規模になると予想されています。2021年度が約40億円規模だったことを考えると、急成長していると分かります。  

完全栄養食が消費者に求められる理由とメリット

  では、なぜ完全栄養食が消費者に求められているのでしょうか? メリットを含め、求められる理由を紹介します。  

時間を短縮したい人が増えている

働き方改革が進み、労働環境は改善されつつあります。その一方で、残業や休日出勤など忙しく働く人はいまだに多いのが現状です。そのため、少しでも食事時間を減らして仕事に没頭したいという需要が一定数あります。 完全栄養食は調理された状態の食品や簡単に調理できるものが多いため、時間をかけることなく食事ができます。また身体に必要な栄養素も補給できることから、継続的に摂取したいという人も増えているのが理由です。  

健康への関心が高まった

新型コロナウイルスの影響で、健康への関心が高まりつつあります。食品メーカーのFONTEC R&D 株式会社の「コロナ禍の健康意識に関する調査」によると、コロナ禍で「週に4~5回」以上自炊をする人は約7割約4割が「毎日」自炊をすると回答しています。 コロナ前よりも健康を意識した食事を心がける人が増え、食生活の補助として完全栄養食にも注目が集まっているのです。最近は在宅勤務も増え、「コロナ太り」も深刻化しています。完全栄養食を開発すれば、そういった需要とマッチし売上を伸ばすことができるでしょう。  

消費者ニーズの多様化

現代では、単身世帯の増加や女性の社会進出、地方の過疎化などにより、消費者ニーズが多様化しています。その中でもコンビニエンスストアは消費者ニーズに沿った商品開発を行っています。全粒粉入りのパンや高タンパク質のお弁当、減塩調味料など、健康志向の商品も増えてきました。 その影響もあり、完全栄養食にも注目が集まっているのです。現在はコンビニでも完全栄養食を販売する店舗も増え、需要の高さが伺えます。  

完全栄養食のデメリットとは

完全栄養食のデメリットを紹介します。  

すべての栄養素は補えない

厚生労働省の定める「日本人の食事摂取基準」の必須栄養素を満たしていれば完全栄養食として販売できます。 しかし完全栄養食だけでは、すべての栄養素を補うことはできません。なぜなら、必須栄養素以外の栄養素は含まなくてもいいからです。 また完全栄養食はカロリーが低い商品が多く、エネルギー量として心許ない部分があります。また生野菜から摂取できるビタミン類などの有用成分は、完全栄養食から摂取できません。完全栄養食を開発する時は、他の栄養素にも着目する必要があるでしょう。  

消費者の食事の楽しみが減る可能性

完全栄養食の頻度が増えると、食事をする楽しみが減る可能性があります。必要な栄養素を摂取することは大切ですが、毎日同じような食品を食べると物足りなくなっていきます。 スーパーで食材を購入して料理したり、気になるお店に行って外食をしたりなど、食事は私たちの生活を豊かにしてくれるものです。このような「楽しみ」があるからこそ、仕事を頑張れるのではないでしょうか。そのため完全栄養食を開発する場合は、楽しく食事ができる訴求も大切です。  

生産コストが高く値段を上げざるをえない

完全栄養食は、他の食品と比べて値段が高い傾向にあります。他の食品よりも栄養価が高い分、生産コストがかさんでしまうのです。そのため、消費者は割高に感じてしまう可能性があります。 ただし値段の問題は時間が解決してくれます。完全栄養食の需要がさらに高まれば出荷量も増え、生産コストも自然と下がっていくでしょう。食品メーカーは完全栄養食の宣伝に力を入れていく場面なのかもしれません。  

注目されているおすすめの完全栄養食

現在、注目を集めているおすすめの完全栄養食を紹介します。  

日清食品「完全メシ」シリーズ

■画像引用元:完全メシ | 日清食品グループ(https://www.nissin.com/jp/products/series/kanzenmeshi/)   日清食品では、33種類の栄養素をバランスよく摂取できる「完全メシ」シリーズを開発しました。タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素においては「バランスがパーフェクト」と日清食品側も認めています。 代表的なラインナップとしては「カレーメシ 欧風カレー」「豚辛ラ王 油そば」「グリーンスムージー」「大豆グラノーラ」など。男性でもガッツリ食べられるような商品も多く、満足感を得られるのが特徴です。 ヘルシーな完全栄養食が多い中、ボリューム感のある商品ブランドで訴求している良い参考事例といえるでしょう。  

バランス栄養食COMP

■画像引用元:COMP | 公式サイト(https://www.comp.jp/)   バランス栄養食COMPは、「誰もが自然に健康になれる世界をつくる」をミッションに掲げる株式会社コンプが開発した完全栄養食です。ダイエットや筋トレなど、あらゆるニーズに対応した食生活を提案することを目標としています。 主力商品はパウダータイプのトータルバランスドモデル。プロテインのように気軽に摂取できるのがメリットです。現在はアイスクリームやグミなどの完全栄養食も発売し、さまざまなニーズに対応しています。 食事をする楽しみよりも、仕事を優先したいという人に支持されている商品です。  

BASE FOOD(ベースフード)

■画像引用元:完全栄養食 BASE FOOD(ベースフード)(https://basefood.co.jp/)   BASE FOOD(ベースフード)は、26種のビタミンやミネラル、たんぱく質、食物繊維など、身体に必要な栄養素を詰め込んだ完全栄養食です。商品ラインナップも多く、美味しさも追求しているのがBASE FOODの特徴。食事をする楽しみも考えられ、パンやパスタ、クッキーなど味の種類も多く飽きがこない設計です。 パンだけでも6種類あるため、シーンに合わせて食事を楽しめます。価格も200円〜とお求めやすい価格なので、消費者のお財布にも優しい完全栄養食といえるでしょう。  

もがな 完全栄養食カレー

■画像引用元:もがな楽天市場店 | 完全食で日本の未来を元気にする「もがな」完膳食(https://basefood.co.jp/)   もがな 完全栄養食カレーは、1食で1日に必要な1/3の栄養素が摂取できる完全栄養食のレトルトカレーです。栄養素だけでなく美味しさも追求。厳選した18種類の雑穀を調合し、旨味を引き出しています。公式サイトでは「レストランのカレーライスにも決して負けない味」と言及されており、美味しく栄養を摂取できるのが特徴です。 またチアシードやキヌアなどのスーパーフードも入っているので、ダイエット中の人にもおすすめ。食欲が湧きやすいカレーライスは、完全栄養食と相性が良いといえるでしょう。  

完全栄養食の需要が高まる今、商品開発に積極的に取り組みましょう

完全栄養食の需要は、今後も増えていくと予測されています。多くの食品メーカーが開発に乗り出している分野ですので、今のうちから参入してみてはいかがでしょうか。 ショクビズを運営する株式会社丸信では、商品企画のサポートやOEM商品を探せる食品開発OEM.jpを運営しています。 これまでの経験や実績をもとに、食品メーカーや小売店向けの相談やサポートも承っておりますので、ぜひご活用ください。 ▼「食品開発OEM.jp」はこちら  

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