設備投資やシステム構築に活用できる助成金

公開日:2024.10.18
ライター:補助金支援チーム
設備投資やシステム構築に活用できる助成金

補助金と助成金の違いについて

 補助金と助成金には、元来、意味の違いはほとんどありません。しかし、経済産業省が主に補助金と言い、厚生労働省が助成金という言葉を使っているため、経済産業省が管轄する資金を補助金、厚生労働省が管轄する資金を助成金と呼んでいます。

 最も大きな違いは、助成金がある一定の条件を満たせばほぼ確実に受けられる資金であるのに対して、補助金はある取り組みを推進する最も良い提案や計画に限って受けられる資金である、ということです。

どちらも審査はありますが、助成金の審査が形式的な要件を満たしているか否かの審査であるのに対し、補助金の審査は、形式要件を満たしているか否かはもちろんですが、基本的には提案の中身(事業計画書など)の審査になります。

申請者(提案者)が全員採択されるということは基本的にはなく、倍率も数倍から数十倍以上になることもあります。従って、補助金は、落ちる確率が高いため、難易度が全く違うという理解ができます。

 また、助成金は厚生労働省の提供ということから、雇用の増加・安定や能力開発が主な対象となり、経済産業省の補助金は産業の振興や発展が大きな目的となります。
公募期間も異なり、厚生労働省の助成金が通年など長い期間で募集しているのに対して、経済産業省系の補助金は、募集開始から締切までが数週間、長くても2ヶ月程度と短期間なのが一般的です。

 このような違いがあるため、一般的には助成金の申請は社会保険労務士などが扱うことが多く、補助金はコンサルティング会社が請け負うことが多いとされています(以下の表をご参照ください)。

補助金_表

業務改善助成金の概要

業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成する制度です。また助成金の交付額は最大で600万円となっています。 

補助金_手順   

                                                                   
※事業場内最低賃金の引上げ計画と設備投資等の計画を立てて申請し、交付決定後に計画どおりに事業を進め、事業の結果を報告することにより、設備投資などにかかった費用の一部が助成金として支給されます。                       
                                                                         助成される金額は、生産性向上に資する設備投資等にかかった費用に一定の助成率をかけた金額と助成上限額とを比較し、いずれか安い方の金額となります。

(例)
設備投資の額が200万円、助成率9/10、助成上限額230万円

補助金例1

設備投資等の額が500万円、助成率3/4、助成上限額300万円の場合

補助金例2

画像引用元:業務改善助成金|厚生労働省

(留意事項)
・事業場内最低賃金の引上げや設備投資等は、これから実施するものが助成の対象となります。
・労働者(従業員)の事業場内最低賃金を引き上げるための支援制度であるため、労働者(従業員)がいない場合は、助成の対象となりません。 

      

対象要件、助成上限額・助成率、対象となる設備

対象要件

・中小企業・小規模事業者であること
・事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
・解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
以上の要件をすべて満たした場合に、事業場ごとに申請ができます。                                              (なお、事業場の考え方については、お近くの労働局又は労働基準監督署までお問い合わせください。)
      

助成上限額

助成上限額は以下のとおりです。
引き上げる最低賃金額及び引き上げる労働者の人数によって助成上限額が変わります。

補助金について

助成上限額の拡大について

・申請事業場の規模が30人未満であれば、一番右の欄の助成上限額が受けられます。
・特例事業者に該当する場合は、労働者数の「10人以上」の区分を選択できます。(10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合。)                                                                                                                                                                     

助成率

助成率は以下のとおりです。
申請を行う事業場の引き上げ前の事業場内最低賃金によって、助成率が変わります。

助成率の拡大について

・申請事業場の事業場内最低賃金額が900円未満又は900円以上950円未満であれば、3/4より高い助成率が受けられます。
・生産性要件に該当した場合は、( )書きの助成率が適用されます。
        

対象となる設備

助成対象事業場における、生産性向上に資する設備投資等が助成の対象となります。
また、一部の事業者については、助成対象となる経費が拡充されます。                                                        

                                                                           ※上記詳細については
業務改善助成金|厚生労働省
にてご確認ください。

                                                                      

業務改善助成金を活用するメリット

財務的なリスクを負うことなく生産性向上を実現できる

生産性向上を目的とした施策を実施する場合、通常は自費で取り組む必要があります。
しかし、財務的に余裕がない中小企業や小規模事業者にとって、これらの費用は重荷となります。
そこで業務改善助成金を活用すれば、設備投資費用の一部を助成金として受けることが可能となります。

このように、新たに財務的なリスクを負うことなくさまざまな設備投資に取り組める点が業務改善助成金のメリットだといえます。

従業員の満足度向上を期待できる

政府は持続的な賃上げの実現に向けてさまざまな方策に取り組んでいます。しかし、中小企業や小規模事業者の多くは賃上げの原資に悩んでいるのが現実です。

業務改善助成金は、生産性向上を目的とした設備投資が対象となるため、利益の増加を期待できます。この利益を賃上げの原資とすれば、従業員の満足度向上も期待できます。

地域別最低賃金上昇にあわせて申請できる

各地域の最低賃金が毎年のように見直されていますが、近年は物価高騰に合わせその上昇率も非常に高い状況で、今後もその傾向は続くことが予測されます(福岡県最低賃金改正の推移図参照)。

福岡県最低賃金改正の推移

そのため地域別最低賃金が見直される事で多くの事業者は自社の最低賃金も同様に見直すことになります。地域別最低賃金が改正される前に申請することで、助成金を上手に活用し効率の良い設備投資を実施することができます。 

ECサイト構築に活用できる

近年、IT導入補助金は中小企業や小規模事業者がIT化を進めるために多く利用されてきました。
しかし、今年から通販サイトの作成にはIT補助金が使えなくなりました。

そこで、新たな支援策として業務改善助成金が注目されています。通販サイトの作成も業務改善の一環として認められる場合があります。
例えば、オンライン販売システムの導入による売上増加や、在庫管理システムの改善による業務効率化などが該当します。特に通販サイトの構築は、新しい顧客層を開拓し売上を拡大するための重要な手段です。

この助成金を活用することで、企業は競争力を高めることができます。                                                                    

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