自社に合うECモールとは?楽天・Yahoo!ショッピング・Amazonを徹底比較!

公開日:2024.02.15 更新日:2024.10.17
ライター:ショクビズ編集部
自社に合うECモールとは

前回、通販を考えている方向けにECカートシステムとECモールの特徴や違い、コスト等について解説しました。ECカートシステムは自社独自のECサイトを構築でき、ブランド力を活かすことができる一方で、ECモールは競合が多いものの集客力が圧倒的で始めるのも比較的簡単、という違いがあります。 今回は、あまりリソースをかけずに通販を始めてみたいという方におすすめのECモールシステムの中でも代表的な楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonについてそれぞれ解説していきます。 ※それぞれの導入や運営にかかる料金については前回の記事をご参照ください。   自社に合うECモールとは?    

楽天市場

楽天市場で出店するには、まず出店申し込みを行い、2週間〜1ヶ月程度で楽天RMSという管理画面へログインできるようになります。基本的に、この楽天RMS上で通販の準備を行うことになります。 トップページや商品ページ、配送方法など通販を行う上で必要な情報を入力し、作り込んでいきます。サイトが完成した後、オープン審査を通過すると楽天市場内での店舗オープンとなります。  

楽天市場で出店するメリット

1.圧倒的な集客力と信頼感 楽天会員の数は国内で1億人以上(※1)、流通金額も5.6兆円(※2)と利用者数が膨大なため、自社サイトより集客にかかる負担が減らせます。また、ポイントシステムや「お買い物マラソン」「楽天スーパーセール」などの定期的なキャンペーンを利用することで、新規顧客やリピーターを獲得しやすい作りになっています。加えて、世の中に広く周知されているモールなので安心感・信頼感もあります。   2.多種多様な手厚いサポート体制 お店を構築する際や運営に関して、幅広くサポートを受けることができます。 楽天のアドバイザーやコンサルタントによるサポートを受けられるだけでなく、楽天大学といった売れている店舗のノウハウも学ぶことができるプログラムなど、より商品が売れるようにするための学習も受けられます。   3.自社の特徴を活かしたページが作れる 楽天市場は、出店者に楽天GOLDという無料のサーバースペースを提供しています。楽天RMS上でページを作成する際、入力できる文字数や使用できるHTMLタグなどに何かと制限がありますが、楽天GOLD内にページを作れば、それらの制限を受けないデザイン性の高いページを作ることもできます。容量は申請により追加することもでき、最大1GBまで利用できます。 楽天GOLDを使い自社らしさを出すことで、他社との差別化をはかることができるようになります。 ※ただし、FTPソフトやHTML・CSS・Javascriptなどの言語の知識が必要になります。   4.楽天スーパーロジスティクス 出店店舗向けの物流アウトソーシングができるフルフィルメントサービスです。 通販で大きな負担になるのが物流管理です。このサービスを使えば、商品の入荷・保管・配送などの物流業務を一括して行ってくれるため、物流管理の手間が省け、商品企画や販売促進などより売上を伸ばす施策に集中できるようになります。 また、楽天のセールなどに伴う売上の増減にわずらわされる必要もなくなり、購入率を伸ばすことにも繋がります。  

楽天市場で出店するデメリット

1.他のモールに比べ出店料が高め

自社サイトや、他モールと比べると、初期費用・出店料が高額です。 まずはコストを掛けずに始めたいという方には最適とは言えないかもしれません。   2.競合が多い 集客力がある反面、類似商品を扱っている店舗もまた多く、そのような競合からいかに自社商品をアピールできるかが重要になってきます。   3.外部リンクは原則禁止 楽天ショップ上では、外部リンクが設置できません。すでに自社サイトやSNSを運営している場合、リンクを設置したくともできません。掲載した際にはペナルティを受けるおそれがあります。 ただし、外部リンクの申請許可を提出し受理されれば掲載できます。また、主要運送会社HPや公的サイトなど一部申請無しで掲載できるものもあります。   4.申請ルールが複雑 ショップ開店時には必ず申請が必要になりますが、トップページに掲載すべき項目や利用案内の内容、配送について等、決まり事が多く複雑です。 指示通りに修正を行っていけば問題はありませんが、修正を繰り返す分開店まで時間がかかってしまう場合があります。 ※1…会員登録完了後1回以上ログインをしたことのある会員(退会者除く) ※2…2022年の年間国内EC流通総額。楽天市場以外に楽天トラベル・楽天ビューティ等も含んだ合計金額になります。 参考:楽天市場が選ばれる理由、強み|楽天市場出店(https://www.rakuten.co.jp/ec/detail/  

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングで開店するには、まず出店審査を行い、2〜10営業日程でストアクリエイターProという管理画面へログインできるようになります。ストアクリエイターProの中で通販の準備を行うことになります。 トップページや商品ページ、配送方法など通販を行う上で必要な情報を入力、作り込んでいきます。  

Yahoo!ショッピングで出店するメリット

1.初期費用を抑えられる

初期費用も月額出店料も無料と、まずはあまりコストをかけずにはじめてみたい、という方には始めやすいモールです。他モールと同様物流代行サービスも備えているため、初期費用を抑えて始めるには十分なシステムが揃っているといえるでしょう。   2.グループの相乗効果を狙える 日本で最も利用されているYahoo! JAPAN、ソフトバンクやLINE、PayPayなど、大きな顧客基盤があります。Tポイントの活用など、ユーザーが幅広く恩恵を得ることができるため、グループで展開するサービスに絡めた売り方もできます。   3.yahooトリプルで独自性を出すことも可能 有料にはなりますが、yahooトリプルという出店者用レンタルサーバーを利用することで、オリジナリティのあるページを作ることができ、他社との差別化をはかることができます。 ※ただし、HTML・CSS・Javascriptなどの言語の知識が必要になります。 また、外部リンクが設置可能なため、自社サイトやSNSなど、外部サイトから顧客の流入を促したり、自社を知ってもらうためのきっかけになることもあります。  

