食に革新を!フードテック系スタートアップ企業10選 | ショクビズ!

食に革新を!フードテック系スタートアップ企業10選

公開日:2024.10.23 更新日:2024.12.16
ライター:ショクビズ編集部

近年、食の未来を変えるフードテック分野が急速に成長しています。環境問題や食糧不足、健康志向の高まりに伴い、新しい技術やアイデアを取り入れたスタートアップ企業は注目されています。 
これらの企業は、食に関する技術革新を通じて、持続可能な未来の実現に向けて動いています。 
そこで今回は、フードテックに取り組むスタートアップ企業をまとめて紹介します。 

フードテックのスタートアップが増えている

フードテックとは、食品業界と最新技術を融合させ、食品の生産や加工、流通、消費などに革新をもたらす分野です。 
例えば、植物由来の代替肉や培養肉の開発、食品廃棄の削減、農業技術もフードテックのひとつです。 
最近では農林水産省が事務局となり、産学官連携による「フードテック官民協議会」を立ち上げています。食品メーカーだけでなく、スタートアップ企業や研究機関などが参加し、事業連携の促進を行っています。

フードテックの主な目的は、環境負荷を軽減すること。そして持続可能な食品供給の構築にあります。 
食品業界における革新を支えるこの分野は、今後さらに重要な役割となっていくはずです。 

フードテックに参入するメリット3 

食品メーカーがフードテックに参入するメリットを紹介します。 

効率性とコスト削減 

フードテックにより、食品製造や配送プロセスが効率化され、長期的にはコスト削減につながります。 
例えば、食品製造の一部を自動化できれば、製造時間の短縮や廃棄物の削減が可能です。 
また培養肉や代替食品は、従来の畜産業と比べて水やエネルギー、飼料などの資源を大幅に削減できるため、長期的にみるとコストを大幅に抑えられます。 
環境への負荷が少ない生産方法は、コストを抑えたい食品メーカーにとって大きなメリットがあるはずです。 

SDGsに大きく貢献できる 

フードテックは、持続可能な開発目標(SDGs)に大きく貢献できます。その理由は、フードテックが環境負荷の軽減、食品ロスの削減に取り組む技術だからです。
例えば、植物ベースの代替肉や培養肉は、畜産業がもたらす温室効果ガスの排出や水資源の消費を削減し、環境に優しい生産を実現できます。 
これらの技術は、SDGs「飢餓をゼロに」「つくる責任・つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」に該当します。 
フードテックで効率的な食料供給システムを実現すれば、SDGsの達成に大きく貢献できるでしょう。 

消費者ニーズに対応できる

フードテックは、健康志向や環境意識、多様な食文化、ライフスタイルに合わせた消費者ニーズに対応できます。 
例えば、代替肉や培養肉は、動物由来の食品を避けるヴィーガンやベジタリアンのニーズに応え、なおかつ環境負荷を低減できます。 
健康志向が高まる今、栄養バランスに配慮した食品を容易に提供できる点もフードテックの強みです。

注目が集まる食のスタートアップ企業

フードテックに取り組むスタートアップ企業をまとめて紹介します。 

完全栄養食を牽引する「BASE FOOD


■引用画像:BASE FOOF HP(
https://basefood.co.jp/)

BASE FOODは、完全栄養食を提供するフードテック企業です。 
同社ではバランスの取れた食品を手軽に摂取できる「BASE BREAD」や「BASE PASTA」を展開。1日に必要なビタミン、ミネラル、タンパク質、食物繊維などがバランスよく含まれており、忙しい現代人や健康志向の高い消費者から支持されています。
支持される理由は「手軽に健康を管理できる」というニーズに応えた点です。忙しい生活を送る中で、栄養バランスのとれた食事を取れない課題に対し、手軽で時間をかけずに健康的な食事ができるのはBASE FOODの強みです。 
またインフルエンサーやSNSを活用したマーケティングにも成功し、ブランド認知度を高めています。 

大豆由来の植物肉を開発する「DAIZ株式会社」


■引用画像:DAIZ HP(
https://www.daiz.inc/)

DAIZ株式会社は、大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・提供するフードテック企業です。 
同社は「発芽大豆」を活用した独自の技術で、従来の植物肉に比べて風味や食感を向上させた製品を開発。発芽大豆はタンパク質の含有量が高く、栄養価も優れているため、より健康的で美味しい代替肉として注目を集めました。これにより、消費者に受け入れられやすい製品を開発でき、売上を伸ばしています。 
さらに企業向けに原材料を提供し、さまざまな食品メーカーや外食産業と提携を進めたことで、急速な市場拡大を実現しました。  
今後は海外市場への進出も視野に入れ、グローバルな展開を加速させていくようです。 

魚介類のミールキットを展開する「株式会社ベンナーズ」


■引用画像:BENNERS HP(https://www.benners.co.jp/
)

株式会社ベンナーズは、魚介類を中心とした事業を展開するスタートアップ企業です。同社は、流通の前段階で廃棄されてしまう「未利用魚」を積極的に活用しています。 
中でもミールキットのサブスクリプションサービス「フィシュル」が注目を集めています。 
調理済み、または調理前の食材を家庭に配送し、手軽にプロの味を再現できる商品を提供。魚の下処理が難しいという課題に着目し、初心者でも簡単に調理できるようなキットを開発しました。  
オンライン販売を通じて多様なニーズに応え、幅広い層にアプローチできたことが成功の要因といえるでしょう。 

