ふるさと納税の仕組みとは?出品について解説!楽天の人気返礼品事例も紹介

公開日:2023.07.24 更新日:2024.10.17
ライター:ショクビズ編集部

近年食品メーカーの中でふるさと納税に関する話題が増えています。 「ふるさと納税が重要な販路の1つになった」「出品したが全く申し込みが来ない」といった感想やお悩みも多く聞かれるようになりました。 今まで機会が無かったものの実際どのように出品をするのだろう?とふるさと納税への出品を検討されている企業も多いのではないでしょうか? 今回は、そんなふるさと納税への出品方法や売れ筋ジャンルについて解説を行います。  

ふるさと納税の出品ルールとは

※ふるさと納税のルールは記事発信時点より変わる可能性がございます。最新の情報は総務省からの広報をご確認ください。   売れる、売れないの前にまずは出品ができなければなりません。 出品には細かなものから自治体独自のものまで沢山のルールがありますが、共通する大きなルールは2点です。  

ふるさと納税の出品商品は“地場産品”に限る

出品する商品は“地場産品”が基本です。では「地場産品」とは具体的にどのような定義なのでしょうか。 総務省が掲げる条件は様々ありますが主な定義は3点です。

 
  • 当該地方団体の区域内において、生産されたものであること

例えば、福岡県久留米市にあるカフェで作られた焼き菓子は地場産品です。

  • 当該地方団体の区域内において、返礼品等の原材料の主要な部分が生産されたものであること

福岡県久留米市にある牧場で搾乳された生乳を100%使用したアイスクリーム。これも地場産品です。

  • 当該地方団体の区域内において、返礼品等の製造、加工その他の工程のうち主要な部分を行うことにより相応の付加価値が生じているものであること

福岡県久留米市ではない地域で生産された豚肉を、福岡県久留米市内の工場で切断・調理・袋詰めしている豚肉加工品。これも地場産品と考えられます。   時折、ふるさと納税は食品しか無いと認識されていることもありますが例えば家具や基礎化粧品、体験チケット、実店舗で使える旅クーポン、更には会員制倉庫店の年会費無料クーポン等、実際には幅広いジャンルが出品されています。  

返礼品は寄附額の3割以内。送料は企業負担無し。

一時期返礼品の競争が過熱した兼ね合いで、2019年より「返礼品費用は寄附額の3割以下であること」が制定されました。これがふるさと納税出品の際によく話題に上がる「3割ルール」です。 例えば、寄附額10,000円の返礼品の場合、商品自体の価格は「3,000円」以内です。 この3,000円という価格は販売価格ではなく仕入れ価格です。仕入れ価格の中には消費税、梱包手間代、梱包資材費を含みますが、送料は含まれません。つまり冷蔵冷凍の送料がネックになっている企業には特にメリットが高い販路といえます。  

ふるさと納税の売れ筋を解説

基本的には米・ビール・肉・果物が売れ筋。「ちょっと贅沢グルメ」も人気。

様々なジャンルがあるとはいえ売れ筋のほとんどはやはり食品です。中でも、お米・ビール・お肉・果物が手堅く人気と言われています。 ホタテやカニ、ウナギ等の海鮮や、シャインマスカットやさくらんぼの佐藤錦等「ちょっと贅沢グルメ」をお取り寄せ感覚で申し込まれる需要もあり、九州名物ならば博多あまおうやマンゴー、もつ鍋等が各申し込みサイトの上位に来ています。

人気の返礼品事例の紹介

  • 北海道紋別市 オホーツク産ホタテ貝柱 大 1kg 14,000円

引用:オホーツク産ホタテ玉冷大(1kg) 引用:【ふるさと納税】14-22 オホーツク産ホタテ玉冷大(1kg)https://item.rakuten.co.jp/f012190-mombetsu/10-68/ 楽天市場のふるさと納税では2年連続で年間ランキング1位になるほど定番人気の返礼品。レビューでは想像以上の大ぶりさにリピートする寄附者が目立ちます。  

  • 鹿児島県いちき串木野市 調理済九州産焼鳥セット 5種盛合わせ 計36本 合計約1kg 10,000円

■引用:【ふるさと納税】<調理済>九州産焼鳥セット5種盛合わせ(計36本、約1kg)(https://item.rakuten.co.jp/f462195-itikikusikino/10000608/ 調理済のため温めるだけ・1袋6本入りずつという手軽さが好評。  

  • 福岡県福智町 博多若杉 訳あり 辛子明太子(切れ子) 500g×4パック 合計2㎏ 10,000円

■引用:【ふるさと納税】博多若杉 【訳あり】辛子明太子(切れ子) 贅沢普段使い可能!大容量2kg (500g×4パック) ( https://item.rakuten.co.jp/f406104-fukuchi/h61-44/ “訳あり”返礼品はお得感から人気で、「ふるさと納税 訳あり」というキーワードでよく検索されるジャンルです。   ※寄附金額、容量は変更になる場合があります。

物価高が起こってからはティッシュ・トイレットペーパーも人気に。

また近年の物価高の影響もあり、ティッシュやトイレットペーパー・洗剤等の日用品もふるさと納税で需要が高まっています。 それに付随してか、お米・お肉・果物等の人気ジャンルの返礼品は一層コストパフォーマンスの競争が激しくなり、ただ出品すれば寄附が来るということが少なくなりました。 ふるさと納税を販路の1つとして検討するのであればまずは自社商品が相場と離れていないかを事前にチェックしてみてはいかがでしょうか。  