Yahoo!ショッピングで出店するデメリット

1.競合が多い 会員数もおよそ8,600万人と多いものの、費用の安さから参入ハードルが低い分、競合が非常に多くなっています。Yahoo!ショッピング内にある店舗数は約117万店舗と楽天以上です。これに対し、有料の成果報酬オプションをうまく使うなどし利益を上げる必要があります。   2.売上によりコストがかかる 初期費用はかかりませんが、商品登録時に必ず1%以上設定する「ストアポイント原資負担(顧客が得られるポイント分の費用)」「キャンペーン原資負担(キャンペーン時に顧客に付与するポイント分の費用)」などがあり、売れる分費用が発生します。 シミュレーションもあるので、まず確認してみて始めるのもよいでしょう。   3.露出のためにコストをかける必要がある Yahoo!ショッピングでは競合が非常に多いことから、自社商品の露出を増やすために成果報酬型の広告を設定するなど、売るための努力が特に重要になってきます。 参考:出店のメリット|ネットショップ開業ならヤフーショッピング https://business-ec.yahoo.co.jp/shopping/introduction/  

Amazon

Amazonは楽天やyahooのような「テナント型」と違いマーケットプレイス型と言われ、基本情報の入力だけで出品を完了できる手軽さがあります。Amazonで出店するには、セラーセントラルから出品用アカウントを作成し「小口出品」もしくは「大口出品」のプランを選ぶことで販売ができるようになります。 審査には10日前後かかりますが、商品登録等の販売準備は審査中も進めることが可能です。

Amazonで出店するメリット

1.販売を始めるのが簡単

商品の価格や在庫数など基本情報だけで出品することができ登録が非常に簡単です。 また、海外にも販売できるため越境ECを始めるのも簡単です。   2.世界中から顧客が集まる Amazonは、国内では楽天に次いで利用されているECサイトです。 Amazonは世界中で利用されているため、およそ3億人の顧客から商品を見てもらうことができます。   3.配送業務を委託できる Amazonは、商品をAmazonの物流拠点(フルフィルメントセンター)に発送しておくことで、注文が入った際はAmazonから自動で発送される仕組みになっているため、発送にかかる手間が大きく省けます。また、これを利用することでプライム会員は送料無料となり、顧客側にもメリットとなり商品が選ばれやすくなります。  

Amazonで出店するデメリット

1.独自性は出せない すべて決まったフォーマットで表示されるため、店舗の特色を出すことはできません。 商品自体の魅力を高めることが、Amazonで売るための重要なポイントとなります。   2.シビアな価格競争 同じ商品を扱っている競合が非常に多く、その場合最安値のものがはじめに表示され、それ以上の価格のものは「その他出品者」としてまとめられて顧客から見られないこともあるため自ずと価格競争が激しくなります。   3.独自商品の販売の審査が厳しい JANコードやISBNコードがついているようなAmazonカタログ既存の商品以外の、自社独自の商品を登録したい場合、製品コード免除申請やAmazonブランド申請が必要となります。 これには厳しい取引証明や写真、パッケージなど厳しい審査があり、なかなか販売にこぎつけられない場合もあります。  

それぞれの利用者と売るための対策とは?

自社に合うECモールとは?   3つのモールを解説してきましたが、導入にあたりどのモールを選ぶかは未だ悩むところだと思います。そこで、どのモールを導入するのが自社にあったターゲット層を狙えるのか、どういったことに注意すべきかをまとめていきましょう。  

楽天市場

利用者層は30代以上の女性が特に多く、ポイントの還元率が高い点や、定期的に開催されるポイントアップイベントの効果が大きいと考えられます。 まとめ買いできる日常使いするものやグルメ、旅行、美容など、女性ならではの趣味に関する商品がよく売れる傾向にあります。 参考:https://ecnomikata.com/ecnews/39794/(Amazon・楽天市場の利用実態に関する調査|ECのミカタ)  

Yahoo!ショッピング

利用者は40代〜50代の大人世代が特に多く、Paypayを利用するユーザーが多くなっています。 出店数が多いため、楽天やAmazonにはないニッチな商品を探している方も多いようです。 商品登録時には、まずはSEO対策にもなるキャッチコピーの入力や、掲載する画像の作り込みなどは必ず行いましょう。 PRオプション(ストアの販売促進費)を設定することで、ショップの上位表示を狙うこともできるため、この費用について検討してみるのも良いでしょう。  

Amazon

ワンクリックで購入できる手軽さ、安価なものを探しやすい・プライム会員なら送料無料といった特徴から、利用者は20代の若者が多くなっており、性別では男性が少し上回っているようです。 価格競争に対抗できるかもポイントにはなりますが、Amazonでは検索エンジンからの流入が多いため、出品は簡単とはいえ商品内容についてきちんと情報が十分に記載されているかが重要となります。 商品画像を複数設置しているか、商品説明で十分にキーワード(SEO)対策を行っているかも売上に大きく関わってきます。  

まとめ

今回は、ECモールの代表として楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonについて解説してきました。 それぞれ異なる特色がありますが、特にこの3つは最終的に全て運営するという会社が多くなっています。まず限られたリソースでどこから始めてみるかを検討し、自社で売りたいものの特徴やターゲット、かけられるコストやリソースなどをまとめてみてはいかがでしょうか。 かかる費用については前回の記事でまとめていますので、是非ご覧の上参考にしてみてください。  

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