食品ブランディングの必要性と成功させる3つのポイントを徹底解説

公開日:2024.06.26 更新日:2024.09.11
ライター:ショクビズ編集部

商品のブランド価値を高めるには、ブランディングが必要不可欠です。
特に、あらゆる商品が溢れる現代では他社との差別化が求められています。
しかし、どのようにブランディングを行えばいいのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、食品メーカー向けにブランディングの重要性やメリット、企業の事例をまとめて紹介します。

ブランディングとは

ブランディングとは、ブランド価値を高めて、消費者に魅力を感じてもらったり他社と差別化したりする取り組みです。

商品そのものだけでなく、ロゴやミッション、カラーなど、さまざまな要素にブランディングは活用されています。
例えば、チョコレートを販売する際、美味しさだけでなく原材料のこだわりや生産者とのストーリーなどを伝え、
ユーザーに価値を感じてもらう
のもブランディングです。
ターゲットとする人が、自社商品に魅力を感じてくれるように発信活動を継続し、価値を高めていきます。

食品のブランディングが必要な理由や企業のメリット

食品のブランディングが必要とされている理由やメリットについて紹介します。

類似商品との差別化

ブランディングは、他社の類似商品との差別化につながります。
あなたは「ポテトチップス」と聞いてどんな商品を想像しますか?
消費者がポテトチップスを購入する際、一番最初に思い浮かべるものこそブランディングに成功している商品です。
そして、ブランドのイメージが定着すると、長期にわたって売上を安定できます。
たとえ競合商品より価格が高いとしても、ブランド価値の高い商品は購入されます。広告や宣伝をしなくても購入してもらえ、コストを抑えつつ継続的な売上を見込めます。

人は記憶で買い物をしているから

ブランディングの基本は「記憶に残すこと」です。
いかに競合他社よりも、自社の商品を思い出させるかにかかっています。
そのためにブランディングでは、CM・広告・看板などで、ブランド商品のロゴマークやキャッチコピーに消費者が触れる頻度を高めます。その結果、「〇〇といえば〇〇」という認識を持ってもらうと、そのブランドが消費者に選ばれる確率を上げることができます。

価格競争に巻き込まれない

ブランドの価値が高まると、価格競争に巻き込まれにくくなります。
例えば、高級スーパーマーケットとして知られる成城石井は、品質の高いことでブランド価値を高めています。すると消費者は「成城石井の商品は間違いない」「何を買っても美味しいに違いない」といったように、信頼して購入してくれます。
逆にブランディングで差別化ができていないと、価格競争に巻き込まれ、商品を安売りするしかありません。

価格競争に巻き込まれないのは、ブランディングの大きなメリットです。

宣伝コストが抑えられる

ブランドの価値が高まると宣伝コストを大幅に削減できます。
「ブランディングの成功=人の記憶に残っている」です。
ブランド価値が高ければ、消費者は自然と商品に手を伸ばしてくれます。

「風邪ひいたからとりあえずポカリスエット買おう」
「ソーセージ食べたいからシャウエッセン買いに行こう」
「マヨネーズ切れてたからキユーピーマヨネーズ買わないと」

このように、消費者は記憶で買い物をすると覚えておきましょう。

ブランドのファンになり、リピーターが増える

ブランドにファンがつくと、何度も購入してくれるリピーターが増えます。
パレートの法則では「顧客の2割が売上の8割を生み出している」といわれています。
どの業界にも共通しますが、リピーターは売上アップのカギです。
またリピーターは、他の消費者と比べて購入単価も高いため、継続的に安定した売上を見込めます。
だからこそブランド価値を高めて、リピーターを増やすことには価値があるのです。

ブランディングは3つの要素に分類される

ブランディングは3つの要素に分類されます。

  1. インナーブランディング
  2. 商品・事業ブランディング
  3. 採用・育成ブランディング

それぞれについて、詳しく解説していきます。

インナーブランディング

インナーブランディングとは、社内向けに行われるブランディングです。
ブランド価値を高めていくための企業方針や、商品の価値などを従業員向けに発信していきます。

社員が共通の認識でひとつのブランドを作り、継続していくことが、ブランドの確立には必要不可欠です。

例えば、社内デザイナーがイメージしているブランドと、社外発信する営業がイメージしているブランドが異なると、商品デザインと販促企画がチグハグになることが想像できるかと思います。

そのため、社員全員でブランドの軸を作る意識が必要です。

商品・事業ブランディング

商品・事業ブランディングとは、社内外へ商品の魅力を伝えるブランディングです。
WebサイトやSNS、イベントを通じて自社ブランドの良さを伝えていきます。

自社ブランドと消費者との接点を増やす事も重要ですが、消費者がもつブランドイメージと、
自社が“消費者に持って欲しい”ブランドイメージを、合致させていくことが重要になります。

採用・育成ブランディング

採用・育成ブランディングは、自社の強みや差別化になる部分を伝えるブランディングです。
主に採用活動に使われるもので、採用サイトやSNSなどで自社の魅力を伝えていきます。

ここ数年、採用ブランディングに力をいれている企業が増えています。人手不足の中で、自社が求めている人材と、応募をしてくる人材をマッチさせ、会社の主力となる人材を長期雇用できることが、中小企業の重要な課題となっています。

