注目度up!米市場拡大の兆しの理由とは?米原料の代替食品開発事例を紹介
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日本では、お米の需要の少なさが叫ばれてきました。しかし今、米の市場が拡大し始め、米原料の商品が出回り始めています。特に米原料の代替食品が人気で、小麦に替わる原材料として注目を集めているのをご存知でしょうか? そこで今回は、米原料の代替食品が人気を集める理由やメリット、企業の食品開発の事例について紹介します。
米原料の代替食品とは
米原料の代替食品は、お米を原料とした加工食品を指します。例えば、小麦粉の代わりに米粉を使用した「米粉パン」も米原料の代替食品です。 日本人はお米を主食にしているため、米原料の代替食品も受け入れやすい傾向にあります。 パンやパスタなど「食の欧米化」が叫ばれていますが、それを米原料で製造すれば、米の需要と供給のバランスが整います。 よって米原料の代替食品は、日本の「米余り」を解決してくれる糸口になっていくでしょう。
米原料の代替食品が注目される理由
なぜ今、米原料の代替食品が注目されているのでしょうか? その理由は、2022年4月に輸入小麦の価格が引き上げられたのがきっかけです。 農林水産省では、主要銘柄平均で17.3%の引き上げを行うことを発表。欧米から輸入される小麦が値上がりし、小麦ではなく他の原料を使用した食品開発が求められるようになりました。 そこで米粉を始めとした米原料に注目が集まり、商品開発が進んでいるのです。 例えば、米粉はモチっとした食感やパリッとした口当たりを出すのに最適。また、アレルギーも少なく、グルテンフリーの観点からも大きな恩恵を受けています。 よって、これからは米原料の商品が増え、米の消費量が増えると予測されています。
食品メーカーが米原料を活用するメリット
ここで、食品メーカーが米原料を使用した商品開発を行うメリットを紹介します。
グルテンフリーで健康志向の人から支持されやすい
健康志向の高まりにより、グルテンフリーが注目を集めています。グルテンフリーとは、グルテンを含む食品を摂取しないライフスタイルです。 グルテンは、食品に弾力を持たせたりふっくらさせたりする大切な役目を持っています。 しかし腸内環境を悪化させる作用があり、健康上の理由で避ける人が増えてきました。 逆にお米はグルテンフリーなので、米原料の食品が注目されているのです。また、小麦アレルギーの人でも安全に食べられるため、米原料の活用は増えていくでしょう。
安価で安定した仕入れが可能
日本で消費されるお米のほとんどが国内で生産されています。そのため安定した仕入れが可能で、商品開発にも有利に働いてくれます。 また、小麦の価格が上がる前は、米の国内需要が落ち込み「米余り」が深刻化していました。 しかし逆を考えれば、米を安価で大量に仕入れられるということ。米原料を活用した商品開発には追い風となります。 海外からの輸入にも頼る必要がなく、米農家からも感謝される取り組みです。
加工用の品種がある
お米は、そのまま食べるだけでなく、加工用に生産された品種もあります。よって、商品開発する際は加工用の品種を仕入れることも可能です。
- ゆめふわり:米粉にしてもパンのふくらみが良好
- やまだわら:粘りが弱く冷凍可能食品に向いている
- 和みリゾット:リゾット向けの開発された品種で粘りが少ない
このように、加工に適した品種も増えており、小麦に頼らない商品開発ができます。
米粉、米ぬか、もち米など、米原料の代替食品を紹介
最後に、米原料を活用した食品メーカーの事例をご紹介します。
山形大学が開発した米ぬか原料の「代替肉」
山形大学の渡辺昌規教授の研究グループが、米ぬかを原料とした「代替肉」の開発に成功しました。 米ぬかに含まれるタンパク質を高濃度で抽出し、大豆から作られる代替肉のような食感を実現。今後は味や香りを加え、商品化することを目標にしています。 日本人の主食である米を余すことなく使う取り組みは、多くの業界に恩恵をもたらしました。 米だけでなく、米ぬかを利用することで、米農家の売上にも貢献する良い事例です。
参考:米糠タンパク質濃縮物からの代替肉調製に成功 ~国内産原料からの代替肉製造による持続的な稲作の可能性~(https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20221006/01-21-2-3-22/)
お米由来のタンパク質を使用した「植物性チーズ」
画像引用元:お米から生まれた、とろーりとろけるチーズ SDCheeze | 株式会社神明(https://sdcheeze.com/)
