【連載第4回】予想以上に厳しい採択率、1次募集の結果公表
本連載では、コロナ禍で苦しむ中小企業の新規事業創出を支援する事業再構築補助金の動向について、株式会社丸信の補助金コンサルタント・福永が、最新情報や補助金のポイントなどについて紹介します。
事業再構築補助金の1次募集の採択結果が公表されました。
「緊急事態宣言枠」の応募数は5181者で、そのうち要件を満たしたのが4326者、さらにその中から採択されたのは2866者、採択率は55%でした。一方、「通常枠」の応募数は1万7050者、要件を満たしたのが1万4913者、最終的に5,150者が採択され、採択率は30.2%となりました。
採択のカギは実現可能性や内容の分かりやすさ等
私が携わった申請案件でも採択/不採択の明暗が分かれましたが、これらの事業計画書を改めて精査し、また知り合いのコンサルタント等の情報を踏まえると、採択/不採択の傾向が少しずつ分かってきました。
- IT、DXやコロナに立ち向かう医療分野への進出など国の政策に関連した内容は採択されやすい
- 図表を使って分かりやすく説明している事業計画書は採択されやすい
- 図表がなくても情に訴えかける内容の計画書は採択されている
- 飲食店は優遇されている
- 売上予想の積算根拠や市場の動向やマーケット調査なども重要だが、事業の実現可能性の方が重要
- 現在の事業とのシナジー効果を立証できているものが採択されている
- 15ページの制限があったが、19ページでも、9ページでも採択されている
- 長い文章より分かりやすい文章が良い
- 採択された理由が良く分からない内容も2割ほどあり
応募数が合計2万を超えたため、多くの審査員を動員して審査を行ったことは容易に想像ができますが、その分、審査員の主観によって合否が左右された印象も受けました。この補助金は一度不採択になっても再チャレンジが可能ですので、1次で不採択とされた内容でも、内容を大きく変えずにもう一度提出してみても良いかもしれません。
また、不採択の場合、なぜ不採択だったのかをコールセンターに問い合わせることも可能です(ほかの補助金ではない対応です)。審査委員の所見やコメントを知ることで、次回申請の際どのように修正すればよいのかが分かるので、次回以降の申請に再チャレンジする際は参考になります。
入力ミスに注意、書類不備による不採択は14%
行政手続きのデジタル化が進む中で、補助金申請も電子申請の流れが進んでいます。事業再構築補助金もその例外ではありません。申請が便利になった反面、入力作業のミスも増えています。第1回目の申請では、不備件数は中小企業の通常枠だけで見ても2114件、申請全体のおよそ14%におよびました。
例えば決算書類や確定申告書などをPDFファイルで添付する書類に税務署の収受印がないなどの軽微な不備があった場合は、最悪の場合、書類不備とみなされ不採択となることもあるようです。事業計画の内容がとても良くても、申請書類や添付書類の不備で不採択となるのはとてももったいないこと。以下のサイトに注意点が記載されているのでよく読んで申請されることをお勧めします。
https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/shinsei_fubi.pdf
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この記事のライター
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