ヴィーガン向けのクッキーを開発する「株式会社ovgo


■引用画像:堀江コンサルティングオフィス HP(https://horieconsul.com/interview/ovgo/
)

株式会社ovgoは、ヴィーガン向けのクッキーを展開するフードテック企業です。同社は、動物性の原材料を一切使用せず、環境に配慮した「プラントベース(植物由来)」のクッキーを製造・販売しています。 
素材はオーガニックの小麦粉やココナッツオイル、豆乳などを使用。健康志向の消費者や、動物福祉に配慮した商品を求める消費者にアプローチしています。 
さらに、植物由来でも美味しさを損なわないクッキーは、ヴィーガン以外の消費者からの支持も獲得しているようです。 

AI調理ロボットを開発する「TechMagic株式会社」


■引用画像:TechMagic HP(https://techmagic.co.jp/new-business/
)

TechMagic株式会社は、AIを活用した調理ロボットを開発するフードテック企業です。  
同社では、飲食店や家庭での調理作業を自動化するロボットを提供しています。 
調理ロボットは、AIとロボティクス技術を組み合わせ、レシピに基づいた正確な調理を行え、複雑な料理でも一定の品質で提供できるのが強みです。 
これにより、飲食店の労働力不足を解消し、効率的な営業ができます。また、データを集め、調理工程を最適化することで、コスト削減や食品ロス削減にもつながっているようです。 

水産業に新しい流通を生み出した「株式会社ウーオ」


■引用画像:株式会社ウーオ HP(https://uuuo.co.jp/
)

株式会社ウーオは、水産業の流通を革新するプラットフォームを提供するフードテック企業です。
同社は水産物の流通をデジタル化し、生産者と消費者、卸業者を直接つなぐオンラインマーケットプレイス「ウーオ」を運営しています。 
今までの水産物流通業界は、複雑な中間業者の存在や価格の不透明性、非効率な取引方法などが大きな課題でした。 
ウーオは、この複雑でアナログな流通システムを効率化し、全国の漁師や生産者がリアルタイムで水産物を販売できる環境を整備。これにより、鮮度の高い魚介類が迅速に市場に届けられ、消費者は産地直送の新鮮な水産物を購入できるようになりました。 

蚕を使ったシルクフードを開発する「エリー株式会社」


■引用画像:エリー株式会社 ellie HP(https://www.ellieinc.co.jp/
)

エリー株式会社は、蚕を使ったシルクフードを開発・提供するフードテック企業です。 
「あなたと地球の健康に。ちょこっとイイコト、はじめませんか?」をコンセプトにSILKFOOD(シルクフード)」を展開しています。 
同社は、蚕のシルクタンパク質「フィブロイン」を原料とし、栄養価の高い食品を開発。 
フィブロインは必須アミノ酸が豊富なため、健康志向の消費者にアプローチできています。 
さらにシルクという高級素材を活用したことで、従来の昆虫食のイメージを払拭できたのも成功の要因です。 

180mL缶入り日本酒ブランドを立ち上げた「Agnavi


■引用画像:Agnavi HP(https://agnavi.co.jp/
)

Agnaviは、日本酒ブランドを展開するフードテック企業です。 
同社では、1180Lで携帯しやすい缶入り日本酒ブランド「ICHI-GO-CAN®を展開しています。 
従来の瓶に比べて軽く、持ち運びが容易なことから、アウトドアやイベント、家庭での少量消費などのニーズにマッチしました。 
また、さまざまな酒蔵と連携し、品質の高い日本酒を缶に詰めることで、日本酒初心者から愛好家まで幅広い層にアピールしています。 
さらに缶入りという新しいパッケージ形態が、現代のライフスタイルにマッチしたのも成功の要因です。 

発酵熟成を促すエイジングシートを展開する「株式会社ミートエポック」


■引用画像:株式会社ミートエポック HP(https://www.meatepoch.com/
)

株式会社ミートエポックは、肉の発酵熟成を促進する「エイジングシート」を開発・提供するフードテック企業です。 
このエイジングシートは、天然の微生物を利用し、肉の表面に貼り付けることで発酵熟成を加速させ、旨味や風味を高めてくれます。従来のドライエイジング法に比べて、より短期間で高品質な熟成肉を作れるため、飲食店や肉加工業者から高く評価されています。 
特に飲食業界での熟成肉の供給が容易になり、店舗の負担を大幅に軽減。人手不足が深刻な飲食店の業務効率化につながっています。 

食のバリアフリーを目指す「株式会社フレンバシー」


■引用画像:Vegewel HP(https://vegewel.com/ja/
)

株式会社フレンバシーは、食のバリアフリーを目指すフードテック企業です。  
同社ではアレルギーや食事制限を持つ人々に対応した食品を提供しています。アレルギー対応食品の市場が拡大する今、食事の選択肢を広げることで、多くの消費者からの支持を集めました。 
また、ベジタリアンやヴィーガン対応の飲食店や食品を紹介するプラットフォーム「Vegewelを運営。食事制限を持つ人々が安心して利用できる情報を提供しています。 
Vegewelを通じて、対応店舗や製品の情報を素早く広めることで、信頼性の高いプラットフォームの構築に成功しました。 

フードテックで食の課題解決に取り組もう

今回はフードテックに取り組むスタートアップ企業を紹介してきました。  
フードテック分野のスタートアップは、持続可能性や健康志向を軸とし、食の課題解決に取り組んでいます。
消費者の多様なニーズに応えるだけでなく、食品業界全体に新しい風を吹き込んでくれるでしょう。 

この記事のライター

ショクビズ編集部

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