2024年「4大補助金」の動向とは | ショクビズ!

2024年「4大補助金」の動向とは

公開日:2024.06.13 更新日:2024.10.17
ライター:ショクビズ編集部
「4大補助金」とは、経済産業省が管轄する中小企業の経営を支援するための主要な補助金制度を指します。
これらの補助金は、中小企業の成長や革新を促進するために設けられているもので、①事業再構築補助金、②ものづくり 補助金、③小規模事業者持続化補助金、④IT導入補助金があります。
ここでは、各補助金の変更点を中心に内容と対象者などをまとめてご説明いたします。
 
※この内容は2024年5月14日時点の内容でものづくり補助金を除く3つの補助金が公募されています。
 
 

事業再構築補助金

事前着手申請が原則廃止。事業再構築補助金の抜本的見直しを行った上で第12回公募を開始 ■引用元:事業再構築補助金HP(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/saikouchiku.html

第12回の主な変更点

①申請枠が6つから3つへ簡素化

第11回には6枠あった申請枠が3枠へと簡素化されました。
第12回の公募では、今なおコロナの影響を受ける事業者への支援及びポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者への支援が重点化しています。
 

②事前着手申請が原則廃止となった

補助事業では原則交付決定後に対象設備等を導入しますが、交付決定までに事業に着手することが一部認められていました。しかし、第12回公募からは原則事前着手申請が廃止となりました。
 

③AIによる審査の厳格化

申請書の審査にAIが導入され、申請書における重複確認や類似案件の審査が厳格化します。
AI導入の背景としては、以前の公募でエステやシミュレーションゴルフなど一部のトピックに申請が集中したことから、過剰投資誘発を防止するためです。また、交付申請や実績報告にもAIが導入されることになり、審査の標準化・高度化が進む見込みです。
 

④補助事業終了後の事業化報告が四半期毎に増えた

従来は、補助事業終了後の事業化報告は年に1回、5年間が報告義務となっていました。しかし、12回公募からは四半期毎に行うことが義務化されました。報告回数が増えた背景としては、補助事業の効果をより正確に測ることが挙げられます。
 

⑤口頭審査の追加

全ての事業者へ実施されるのではなく、一定の審査基準を満たした場合に必要に応じて行われます。 (1事業者15分程度の予定)
口頭審査の対象になったにも関わらず受験しなかった場合は不採択となります。
 
 

今後の動向

2023年11月12日に行政レビューが実施され「事業再構築補助金」について有識者から様々な指摘がなされました。
上記レビュー時に用いられた資料によると、令和5年度の採択見込み件数が約29,000件に対して、令和6年度は約8,800件の採択件数を見込むとされています。
そのため、本年度は昨年度と比較して1/3程度に縮小されて残りの公募が実施される見込みです。

ものづくり補助金

 
第17回の公募より、「省力化(オーダーメイド)枠」が新設されたことが大きな変更点で、次回の公募は2025年の見通しです。
 
令和4年度までは3類型(通常枠・デジタル枠・グリーン枠)だったのが、令和5年度からは新たな3類型(省力化枠、製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠)へと変更となりました。

省力化(オーダーメイド)枠とは

省力化(オーダーメイド)枠は、人手不足の解消を大きな目的としています。デジタル技術等を活用したオーダーメイド設備を導入することで、生産プロセスやサービス提供方法を革新的に効率化・高度化するために必要な設備やシステム投資等を支援する補助制度です。
 
国が想定している活用イメージは、熟練技術者が手作業で行なっていた組立工程に、AIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入するというものです。これにより、生産性向上に加えて、熟練技術者が付加価値の高い業務に従事できるようになります。
 
ここで重要なのは、申請枠の名称にもあるように、導入する設備がオーダーメイド(特注品)であることが必要となる点です。既存の製品や設備の導入では、要件に該当しない可能性があります。

その他の変更点

1)一定の投資規模がある事業者については口頭審査を実施  
ものづくり補助金はこれまで書類審査のみで採択が決まりましたが、一定規模以上の投資をする場合はオンラインによる面接を実施することになりました。
事業計画書に書かれてない内容についても質問を行う可能性があるとのことです。
事業者様の意思で事業計画がなされているのかをより厳密にチェックしていくために実施されるものと思います。
 
2)厚生労働省の産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)との連携 「製品・サービス高付加価値化枠」で申請し採択・交付決定された事業者が、補助事業実施のための人材を新規採用した場合、250万円/人(※)の助成金を受けることができるようになりました。
(※)中小企業の場合。1事業主あたり「5人まで」、雇入から6ヶ月ごとに2回125万円ずつ支給されます。
 