ブランディングを成功させる3つのポイント

ブランディングを成功させる3つのポイントを紹介します。

  1. 目的を明確にする
  2. 自社の状況を分析する
  3. 3つのブランド価値を高める

それぞれについて、詳しく解説していきます。

目的を明確にする

ブランディングを成功させるには、まず目的を明確にしなければなりません。

すべてのビジネスにいえますが、目的がないと軸がブレて失敗する可能性が高まります。

目標設定にはベーシック法がおすすめです。

  1. 目標項目:目標の具体的な内容
  2. 達成基準:目標を達成できたかどうかの基準
  3. 期限設定:達成までの期間
  4. 達成計画:実行するまでのアクションプラン

ブランド価値をどこまで高めるのか、どんな施策を打ち出すのかなど、細かい部分まで決めましょう。

ここが明確になればチームのモチベーションも上がり、アクションを実行しやすくなります。

自社の状況を分析する

ブランディングにあたり、自社の立ち位置を理解しておく必要があります。

自社の状況を把握するには、以下の分析がおすすめです。

・3C分析

「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの頭文字で構成されたフレームワークで、
マーケティングの全体像を把握できる。

・PEST分析

「Politics(政治)」「Economics(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つから自社の外部環境を分析する手法で、競合他社を見極めるのに役立つ。

・SWOT分析

自社の「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」を明確にし、内部環境と外部環境を知ることができる。

さまざまな分析方法があるため、自社に合ったものを選びましょう。

3つのブランド価値を高める

ブランド価値には以下の3種類があります。

  1. 顧客価値:顧客が感じる価値
  2. 資産価値:財務的な価値
  3. 社内価値:社内における価値

ブランディングは、この3つの価値をバランスよく高めていくことが大切です。

顧客が価値を感じていても、社内からの評判が良くなければ意味がありません。すべての価値が納得できように、改善していきましょう。

食品事業者のブランディング事例をご紹介

最後に食品事業者のブランディング事例をまとめて紹介します。

熊本の馬刺し・黒毛和牛の通販サイトのブランディング

■引用元:フジチクHP(https://www.fujichiku-shop.jp/

熊本県で、馬刺しを生産するフジチクは、通販サイト「馬刺しと黒毛和牛の専門店」を運営しています。

もともと楽天市場などのネットモールに出店していましたが、他社との差別化を図るため、新たに自社通販サイトを立ち上げました。サイトは欧州のバルを彷彿とさせる洋風の世界観を演出し、馬刺しが持つ和のイメージを払拭。ブランドのロゴやデザイン、サイトに使用する写真も専属カメラマンが撮影し、ブランド価値を高めたそうです。

福岡県糸島市「ふもとのトマト」のブランディング

■引用元:はたらく農園HP(https://shop.hatarakufarm.com/items/59360241

福岡県糸島市の株式会社さいかいが生産する「ふもとのトマト」は、販路を広げるためにブランディングを実施しています。

「ふもとのトマト」は通常のミニトマトよりもビッグサイズで肉厚。フルーツトマトの中でも最上級の高糖度を誇っています。ブランディングは、商品がイメージできるブランドのロゴやシール、名刺を作成しお客様に価値を提供しています。

また商品が入っている箱に、商品の特徴やストーリーを記載し、より共感してもらえる工夫を施しているのも特徴です。

長崎県南島原市「カステラ」のブランディング

■引用元:須崎屋HP(https://suzakiya.stores.jp/items/6645cab5ad5ace03b931389e

長崎県南島原市で五三焼カステラを製造・販売する須崎屋「長崎かすてら」は、パッケージにこだわっています。

素材にこだわり手焼きで仕上げている白いカステラを主張できるよう、パッケージは全体的に白色を基調にした高級感を演出。パッケージ中央の「白」の文字は、書道家の筆文字を採用し金色で装飾しています。

また紙質にもこだわり、コットンのような柔らかい質感の素材を採用。シンプルながらも高級感があり印象的なデザインにすることで、売場で目立つようになったそうです。

青汁メーカー「九州Green Farm」のブランディング

■引用元:九州Green FarmHP(https://kyushugreenfarm.com/

青汁を製造販売する九州薬品工業では、Webサイト「九州Green Farm」を運営。

小さなお子様からお年寄りまで、家族全員で飲めることを伝えるため、ファミリーをターゲットにした世界観のサイトを作りました。

また消費者への情報発信サイトとなるように「きゅうグリ通信」を配信。健康に役立つ情報を発信し、商品の購入動線を整えています。消費者の目線から使いやすいサイトを構築することで、クリーンなブランディングを確立しています。

ブランディングを通して商品の価値を上げよう

今回は食品のブランディングについて解説してきました。

今の時代、ブランド価値を高めなければモノは売れません。いかに商品の価値を伝え、ブランディングを確立していくか、細かい計画が必要です。

ショクビズを運営する株式会社丸信では、商品のブランド価値を高めるブランディング支援を行っています。
商品のデザインからシンボルマーク、ロゴ、商標、Webサイトまで、オールインワンでご依頼いただけます。
これまでの経験や実績をもとに、商品作りの相談やサポートも承っておりますので、ぜひご相談ください。

株式会社丸信のHPはこちら
https://www.maru-sin.co.jp/


この記事のライター

ショクビズ編集部

ショクビズ編集部

株式会社丸信が運営するフードビジネスのためのお役立ちメディア。
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