「総額表示」で値引きシールはどうなるのか?徹底解説

公開日:2021.03.05 更新日:2024.10.17
ライター:ショクビズ編集部

以前「ショクビズ!」でもお伝えした通り、いよいよ4月1日からチラシ・プライスカード・食品ラベル・HP内表記など、すべての商品価格の「総額表示」が義務付けられます。  

▼「総額表示」について過去の記事はこちら

商品価格の「税込み」義務化と気になる表示ルール

この「総額表示完全義務化」に伴って、編集部にも値引販売に関しての問い合わせが増えてきました。 その一つが「値引販売の際に貼るシールは、表示価格より値引き?本体価格より値引き?それとも別の表示ルールがあるの?」というものです。 たくさん種類のある割引シール、ルールはどうなるの?   現状は表示価格より値引」のシールを使っている小売店様が多く、規格品のシールメーカーでも“表示価格より~”で製造しているようです。 今回の総額表示義務化にあたり、国税局の見解としては、値引きシール自体の表記は「表示価格より~」「本体価格より~」のどちらでも問題なく、小売店様の選択となります。 その際、値引販売の際の価格表示(「〇割引」や「〇円引き」とする表示)は、「総額表示義務」の対象とはなりませんが、値札などに表示されている値引前の価格は「総額表示」の対象です。 ただし「○円引きシール」は、消費者がイメージする金額とのギャップが生じるため注意が必要です。  

注意が必要な「〇円引き」のシール

それでは、具体的な例を見ていきましょう。 ここでは、本体価格1,000円の食品(消費税率8%)で計算します。  

「30%引き」のシールを貼る場合

・総額表示1,080円(税込)×0.3=324円引き ⬇︎ 消費者は756円支払うというイメージを持ちます。   ・税抜表示1,000円×0.3=300円引き ⬇︎ 700円×1.08=756円となり、消費者がイメージしている金額と同じになり問題ありません。  

「30引き」のシールを貼る場合

・総額表示1,080円(税込)-30円引き ⬇︎ 消費者は1,050円支払うというイメージを持ちます。   ・税抜表示1,000円-30円引き ⬇︎ 970円×1.08=1047.6円となり、消費者がイメージしている金額より、実際に支払う金額は安くなります。   税抜価格を併記している場合、消費者の支払う金額がイメージより安くなるため、クレームにつながる可能性は低いと考えられますが、「表示価格より30円引き」というシールを貼る場合は、実際の金額との差額が生じますので、正確ではなくなってしまいます。 この場合は「本体価格より30円引き」という表記が正確かと思われます。 もしくは「表示価格より」「本体価格より」などは記載せず、単に「30円引き」のシールでも問題ないと考えられます。     「総額表示の義務化」の目的は、消費者に支払う金額をわかりやすく表示し、値札などの利便性を高めることにあります。 割引シールも消費者に誤解を与えないシンプルな表示を選択するようにしましょう。    

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