今後の動向

令和5年度補正予算においては、公募が2回程度と発表されていますので、17次・18次の2回がものづくり補助金の公募予定となります。
予算が余れば19次が募集される可能性はありますが、実績報告の最終期限が令和6年12月10日となっていますので、事業期間が極端に短くなって申請は基本的には難しいです。したがって、第19次の公募開始は2025年となる公算が高いと考えられます。
 
■参考:ものづくり補助金総合HP(https://portal.monodukuri-hojo.jp/
 
 

小規模事業者持続化補助金

 
2024年5月8日に第16回公募が発表されました。
第15回公募と比較して、大きな変更点はないので概要と今後の動向をお伝えします。
 
<概要>
小規模事業者補助金とは、小規模な事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援するための補助金で、「インターネット広告を出したい」「新たな冷蔵庫を購入したい」といった場合に使うことができます。要件が複雑かつ採択のハードルが高い事業再構築補助金やものづくり補助金などに比べ、小規模な事業者や創業期の事業者、個人事業主も使いやすい制度となっています。
 
<対象者>
「小規模事業者補助金」という名の通り、補助の対象は従業員の数が5人ないしは20人以下の事業者のみとなります。以下に該当する法人、個人事業主、特定非営利活動法人が対象です。
 
(1)商業・サービス(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員が5人以下の事業者
(2)宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員が20人以下の事業者
(3)製造業その他:常時使用する従業員が20人以下の事業者
 
なお、個人事業主、フリーランスの場合は、申請までに開業届の提出をおこなっていることが条件になります。
 
<類型>
小規模事業者補助金は大きく分けて、(1)通常枠と(2)特別枠の2つの枠があります。通常枠、特別枠の「いずれか1つの枠」のみ申請可能です。
 
(1) 通常枠
補助率は2/3で、補助上限は50万円です。後述する「特別枠」の各条件に当てはまらない場合、基本的にこちらの枠にて申請します。
 
(2) 特別枠
補助率は基本的に2/3で、補助上限は100万円〜200万円です。特別枠は、さらにいくつかの型に分かれており、その型は公募ごとに少しずつ変わっていきます。
 

今後の動向

2023年度は3ヶ月に1度のペースで公募締切がありました。2024年度も小規模事業者持続化補助金は切れ目なく継続的に公募されると発表されていることから、今後も同様のスケジュールで公募が行われると考えられます。
 
■参考:小規模事業者持続化補助金HP(https://s23.jizokukahojokin.info/
 
 

IT導入補助金2024

■引用元:IT導入補助金HP(https://it-shien.smrj.go.jp/<概要>

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の労働生産性向上を目的とし、業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応などに向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
 
IT導入補助金の継続: 2024年度もIT導入補助金が継続されることが発表されました。
 
IT導入補助金の対象: ITツール、パソコン、タブレットなどが補助金の対象です。個人事業主や中小企業、従業員が0名の企業でも申請可能です。
 
補助金の額と枠: 補助金額は最大400万円で、小規模事業者は最大4/5補助。
通常枠インボイス枠の2つに分かれていて、インボイス枠では、インボイス対応累計、会計・決済ソフト、パソコン、タブレット、レジ、現売機のハードウェア導入が対象です。
 
 

IT導入補助金2023からの変更点

<支援枠の改編について>
通常枠、セキュリティ対策推進枠、インボイス枠(インボイス対応類 型・電子取引類型)、複数社連携IT導入枠の全4支援枠に改編
 
<補助率の拡大について>
インボイス枠(インボイス対応類型)では、小規模事業者に対する補助率を一部「4/5」へ拡大
 
<制度変更に伴う補助対象ITツールの見直しについて>
インボイス枠(インボイス対応類型)においては、インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」機能を有するソフトウェアが対象
※インボイス制度に対応していないソフトウェア及びECサイト制作は本類型の対象にはなりません。
 
 
 
 
ここまで4大補助金についてご説明しましたが、その他にも下記のようなお悩みや不安はございませんか?
 
・新たな商品開発、事業展開を進めたい
 
・設備が老朽化し、新しい設備の導入を検討したい
 
・新たな販路開拓を目指したい
 
・補助金の申請の仕方が分からない
 
・本業が忙しく、申請作業がわずらわしい
 
・どのような補助金があるのか分からない
 
ぜひ、お気軽に下記までご相談ください!
 
 

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