株式会社神明では、お米を主原料とした植物性のチーズを製造・販売しています。 乳製品を使用しないのはもちろんのこと、アレルギー物質(特定原材料等)28品目も使われていません。 よって乳製品アレルギーやベジタリアン・ヴィーガンの方でも安心して食べられます。 植物性のチーズは、お米から抽出したタンパク質を独自の技術で加工。酒粕を使用してチーズのようなまろやかさを実現しています。加熱するとチーズのように伸びて、口当たりもトロリとしているのが特徴。 お米からチーズの代替食品を開発した世界初の企業として、今後も注目を集めていくでしょう。
5年の歳月をかけて開発した「米粉マカロニ」
画像引用元:グルフリぐんま / 全商品(https://shop.5783.jp/wcshop/)
群馬製粉株式会社では、100%米粉を使用した「米粉マカロニ」を開発しました。 今まで、国産米で麺類を作るのは難しいとされていましたが、5年の歳月をかけて研究。加工技術を進化させ、やっとの思いで開発に成功しました。 米本来の甘みとモチモチとした食感が特徴で、サラダやグラタン、スープに活用できます。また、白玉やお餅の代用品としてもおすすめです。 今後も米粉の麺の開発に尽力し、麺類の市場で注目を集めていくでしょう。
米どころ新潟県産のコシヒカリを使用した「クラフトビール」
画像引用元:新潟のクラフトビール|胎内高原ビール(https://www.tainaibeer.com/)
新潟ビール醸造株式会社では、新潟県産コシヒカリを原料とした「クラフトビール 」を開発しています。 お米を使ったビールは、すっきりとした飲み口で、お酒が苦手な人でも飲みやすいのが特徴。 苦味を抑えてフルーティーさが際立つ「吟籠WHITE」、ホップの苦味とお米の甘みを活かした「吟籠IPA」の2種類を販売し、多くの人から支持されています。 最終的には、料理との相乗効果に富んだビールにし、米どころ新潟県の活性化にもつなげていく方針です。
米原料のバータイプ食品「モチベーター(MOCHIVATOR)」
三幸製菓株式会社では、米を原料としたバータイプ食品「モチベーター(MOCHIVATOR)」を開発しました。「餅」と「モチベーション」「人」を掛け合わせた造語で、モチベーションを上げたい時におすすめの商品です。 従来のバータイプ食品は、パサパサしていたりボロボロ崩れたりと、食べづらさを感じている人が多いのが現状でした。それを払拭すべく、モチっとした食感の米を原料としたバータイプ食品の開発に着手。 「モチベーター(MOCHIVATOR)」は、食感がモチモチしており、食べやすさと満腹感の両方を満たすことができます。バータイプ食品の新しいジャンルとして、今後も注目が集まっていきそうです。
参考:【三幸製菓】モチモチ食感のまったく新しいスタイルのバー。米原料のモチベーションアップバー「MOCHIVATOR」数量限定にてテスト販売!|三幸製菓株式会社のプレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000049944.html)
江口製菓の米粉を使った「ロールケーキ」「半熟カステラ」
画像引用元:ミルククリーム米粉ロール 2本|九州お取り寄せ本舗(https://www.otoriyose.site/shopdetail/000000000887/)
江口製菓では、米粉を使用した「ロールケーキ」や「半熟カステラ」の製造・販売を行っています。 「ロールケーキ」は九州産の米粉100%を使用し、モチモチの食感を実現。練乳がたっぷり入っているので、ミルキーで優しい味わいに仕上がっています。 「半熟カステラ」は米粉の生地にハチミツを加え、独自の焼き加減で半熟に仕上がるように焼き上げます。外はもっちり、中はとろっとした食感で、米粉で作られたとは思えない美味しさを実現。材料は米粉、ハチミツ、卵、砂糖だけなので、素材の旨味を存分に味わえます。 米粉の加工品は進化を遂げており、小麦アレルギーの人でも、同じようなスイーツが楽しめる時代になりました。
お米を原料とした代替食品は次々と生まれている
お米を原料とした代替食品の市場は伸び始めています。 消費者だけでなく、生産者である米農家にも大きなメリットがあり、今後も多くの食品メーカーが開発に乗り出していくでしょう。 今のうちから参入しておけば、米原料の代替食品市場で大きな成長を見込めるかもしれません。 米原料の食品のOEMをご検討の企業様は、食品OEM総合情報サイト「食品開発OEM.jp」でOEM先の検索が可能です。ぜひご活用ください。 ▼「食品開発OEM.jp」はこちら ▼オススメの記事はこちら ・今さら聞けないグルテンフリー効果を解説 ・クラフトビールOEMで個性を出す4つのポイント ・6次産業とは?農産物加工で農業と産業をつなぐ
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この記事のライター
ショクビズ編集部
企業の主な実績
オリジナルシールの企画・作成 10,000社以上
オリジナル紙箱・化粧箱・パッケージの企画・作成 11,000製品以上