ふるさと納税における自社商品の需要を調べる方法とは

売れ筋返礼品の容量・価格設定を確認する

例えば牛肉を取り扱っている企業であれば、ふるさと納税検索サイトで「牛肉」ジャンルのランキングを確認してみましょう。ランキング1位が例えば国産牛の赤身切り落とし1.8㎏10,000円だとします。 ふるさと納税の商品金額は寄附金額の3割の可能性が高いため、自社でも国産牛の赤身切り落とし1.8㎏が3,000円(消費税、梱包手間代、梱包資材費含む)で出品出来るのであれば申し込みが入る可能性が高いと言えるのではないでしょうか。 また、金額が追い付かなくても“翌営業日に発送が可能” “小分けパック”などは需要が高いためこういった強みがあれば多少リカバーできる場合もあります。

楽天市場のサジェストでニーズを調べる

数量や価格の定量面だけではなく、産地や調理法等の定性面も重要になります。定性面のニーズの調査は楽天市場のサジェスト機能が手軽かつタイムリーに調査が可能です。サジェストとは、検索エンジンで文字を入力した際、キーワードが予測されて表示される機能のことです。 楽天市場ではキーワードを入力したあとにスペースを打ち込むと、“ユーザーがよく検索するワード”がサジェスト表示される機能があります。 例えば「ふるさと納税 牛肉」と楽天市場で入力すると  

  • 「ふるさと納税 牛肉 切り落とし」
  • 「ふるさと納税 牛肉 赤身」
  • 「ふるさと納税 牛肉 焼肉」
  • 「ふるさと納税 牛肉 a5」

  といったサジェストが表示されます。このワードがよく検索されている=需要があると考えられるのです。 国産牛のモモステーキを出品検討したが、サジェストに出てこないのであれば、あまり需要が無いのかもしれない。それであれば、サジェストに出ている切り落としで出品を検討することが出来ます。 因みにこのサジェストはタイムリーに変わります。“先月はステーキと出てこなかったのに今月は出てくる” “いつ検索しても「a5」というワードだけはあるから、安定した人気がありそうだ”等把握できますので、定期的に目を通して参考にされてはいかがでしょうか。  

商品が1つの場合でも横展開で可能性を高める

容量違い、定期便展開等で横展開すれば窓口を広げることが可能。

「うちは商品数が少ないから難しそうだ」と思われるかもしれませんが、横展開で出品をする返礼品も多数あります。これはあくまでふるさと納税が「納税」で「申し込みできる金額上限が決まっている」という所が関係していそうです。   2㎏15,000円のハム・ソーセージセットであれば1品だけ出せる、といったケースで考えます。 例えば、年収400万のユーザーが寄附できる金額は最大42,000円程と決まっています。このユーザーが「北海道産のホタテで20,000円、地元のお菓子で10,000円、残り12,000円は何にしようかな」と検討しているならば、既に選択肢は12,000円以下だけに絞られるのです。 どんなにコストパフォーマンスの良いセットだとしても15,000円という価格でこのユーザーは申し込みをすることが出来ません。しかしもし、1㎏8,000円の容量違いセットを出品しておけば、ユーザーは申し込むことが出来ます。 1つの商品でも複数の容量違い返礼品を用意することで申し込みされるチャンスが増えるのではないでしょうか。   また、寄附額上限が1,000,000円以上という高所得のユーザー層もあります。 そのようなユーザーは10,000円の寄附を100回するよりも、申し込みの手間が省ける高額返礼品を申し込まれます。そもそも寄附する自治体の数が5を超えた場合手軽に申請が出来なくなってしまう事も高額返礼品を申し込まれる要因の1つと考えられます。 その際ぜひ出品しておきたいのが“定期便”です。健康食品通販等でよくある制度ですが、ふるさと納税でも上記の理由等で人気があります。例えば月に1度配送の1年間定期便180,000円で出品しておけば高所得ユーザー層にもアプローチが可能です。このように、出品出来る商品は1つしかなくても容量や送る頻度で横展開をすれば窓口が増え寄附の可能性を上げることが可能です。  

自治体によってルールが様々あるのでまずは確認を

ここまで様々なルールや事例を紹介してきましたが、自治体によっては「寄附額の2割以内を原則としている」「1事業者につき1ページまで」「新規の出品は現状受け付けていない」など独自のルールや現状を持つ自治体が多くあります。 例えば福岡県久留米市の返礼品要件は下記です。  

  • 地場産品であること
  • 業として生産している又はされたものであって、個人の趣味、特技により私的に作成した物品ではないこと
  • 品質及び数量の面において、安定供給が見込めること
  • 本市が求める場合に、返礼品のサンプルを提供できること(原則として無償)
  • 本市が委託する業者指定の宅配業者による配送が可能な商品等であること

  出品の応募や問い合わせは「ふるさと納税返礼品協力事業者」というワードに続いて参加する自治体名を合わせて検索すると、募集要項のページが出てくる事が多いです。ただし、自治体によっては出てこない場合や登録方法が違いますので、その際は自治体へ問い合わせてみましょう。  

2023年10月から「ふるさと納税」ルール改定について

2023年10月から「ふるさと納税」のルールが改定されます。現在のルールで寄付できるのは2023年9月までとなります。 新ルールについて気になる方は、下記の記事を読まれてみてください。 ▼2023年10月からの「ふるさと納税」の新ルールについての解説記事 https://shokubiz.com/maker/5476/    

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