令和4年度補正予算「食品原材料調達安定化対策事業」について解説!概要、公募内容、申請要件とは | ショクビズ!

令和4年度補正予算「食品原材料調達安定化対策事業」について解説!概要、公募内容、申請要件とは

公開日:2023.07.03 更新日:2024.09.11
ライター:ショクビズ編集部

令和4年に公募されていた輸入小麦等食品原材料価格高騰緊急対策がリニューアルされた


(※引用:「農林水産省補助事業 食品原材料調達安定化対策事業」https://jmac-foods.com/genzairyou/

食品製造事業者等においては、原材料調達先の多角化等が喫緊の課題となっています。
このコロナを把握し、それに対応するための調達先の多角化、原材料の切替及び製造コスト削減等の取組や、輸入農林水産物等を国産農林水産物等に切り替えて行う新たな販路拡大の取組等の推進を図ることを目的とした補助事業(補助金)令和4年2月20日より順次公募されています。6月以降に第3回公募が行われることが予定されています。
(※参考:「農林水産省補助事業 食品原材料調達安定化対策事業」https://jmac-foods.com/genzairyou/

近年の新型コロナの感染拡大やウクライナ情勢等の影響により、幅広い輸入食品原材料の価格高騰等が進むなど、輸入原材料の調達リスクが顕在化する中で、令和4年秋ごろより、同趣旨の補助事業が開始され、昨年度中5回の公募がなされました。

本年度は昨年度の事業よりさらに内容が拡充され、新たに募集が始まりました。
(※参考:「令和4年度補正予算 食品原材料調達安定化対策事業 公募説明(1/3)」https://youtu.be/PyPo-Lg4SZc

補助対象となる取組は大きく3つ。

具体的な公募内容について

取組A 食品原材料調達先多角化支援
(具体例)
・輸入原材料を減らし、その分を国産原料に切り替える(穀物だけでなく水産原料なども対象)
※すべてを国産原料に切り替える必要はない。

・国産仕様の製品リニューアルによる国産原材料使用量増加

・輸入国の切り替え(付加価値向上につながるもの)

取組B 生産性向上によるコスト削減等支援
(具体例)
・原材料の利用量を低減する(例:油の利用率を上げる→原材料の使用量低減など)
・原材料使用量抑制の取り組み
例)投入間違い、漏れ・こぼれ・粒度違いの削減、原料の投入量(=次工程の投入量)のズレをなくすことによる工程歩留まりの向上・改善、工程内排気量低減

取組C 販路拡大対策
小麦等以外の切り替えを前提とした販路新規拡大(例:海外産魚肉加工品を国内産へ)
(具体例)
販路拡大のため輸入農林水産物等を継続的に国産農林水産物等に切り替え、新商品等として新たに流通するための食材調達
(※参考:「令和4年度補正予算 食品原材料調達安定化対策事業 公募説明(2/3)」https://youtu.be/k2rZMr68ay4

具体的な申請要件について

申請するためには下記の要件が必要となります。

(価格要件)
直近1 年間のうち任意の3ヶ月(申請前)の輸入食品原材料の平均調達価格が120%を超えていること。

(使用要件)
① 輸入食品原材料が原料として使用されているものであること。
② 輸入食品原材料の使用実績が過去1年以上あること。

補助対象経費は下記の通り。

【機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、調査費、外注費、広告宣伝・販売促進費、包装資材費、原材料費】

(補助金額)100万円~2億円 ※取組Cのみ100万円~5000万円
(補助率)1/2

設備投資を検討中なら要件にあてはまるか検討する価値あり

以上のように、当補助金は最大上限2億円金を受け取ることができる大型の補助金となっています。
また、取組Bでは輸入原材料を国産原料へ切替る事業計画である必要はなく、生産性の向上のための設備投資について当補助金を活用できる可能性があることは注目すべき点です。

採択率等は公表されていませんが、輸入食品の高騰や原油価格高騰の影響があることをしっかり証明できれば採択率は高まるようです。

生産性向上のためによく使われるものづくり補助金や、事業再構築補助金の要件にあてはまらないために設備投資向けの補助金を見送っていた方にとっては朗報と言えるかもしれません。

一度公募要領を手に取り、申請要件を検討してみてはいかがでしょうか?



株式会社丸信 補助金コンサルタント 福永晃大

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